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公認心理師とは?介護福祉士が取得するメリットや勉強方法も紹介

公開日:2022.08.19 更新日:2022.08.19
公認心理師とは?介護福祉士が取得するメリットや勉強方法も紹介

公認心理師は、2018年に資格試験が始まった国家資格です。医療機関や老人福祉施設、障害者支援施設などの幅広い分野で、専門性を生かし、利用者さんの心理的ケアにあたります。介護の現場でも求められる役割が多く、キャリアアップにもつながるため、取得を考えている方も多いのではないでしょうか。

当記事では公認心理師の仕事内容や資格の取り方、試験内容や合格率などの基本的なデータから、介護福祉士が資格を取る利点、試験の勉強方法まで幅広く紹介します。資格取得を検討する際の参考にしてください。

1.公認心理師とは?仕事内容を紹介

公認心理師とは、公認心理師の資格を取得すると、名乗ることができる職業です。心理的ケアを行う心理系資格として有名なのは臨床心理士ですが、こちらは民間資格です。一方、公認心理師は国家資格で、2015年に成立・2017年に施行された「公認心理師法」によって、2018年から資格試験が始まりました。

仕事内容としては、心理に関する支援を必要とする人に対して、心理学の専門知識と技術を生かし、相談や助言、指導などを通したケアを提供します。現代社会では、心の健康、いわゆるメンタルヘルスの問題が複雑化の一途を辿っており、今後の公認心理師の活躍に期待が寄せられています。

(出典:福祉医療機構「公認心理師」
(出典:厚生労働省「公認心理師」

資格の取得方法

資格を取得するためには、受験要件を満たした上で、資格試験を受験し、合格しなければなりません。受験資格を得るためのルートは、7つあります。そのうち、施行日(2017年9月15日)以降に大学に入学することを前提とした、基本的な受験資格は、区分A〜Cの3つのルートです。以下に簡単にまとめます。

区分A
4年制大学と大学院で、施行規則で定められている科目を履修

区分B
4年制大学で、施行規則で定められた科目を履修し、施行規則で定める施設で2年以上の実務経験を積む

区分C
区分A、Bと同等の知識と技能を有する(外国の大学、大学院で、心理に関する科目を履修)

残る区分D1〜Fの4ルートは、いずれも「公認心理師法」の施行日以前に、大学や大学院に入学していた場合を想定して設けられた、特例措置です。時系列が少し複雑なので、その点に気をつけて確認してください。

区分D1
施行日以前に、大学院で施行規則に定められている科目を履修

区分D2
施行日以前に大学院に入学、施行日以降に施行規則に定められている科目を履修

区分E
施行日以前に4年制大学に入学、施行規則に定められている科目を履修済み(履修中を含む)で、施行日以降に大学院で施行規則に定められている科目を履修

区分F
施行日以前に4年制大学に入学、施行規則に定められている科目を履修済み(履修中を含む)で、その後、施行規則が定める施設で2年以上の実務経験を積む

(出典:福祉医療機構「公認心理師」

試験内容・出題範囲

公認心理師の試験は、公認心理師法にのっとり「公認心理師として必要な知識及び技能」を問う内容からなります。この内容を具体的に示したのが、「公認心理師試験出題基準」と「ブループリント(公認心理師試験設計表)」です。

「公認心理師試験出題基準」には、試験の範囲とレベルが大・中・小の項目ごとにまとめられており、試験委員はこの基準をよりどころに出題を行います。「ブループリント」には、出題基準のうち、大項目の出題割合が示されています。受験希望者は、まず出題基準とブループリントを確認し、試験対策に取り組みましょう。

(出典:日本心理研修センター「公認心理師試験について」

合格基準・合格率

公認心理師試験の合格基準は「総得点の60%程度以上」です。ただし、合格点数は、各回の出題内容の難易度により補正されるため、毎回異なります。

試験は令和3年度までで5回実施されており、各回の合格率は、以下の通りです。

第1回(平成30年9月9日) 79.6%
第1回追加(平成30年12月16日) 64.5%
第2回(令和元年8月4日) 46.4%
第3回(令和2年12月20日) 53.4%
第4回(令和3年9月19日) 58.6%

第1回の試験の合格率は、その後と比較すると、際立って高い79.6%です。この要因として、初回の試験のため、問題の難易度が低かったと推測されます。

さらに、第1回の合格者を受験資格の区分別に見ると、区分D1の合格者数が最多です。区分D1は「施行日以前に、大学院で施行規則に定められている科目を履修済み」のグループで、この中には現役の臨床心理士が含まれます。公認心理師の資格は臨床心理士と同分野であるため、現役の臨床心理士は早い段階で受験したと考えられます。

第2、3回の合格率が50%前後に下がっているのも、この2つの要因と関連していると推測されます。また第4回の試験では、合格基準の点数が、それまでより高く設定されました。その結果、合格率が58.6%となっているので、試験の主催者側は、合格率を60%前後に安定させようとしている可能性が考えられます。

(出典:日本心理研修センター「公認心理師試験について」

2.介護福祉士が公認心理師を取得するメリット

公認心理師の資格を取得するためには、心理学を学ばなくてはなりません。心理学の勉強は、人に深く関わる内容なので、多くの学びが得られます。また、介護職として働く介護福祉士にとっても、とても有意義な学問です。ここでは、介護の現場で働く中で、心理学が役立つポイントを紹介します。

・高齢者の気持ちを正しく理解できる
高齢者は認知症などの影響もあり、周囲にその言動の意図が理解されにくい面があります。しかしどのような発言や行動にも、人それぞれの理由があります。心理学的な視点を持つことで、さまざまな言動の理由を推察でき、高齢者の良き理解者となれるでしょう。

・認知症を理解し、患者さんに適切な対応ができる
認知症を患う高齢者の数は増えており、その症状に悩みを抱える家族や介護職員は少なくありません。介護の拒否や徘徊、暴言などへの対応は、困難を極めます。心理学を学ぶと、高齢者の性格や心理状態を推察し、状況に応じた適切なケアが可能です。

・介護をする家族を精神的にサポートできる
介護職員は、高齢者だけでなく、その家族とも関わります。よく見られるのが、高齢者の介護をしている家族が、介護疲れやストレスなどで、精神面でケアを必要としているケースです。心理学の知識や技術を生かして、家族の話を聞いたり助言をしたりすれば、心理的支援ができます。

また、公認心理師の資格があると、心理職としての立場から業務に携われます。職場でも資格取得は歓迎されるでしょう。勤務先での昇進や昇給、あるいは転職の際のアピールポイントにもなり、資格手当が付く場合もあります。

3.公認心理師に合格するための勉強方法

公認心理師の合格率は60%前後で、決して高くありません。それなりに時間をかけて対策をする必要があります。しかし、ただ何となく参考書を読んでいても、試験の点数は上がりません。ポイントを押さえて、効率的に勉強に取り組みましょう。ここからはおすすめの勉強方法を紹介します。

・重要度の高い項目から勉強する
公認心理師の試験対策には、ブループリントの活用が不可欠です。ブループリントには、大項目の出題割合が掲載されています。出題の可能性が高い項目から勉強すれば、効率よく得点できます。まずはブループリントをチェックして、勉強する優先順位を決めましょう。

・過去問を活用して、演習を繰り返し行う
いくら暗記をしても、実際の試験に役立たなければ意味がありません。勉強で得た知識を実際の試験に役立てるために、問題演習には早めに着手しましょう。

演習には過去問を使うのがおすすめです。過去問を解くと、過去の出題傾向が分かり、自分がどこで点数が取れるかも把握できます。演習を通して、勉強方法や対策を見直し、より効率的に勉強に取り組みましょう。

・単語帳を使ってアウトプットする
昔から受験勉強の定番のツールとして親しまれている単語帳は、今でも現役です。昔ながらのカード式のものでも、最新のアプリでも、覚えやすいほうで作成しましょう。まず頭の中で覚えたら、次に文字としてノートなどに書き出して、アウトプットすることで記憶の定着をねらいます。

単語帳アプリは、検索機能で単語同士の関係性を確認できたり、画像を貼り付けてビジュアルで記憶できたりと、カード式にはない機能性が魅力です。アナログ派でも、一度試してみるとよいでしょう。

まとめ

公認心理師は2018年から試験が始まった、比較的新しい資格です。取得するには、大学と大学院で決まった科目を履修したり、実務経験を積んだりし、その上で国家試験に合格する必要があります。

介護の現場にも役立ち、評価対象ともなり得るため、介護福祉士にもおすすめの資格です。ブループリントを参考に、過去問や単語帳を活用して受験勉強に取り組みましょう。

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※当記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています

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