デイサービス(通所介護)とは?仕事内容・福利厚生・向いている人など
デイサービス(通所介護)とは、介護が必要な利用者さんが施設に通い、介護サービスを受ける施設のことです。利用者さんが社会とかかわり、孤立せずに済むよう支援したり、利用者さんのご家族の介護負担を軽減したりする目的で運営されています。
デイサービスの現場で活躍する介護職員がどのような働き方をしているのか、仕事内容や福利厚生、メリット・デメリットについて解説します。デイサービスで働くことに興味がある方はぜひご覧ください。
目次
1. デイサービスとは
通所介護(デイサービス)とは主に65歳以上の利用者さんが直接施設に足を運び、必要な介護を受ける形で提供される介護サービスです。自宅で過ごす利用者さんを対象としていることから、通常は施設から自宅への送迎までを含めたサービスです。入居施設を併設しているデイサービスであれば、建物の移動のみで送迎の負担はあまりありません。
(出典:厚生労働省「通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護」 / https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000650016.pdf)
1-1. デイサービスの役割
デイサービスが果たす役割として、主に下記の3つが挙げられます。
・要介護認定を受けた利用者自身が、自宅で自立した日常生活を継続できるようにサポートする
・デイサービスでのコミュニケーションやレクリエーションを通して利用者のストレスを解消し、社会的孤立感を軽減する
・日中に行う介護の一部を肩代わりすることで、普段利用者を在宅介護する家族の身体的負担・精神的負担を軽減する
デイサービスの役割として大きいのが、高齢者本人やその家族だけが抱えてしまいやすい介護負担の軽減です。デイサービスの利用によって社会と関わりを持ったり、介護についてのアドバイスを受けたりすることで、在宅での介護がやりやすくなるといったメリットも提供できます。
1-2. デイサービスの種類
利用者さんの状態や目的はさまざまなため、デイサービスにもいくつかの種類があります。下記は、デイサービスの主な種類とサービス内容の特徴です。
一般型 |
|
---|---|
認知症対応型 |
|
リハビリ特化型 |
|
短時間型 |
|
療養型 |
|
お泊り型 |
|
2. デイサービスの主な仕事内容
デイサービスの種類によって施設の特徴や提供する介護サービスは異なりますが、基本的な仕事内容はほぼ共通しています。
下記は、デイサービスで介護職員として働く場合の主な仕事内容です。
・食事介助
・入浴介助
・排泄介助
・口腔ケア
・服薬介助
・レクリエーションの企画・実施
・機能訓練の補助
・利用者の送迎
・移動介助
・乗降サポート
2-1. デイサービスで働く場合のスケジュール例
下記は、一般的なデイサービスにおける1日の流れです。
8:30 | 出勤・朝の準備 |
|
9:00 | 利用者のお迎え |
|
10:00 | 入浴介助 |
|
12:00 | 昼食 |
|
13:00 | 休憩 |
|
14:00 | レクリエーション |
|
15:00 | おやつの提供 |
|
16:00 | 記録・お見送り準備 |
|
17:00 | お見送り |
|
17:30 | 業務終了 |
|
3. デイサービスで働くメリット・デメリット
さまざまな職場がある中で、デイサービスの介護スタッフとして働くことを選ぶメリットは主に下記の2つです。
・身体への負担が少ない ・無資格者でも働きやすい
デイサービスの利用者さんは要介護度が低い方が多く、介助や機能訓練を行う際に介護スタッフへかかる肉体的負担が少なめとなる傾向にあります。宿泊型以外の施設は夜勤がなく、長時間の残業も起こりにくいため、生活リズムを整えやすい点もメリットと言えるでしょう。
またデイサービスの採用基準として、人とのコミュニケーション能力や異変に気づくための観察力を重視されることが珍しくありません。将来的には資格を取ったほうが待遇などは向上しやすいものの、初めは無資格でも本人のやる気があれば問題ないとする事業所も多くあります。
ただし、デイサービスには下記のデメリットもあります。
・介護職としての専門性を高めにくい ・コミュニケーションが苦手な方はストレスを感じやすい
デイサービスの利用者さんは要介護度が低いため、高度な介護技術を求められる場面がほとんどありません。無資格でも働きやすい反面、介護スタッフとしての成長を目的とする方にはデメリットとなる恐れがあります。また、自意識がはっきりしている利用者さんが多く、対応には細やかな心遣いや配慮も必要です。
4. デイサービスで働く場合の福利厚生
一般的なデイサービスで働く場合に適用される可能性が高い福利厚生は、下記の通りです。
・社会保険
・通勤手当
・退職金
・産休・育休
・社内託児所
・資格取得支援
・特別休暇
・家族手当
・社宅・家賃補助
デイサービスは医療法人や社会福祉法人だけでなく、民間企業によっても運営されています。施設によってどの程度の福利厚生が得られるかには多少の差があるため、職場を探す際には入念な確認が必要です。
国から多くの補助金を得られ収益が安定している医療法人や社会福祉法人は、家族手当や住宅・家賃補助などが比較的充実している傾向にあります。一方、民間企業運営の施設でも通勤手当が付くところは多く、遠方から通うことも可能です。退職金が用意されている施設も少なくありません。さらに、資格取得支援に積極的な施設を選べば、将来的なスキルアップ・キャリアアップにもつなげられるでしょう。
5. デイサービスで働く場合のスキル・キャリアパス
デイサービスは在宅でも生活できる方が対象であるため、介護度の低い利用者さんが多いのが特徴です。
日中を過ごす中でレクリエーションを行う時間が長いことから、レクリエーションに関する知識が自然と身につきます。「身体状況の異なる利用者さんが一様に楽しめる」「リハビリの意味合いを持たせる」など、レクリエーションについてのより専門的な知識を身につけられるでしょう。
6. デイサービスで働くことのよさや向いている人
デイサービスの基本的な稼働時間は日中で固定されており、シフト制を取らない施設も珍しくありません。毎日の勤務時間が一定になることから、子育て中・介護中の世代にも働きやすい環境と言えるでしょう。
初めて介護業界に入る方でも働きやすい環境が多い他、下記のような方にも向いた職場です。
・レクリエーションの企画を考えることが好きな方
・レクリエーションに関する知識を深めたい方
・人とコミュニケーションを取ることが好きな方
・人を楽しませることが好きな方
・人をお世話することが好きな方
・気配りが得意な方
・広い視野を持てる方
・現状を冷静に分析できる方
もちろん、上記に当てはまらない方でも挑戦することで、自分自身の新たな可能性が開ける場合もあります。
まとめ
デイサービスは、利用者さんが施設に通って介護サービスを受ける施設のことです。デイサービスでの勤務は基本的に日勤のシフトであり、自立した利用者さんも多く、介護職の方にとって負担の少ない働きやすい環境だと言えるでしょう。日々さまざまなレクリエーションを行うので、利用者さんを楽しませることにやりがいを感じられる方、コミュニケーション能力に自信のある方に向いている職場です。
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※当記事は2022年10月時点の情報をもとに作成しています
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