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実務者研修はいつ受けるのがよい?受講資格やタイミングを解説

公開日:2023.10.24 更新日:2023.10.24
実務者研修はいつ受けるのがよい?受講資格やタイミングを解説

介護福祉士国家試験を受験するためには、「実務者研修(介護福祉士実務者研修)」の受講が不可欠です。実務者研修を修了することで、介護福祉士国家試験の受験資格が得られるだけでなく、あらゆる介護知識を身につけられ、サービス提供責任者としても活躍できるようになります。

実務者研修は無資格・未経験者でも受講できるものの、無資格者の場合は修了までに最短でも6か月程度かかることから、受けるタイミングに悩んでいる方も多くいるのではないでしょうか。

そこで今回は、実務者研修の概要や受講資格から、受講の適切なタイミング、さらに実務者研修以外におすすめの介護系資格について詳しく説明します。

1. 実務者研修とは?

実務者研修とは、質の高い介護サービスを安定して提供するための基本的な介護能力の習得を目的とした研修 です。

介護職員の入門資格として知られている初任者研修(介護職員初任者研修)の上位資格にあたる資格でもあり、研修をすべて修了することで介護福祉士国家試験の受験要件の1つを満たすこととなります。

Q1 介護福祉士実務者研修とは、どのような研修ですか。

A1 3年以上の実務の経験がある実務経験者が、介護福祉士国家試験(平成28年度国家試験から適用)を受験するために必要な研修です。期間は6ヶ月以上、授業は450時間以上で設定されており、様々な種類(昼間・夜間・通信(一部面接授業有り))で開講されています。

(引用:近畿厚生局「介護福祉士実務者研修に関するよくあるご質問Q&A」
/ https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kinki/faq/yousei.html 引用日2023/5/6)

また、実務者研修は介護福祉士国家試験の受験を目指す方のみが受ける研修ではありません。実務者研修修了者は、訪問介護事業所におけるサービス提供責任者として活躍できるだけでなく、医療的ケアの知識を習得することが可能です。

そのため、スキルアップやキャリアアップ、これらに伴う給与アップの実現を目指して実務者研修を受ける介護職員の方も多く存在します。

なお、実務者研修の受講料は7万~20万円程度で、通学講座・通信講座によって価格帯が異なることも覚えておきましょう。

(出典:厚生労働省「介護福祉士の資格取得方法の見直しの延期について」
/ https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/care/dl/care_16.pdf

1-1. 実務者研修の受講資格

実務者研修に受講資格は特になく、年齢や学歴はもちろん、介護業界における勤務経験や保有資格を問わず誰もが受けられます。

しかし、保有資格によっては受講期間が短縮されることも覚えておきましょう。例えば、無資格者が実務者研修を受ける場合に必要となる受講時間数は450時間で、6か月程度が平均的な受講期間となっています。しかし、初任者研修をすでに修了している方の場合、必要受講時間数は320時間で、受講期間は約4か月が目安です。

初任者研修のカリキュラムは130時間であり、最短約1か月で修了できます。介護業界未経験の方や介護関連の資格を保有していないという方は、まず初任者研修を受講するのもよいでしょう。

2. 実務者研修はいつ受けるとよい?

実務者研修は無資格者や未経験者でも受講が可能であるうえ、保有するその他の介護資格によって一部科目が免除され、受講時間と期間が短縮されることから、講座をいつ・どのようなタイミングで受け始めるとよいか悩む方も多くいるでしょう。

結論から述べると、実務者研修は介護福祉士国家試験の受験する・しないにかかわらず、早ければ早いほどよいと言えます。

ここからは、実務者研修を受けるタイミングについて詳しく紹介します。

2-1. 実務者研修は早めの受講がおすすめ

すでに介護業界で働き始めている方の場合、実務者研修はスケジュールを確保してでも早めに受講することがおすすめです。実務者研修をなるべく早い段階で受講しておくべき理由としては、下記が挙げられます。

●介護職員としての活躍の場がより広がる
実務者研修では、患者さん・利用者さんの疾患や障がいに関する知識や、国・自治体などが行っている支援制度など、支援・ケアに関する内容を学習できます。実務者研修を修了すれば、研修で学んだ介護知識や介護技術を実践現場で活かせられ、結果として活躍の場を広げることが可能です。

●職場での待遇が向上する可能性がある
実務者研修を修了して活躍の場を広げられれば、より重宝される人材となり、職場での待遇がよくなる可能性が大いにあります。特に、実務者研修を修了した介護職員に対しては資格手当をつける職場も多く、給与アップを実現できるでしょう。

厚生労働省が公表した「令和3年度 介護従事者処遇状況等調査結果」では、保有資格別の平均給与額データが記載されています。下記のデータでは、無資格者と実務者研修の修了者とで、平均月給に約36,000円の差が生じていることが分かります。

平均給与額(単位:円)
全体 316,610
保有資格あり 319,460
介護福祉士 328,720
社会福祉士 363,480
介護支援専門員 362,290
実務者研修 307,330
介護職員初任者研修 300,510
保有資格なし 271,260

(引用:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/21/dl/r03kekka.pdf#page=190 引用日2023/5/6)

早い段階で実務者研修を修了すれば、その分早くスキルアップにつながるだけでなく、給料アップも期待できるため、スケジュールを確保してでも受講することに損はありません。実務者研修施設やスクールによっては受講期限が設けられているため、なるべく余裕をもってスケジュールを立てることをおすすめします。

2-2. 介護福祉士を目指す場合の受講タイミング

介護福祉士国家資格を取得するためには、介護福祉士国家試験を受験し、合格しなければなりません。そして、介護福祉士国家試験を受けるためには、各ルートにおける受験要件を満たす必要があります。

複数あるルートのうち、実務者研修の修了が必須となるのは「実務経験ルート」であり、実務者研修の修了に加えて3年以上の実務経験も必要となります。

実務者研修を修了した方または修了する見込みの方は、次の手順により、受験の申し込みをすることが必要です。

|受験申し込み時に研修を修了している場合
受験申し込み時に、すでに実務者研修を修了している場合は、実務者研修の実施者から交付された「実務者研修修了証明書」を受験申込書類に添付して受験申し込みをしてください。

|受験申し込み時に研修を修了していない場合
受験申し込み時に、実務者研修を修了していない場合は、実務者研修の実施者から交付される「実務者研修修了見込証明書」を受験申込書類に添付し、「実務者研修修了見込み」により受験申し込みをしてください。

第35回試験は、令和5年3月31日までに実務者研修を修了する予定の方が対象となります。
実務者研修修了見込みで受験申し込みをした方は、実務者研修修了後に交付される「実務者研修修了証明書」を速やかに、試験センターに提出してください。

(注意)「実務者研修修了証明書」は、令和5年4月7日(金曜日)までの消印のあるものに限り受け付けます。

|実務者研修修了証明書が交付されなかった場合
「実務経験3年以上」で、「実務者研修修了見込み」で受験申し込みをしていた方が、実務者研修を修了しなかった、または受講しなかったため、「実務者研修修了証明書」が交付されなかった場合は、試験が無効となります。

|受験申し込み時に注意すること
(1)実務者研修を修了しただけでは介護福祉士を受験したり、資格の登録をすることはできません。
(2)実施者から交付される「実務者研修修了証明書」や「実務者研修修了見込証明書」は、受験申し込み時に原本を提出するため、大切に保管してください。

(引用:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「受験資格」
/ https://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/k_08_4.html 引用日2023/5/6)

前述の通り、実務者研修の修了までには無資格者の場合で約6か月間の期間を要します。「3年の実務経験と実務者研修の修了」という実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受けるのであれば、遅くとも受験の半年以上前には実務者研修を受講し始める必要があるでしょう。

ただし、介護福祉士の国家試験前には試験勉強も欠かせません。実務者研修の受講によって試験勉強に影響を及ぼさないためにも、実務経験の1~2年目に実務者研修を受け始めることが理想です。

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「実務経験+実務者研修」
/ https://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/k_08.html

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「実務者研修(EPA介護福祉士候補者以外の方)」
/ https://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/k_08_4.html

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「試験概要」
/ https://www.sssc.or.jp/kaigo/gaiyou.html

3. 実務者研修以外におすすめの介護系資格は?

介護業界で活躍する職員におすすめの介護系資格は、実務者研修以外にも多数あります。

実務者研修に加えていくつかの介護系資格を取得することで、より幅広く活躍できるだけでなく、あらゆる介護現場にて重宝される人材となり、給与をはじめとした待遇にもよい影響を与えるでしょう。

そこで最後に、実務者研修以外のおすすめ介護系資格を3つ紹介します。

3-1. 介護職員初任者研修

初任者研修とは、介護に関する基礎知識・技術の習得を証明できる入門資格です。実務者研修と同様、無資格・未経験者でも受講できます。

平成24年度まで、介護保険制度においては複数の養成研修が存在し、複雑な養成体系となっていました。

 このような状況を解消するため、「今後の介護人材養成のあり方に関する検討会」の報告書により、「今後の介護人材のキャリアパスを簡素でわかりやすい

ものにするとともに、介護の世界で生涯働き続けることができるという展望を持てるようにする必要がある。」という提言がなされました。

 この提言を踏まえ、平成25年4月から「訪問介護員養成研修2級課程」に変わるものとして、介護職への入職段階の研修の位置付けとして「介護職員初任者研修」が新たに創設されました。

(引用:大阪府「介護職員初任者研修の指定要綱等」
/ https://www.pref.osaka.lg.jp/houjin/youseikennsyuu/syoninn.html 引用日2023/5/6)

実務者研修の下位資格という位置づけではあるものの、修了することによって訪問介護などで利用者さんの身体介護ができるようになったり、就職・転職の際に有利に働いたりします。

実務者研修の受講においては、初任者研修修了者であれば受講時間・期間が短縮されるという点も大きなメリットと言えるでしょう。

初任者研修を取得するためには、スクールに通いつつ、最終的に修了試験に合格する必要があります。とは言え、研修内容をしっかり聞いて理解すれば不合格になることはほとんどない上、万が一不合格となってもすぐに再試験を受けられます。

3-2. 介護福祉士

介護福祉士は、数ある介護系資格のなかでも唯一の国家資格であり、介護に関する専門的知識や技術を有し、介護者に対する適切な介護・介護指導を行う職種のことです。介護福祉士資格を取得することで「国に認められた介護職員」として証明できる一方で、取得の難易度は高く、担当する介護業務の幅も非常に広いことが特徴となっています。

介護福祉士は、同法に基づく名称独占の国家資格であり、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があること により日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。)を含む。)を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう。

(引用:厚生労働省「ページ4:介護福祉士の概要について」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi4.html 引用日2023/5/6)

介護福祉士国家試験の受験ルートは複数あり、そのなかでも実務者研修の修了が必要な実務経験ルートは、福祉系学校や養成施設を卒業していない方でも受験要件を満たせる人気のルートとなっています。

(出典:厚生労働省「ページ4:介護福祉士の概要について」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi4.html

3-3. 喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修とは、痰吸引や経管栄養を行うためのスキルの習得を目的とした研修です。利用者さんの介護ケアを行う介護職員だけでなく、医療業界において患者さんの看護ケアを行う看護職員も受講する研修となっています。

2012年4月に行われた法改正により、喀痰吸引等研修を修了した介護職員は利用者さんに対して痰の吸引や経管栄養を行えるようになりました。高齢者の多い介護施設では、自力で痰を出すことができない利用者さんや、口から食事をとることができない利用者さんは多いため、喀痰吸引等研修を修了した介護職員は非常に重宝される人材となるでしょう。

なお、喀痰吸引等研修は実施可能な対象者と行為によって、第1号・第2号・第3号研修の3つに分けられます。第1号・第2号研修は不特定多数の利用者さんが実施対象で、第3号研修は在宅で過ごす重度の障がい者が対象となることも覚えておきましょう。

まとめ

実務者研修とは、質の高い介護サービスを安定して提供するための基本介護能力の習得を目的とした研修です。実務者研修を修了すれば、介護福祉士国家試験の受験要件を1つ満たせるだけでなく、活躍の場も大きく広がるというメリットがあります。

実務者研修の受講タイミングは、介護福祉士国家試験を受験する・しないにかかわらず、早ければ早いほどよいと言えるでしょう。初めの受講から修了までには数か月~半年ほどの期間を要するため、あらかじめスケジュールを立ててから受講申し込みをすることがおすすめです。

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