介護の仕事の実態とは?離職率・大変な点・仕事内容・やりがいを解説

介護の仕事は、「大変な仕事だ」と言われることがあります。体力的な負担が大きく、職場での人間関係が難しいのではないかと不安に感じている方もいるでしょう。しかし、介護の仕事のネガティブな面については、実態以上に大げさに語られている部分があります。
この記事では、介護の仕事の実態について、離職率のデータをもとに客観的に解説します。また、介護に関する仕事の内容や、仕事を通じて得られるやりがいについても取り上げるので、介護の仕事に興味をお持ちの方は、ぜひご覧ください。
目次
1. 【介護の仕事の実態】離職率
介護労働安定センターが公表した介護労働の実態調査の結果によると、2020年度の訪問介護員や介護職員の離職率は14.9%であり、年々低下傾向にあります。 離職率のピークは2007年の21.6%であり、当時と比較すると数値は約3分の2まで低下しました。業界全体で見れば介護人材不足の解消には至っていないものの、事業所の取り組みや国・地方自治体の政策は一定の効果を発揮していると言えるでしょう。
(出典:厚生労働省「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-」
/
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/21/dl/1-01.pdf)
次に、厚生労働省公表のデータで離職した人数と離職率を見てみましょう。2021年の1年間における「医療、福祉」の離職者数は105.64万人です。「宿泊業、飲食サービス業」の127.09万人、「卸売業、小売業」の116.72万人に次いで3位となりました。
離職率の面では「宿泊業、飲食サービス業」が25.6%ともっとも高く、「生活関連サービス業、娯楽業」が22.3%となっています。一方で、「医療、福祉」の離職率は13.5%にとどまっており、介護の世界の離職率が特別に高いわけではありません。
(出典:厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概要-産業別の入職と離職」
/
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/index.html)
以上のデータから、介護の仕事に魅力を感じる方の人数や仕事としての安定性は、昔に比べて大いに高まっていると言えます。
2. 【介護の仕事の実態】大変だと言われる理由
介護の仕事は多くの方にとっても、日本社会全体にとっても重要な役割を果たしていますが、一方で「大変」と言われることも少なくありません。 ここでは、介護の仕事が大変だと言われる代表的な理由を3つ紹介します。
2-1. 体力的に負担が大きいため
介護職は一般的に体力的な負担が大きい職業と言われています。 利用者さんの身体を支えたり、車いすに移乗させたりする作業が日常的に行われるため、身体を痛めてしまう方も少なくありません。夜勤のある職場や立ち仕事が長い職場では、「体力的に限界を感じる」という方もいるでしょう。
しかし、適切な姿勢や身体の使い方を学べば、介護を行う方の負担を軽減しつつそれまでと同等以上のサービスを提供することも可能です。また、介護の仕事で身体を動かすことで、自分の体力や筋力が向上する人もいます。最初は大変かもしれませんが、「仕事に慣れて経験を積んだことで、次第に楽しく働けるようになった」という方も多くいます。
2-2. 人間関係の構築が難しいため
介護の現場では幅広い年代のスタッフが働いており、職種ごとにケアの方針が異なることから、人間関係の構築が難しい場合があります。 また、利用者さんやそのご家族との信頼関係の構築も重要なものの、性格的な相性の問題からコミュニケーションが円滑に進まないことも珍しくありません。
しかし、仕事とプライベートでメリハリをつければ、ストレスの解消は可能です。また、スタッフ同士で意見交換を積極的に行うと、お互いの理解を深めやすくなります。人間関係の構築に時間がかかるのは当然だと考えて、コミュニケーションのスキルを高めるチャンスだと捉えると働きやすくなるでしょう。
2-3. 人手が足りないため
介護業界の離職率自体は下がっているものの、高齢化社会の進展とともに介護施設を利用する方の人数は増え、職場によっては人手不足になりがちです。 1人あたりの業務量が増えて「休みが取りにくい」「労働環境が悪化した」という事態になると、仕事がきついと感じる機会も増えます。
しかし、業務の多さはスキルを早く高めるチャンスが多いと捉えることもできます。また、人手が少ない職場では、自分の裁量で動けるケースも少なくありません。人手が少ないということは売り手市場ということでもあり、自分に合った職場を選びやすい点はメリットと言えるでしょう。
3. 【介護の仕事の実態】仕事内容
介護に関する仕事は、主に「身体介護」と「生活援助」の2つに分類されます。 身体介護では利用者さんの身体に直接触れる介助、生活援助では身体に触れずに日常生活のサポートを行います。それぞれ役割としては異なりますが、細かな観察と気配りが必要である点は共通です。ここでは、「身体介護」と「生活援助」の概要を解説します。
3-1. 身体介護
厚生労働省では、身体介護を以下のように定義しています。
【身体介護の内容】
1-0 サービス準備・記録等:サービス準備は、身体介護サービスを提供する際の事前準備等として行う行為であり、状況に応じて以下のようなサービスを行うものである。:健康チェック(利用者の安否確認、顔色・発汗・体温等の健康状態のチェック)/環境整備(換気、室温・日あたりの調整、ベッドまわりの簡単な整頓等)/相談援助、情報収集・提供/サービス提供後の記録等
1-1 排泄・食事介助:排泄介助(トイレ利用・ポータブルトイレ利用・おむつ交換)/食事介助/特段の専門的配慮をもって行う調理
1-2 清拭・入浴、身体整容:清拭(全身清拭)/部分浴(手浴及び足浴・洗髪)/全身浴/洗面等/身体整容(日常的な行為としての身体整容)/更衣介助
1-3 体位変換、移動・移乗介助、外出介助
1-4 起床及び就寝介助
1-5 服薬介助
1-6 自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)
(引用:厚生労働省「各介護サービスについて」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000608309.pdf 引用日2023/06/30)
身体介護は、利用者さんの食事・入浴・排泄・移動などの際、身体に直接触れてお世話を行う介護です。 例えば、移乗介助での歩行や車いすへの移動のサポート、入浴介助での身体の洗浄や洗髪の補助、排泄介助でのおむつ交換などが挙げられます。
寝たきりの方や1人での生活が困難な方のお世話が中心で、安全確認や利用者さんの尊厳に配慮した細やかな気配りが求められる仕事です。なお、通常は身体介護については一定の資格などが求められますが、有資格者の監督があれば無資格の方でも身体介護を行えます。
3-2. 生活援助
厚生労働省では、生活援助を以下のように定義しています。
【生活援助の内容】
2-0 サービス準備等:サービス準備は、家事援助サービスを提供する際の事前準備等として行う行為であり、状況に応じて以下のようなサービスを行うものである。:健康チェック(利用者の安否確認、顔色等のチェック)/環境整備(換気、室温・日あたりの調整等)/相談援助、情報収集・提供/サービスの提供後の記録等
2-1 掃除:居室内やトイレ、卓上等の清掃/ゴミ出し/準備・後片づけ
2-2 洗濯:洗濯機または手洗いによる洗濯/洗濯物の乾燥(物干し)/洗濯物の取り入れと収納/アイロンがけ
2-3 ベッドメイク:利用者不在のベッドでのシーツ交換、布団カバーの交換等
2-4 衣類の整理・被服の補修:衣類の整理(夏・冬物等の入れ替え等)/被服の補修(ボタン付け、破れの補修等)
2-5 一般的な調理、配下膳:配膳、後片づけのみ/一般的な調理
2-6 買い物・薬の受け取り:日常品等の買い物(内容の確認、品物・釣り銭の確認を含む)/薬の受け取り
(引用:厚生労働省「各介護サービスについて」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000608309.pdf 引用日2023/06/30)
生活援助は、利用者さんの生活面での各種サポートを提供し、身体に直接触れることなく行う業務です。 例えば、掃除やゴミ出しによる住環境の整備、食事の調理・配膳・片づけなどの食事支援、近隣の店舗での食材や日用品の買い物代行などが挙げられます。あくまでも日常的な家事の範囲に含まれる作業であり、生活援助のみを提供するのであれば、特別な資格は要求されません。
4. 【介護の仕事の実態】やりがい
現場で働くスタッフの耳を傾けてみると、介護の仕事は大変なだけでなく、やりがいの大きな仕事であるという意見も多くあります。 介護の仕事のやりがいとして、以下の意見が多く上がります。
●感謝される仕事
利用者さんやそのご家族からの「ありがとう」といった感謝の言葉を直接聞けることで、大きな達成感や満足感を得られます。
●自立支援の成果を感じられる仕事
利用者さんの自立支援をサポートしたとき、利用者さんが元気を取り戻したり、できなかったことができるようになったりする様子に、達成感・やりがいを感じます。
●チームワークを発揮できる仕事
年齢や性別を問わず協力し合い、お互いの強みを発揮しながら働くことの多い職場です。それぞれが足りない部分を補い、助け合いながら働くチームワークに充足感を得る方も多くいます。
●人生の先輩と触れ合える仕事
介護現場では人生の大先輩との交流があり、そのおおらかさ・優しさに触れることで、さまざまな学びを得られます。
●働きやすい職場環境の整備が進む仕事
近年、急速に職場の働きやすさが改善しています。介護の世界は、行政が重点的に支援を進めている業界です。
まとめ
介護業界の離職率は、他の業界に比べて特別に高いというわけではありません。「介護の仕事は大変だから離職率が高い」というイメージを持っている方もいますが、それは実態に反します。むしろ介護は、利用者さん・ご家族から感謝される仕事で、働きやすい職場環境の整備が進められている業界です。そのため、介護はやりがいの大きい仕事であると言えるでしょう。
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※当記事は2023年8月時点の情報をもとに作成しています
介護・福祉業界の転職事情|仕事の種類・平均給与・おすすめの資格
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