施設長の年収はいくら?仕事内容や介護職員が施設長になるための方法を解説

公開日:2026.08.31 更新日:2026.08.31
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介護職として働く中で、「施設長になったら、年収はどれくらい上がるのだろう?」と考えたことがある人もいるのではないでしょうか。

この記事では、施設長の年収や仕事内容、介護職員からステップアップするための方法について解説します。介護施設の運営管理を担いたい人、施設長になって年収アップを目指したい人は、ぜひ最後までご覧ください。

1. 施設長の平均年収はいくら?

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によると、令和7年賃金構造基本統計調査の結果に基づく介護施設の施設長(施設管理者)の平均年収は約441.7万円です。

参考:厚生労働省職業情報提供サイト(job tag)「施設管理者(介護施設)

ただし、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、有料老人ホームなど、施設の種類によって施設長に必要な資格や要件は異なります。そのため、上記の金額はあくまで目安であり、実際の年収相場には幅があると考えられます。

2. 施設長と介護関連職種の年収比較

同じく、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によると、令和7年賃金構造基本統計調査の結果に基づく主な介護関連職種の平均年収は以下のとおりです。

職種 平均年収
施設長 441.7万円
ケアマネジャー 441.3万円
介護職員
(施設介護員)
388万円
ホームヘルパー 381.9万円

参考:厚生労働省職業情報提供サイト(job tag)

施設長の年収は、他の介護関連職種と比較しても高い水準になっています。これは、施設長になるには豊富な経験や高度な知識・スキルが求められるケースが多いことが主な要因といえるでしょう。

3. 施設長の仕事内容

介護施設の施設長が担う業務は、以下のように多岐にわたります。

・施設の運営・経営管理
・スタッフの管理・育成
・利用者・家族への対応
・外部機関・地域との連携

具体的な業務は施設によって異なりますが、ここでは、施設長の主な仕事内容について解説します。

3-1. 施設の運営・経営管理

施設の運営や収支の管理は、施設長の基本業務です。運営の面では、施設の方針・理念に沿ったサービスを提供するとともに、リスク管理(法令遵守)を徹底し、地域から信頼される施設を目指さなければなりません。

一方、経営の面では契約業務や保険請求業務、各種経費などの管理を担い、健全な施設運営を実現する責任があります。

加えて、建物・設備の老朽化に伴う改修計画を立てるなど、職場環境の維持・管理も行います。

3-2. スタッフの管理・育成

施設の安定した運営のためには、人材マネジメントも欠かせません。具体的には、採用活動や入職後の教育、評価制度の整備、キャリア支援(スキルアップ研修の提供や資格取得支援)などが、施設長の主な役割となります。

また、離職を防ぐために、職員の希望・能力に応じた人員配置を行ったり、残業の削減に取り組んだりするのも大事な業務の一つです。

こうした活動によって、職員の定着とモチベーション維持を実現することが、結果的にサービスの質向上と経営の安定につながるでしょう。

3-3. 利用者・家族への対応

施設長は、入居時・退去時の面談や利用者の契約管理、クレームの対応などを通じて、適切なサービスの提供と施設に対する満足度向上に努めます。

見学会やイベントの企画・運営、近隣住民に施設の魅力を伝える広報活動などによって、利用者数の維持・施設の稼働率アップを目指すことも大切です。

3-4. 外部機関・地域との連携

市区町村や都道府県などの行政機関とは、事故報告書の提出や指導監査への対応を通じて連携を図ります。また、ケアマネジャーや医療機関との強いネットワークがあれば、入退居や緊急時の対応体制をスムーズに整えられます。そのため、施設の代表者として行政機関や地域、多職種との良好な関係を築くのも、施設長の大事な役割といえるでしょう。

更に、地域の催し物への参加やボランティアの受け入れなどを通じて、地域社会との協力体制を整えることも必要です。私が生活相談員として勤務していた施設では、施設長が積極的に町のお祭りや市のイベントに参加しており、それをきっかけに入所の相談につながったケースも多くありました。

組織をまとめる施設長は、施設の印象を左右する重要なポストでもあるのです。

参考:厚生労働省職業情報提供サイト(job tag)「施設管理者(介護施設)

4. 施設長になるには?

介護施設の施設長になるルートは大別して二つあります。介護職員の経験を積んでステップアップするルートと、異業種から転職して管理者に必要な資格を取得するルートです。

ここでは一例として、介護職員として働きながら施設長を目指すステップを紹介します。

4-1. 施設の運営・経営管理

施設長を目指すにあたっては、まず介護現場でリーダー職の経験を積むのが一般的です。主任やユニットリーダーとしてチームをまとめる経験は、経営管理を担う施設長を目指すにあたり、強力な土台となるでしょう。

目の前の業務に誠実に取り組むのはもちろん、研修やセミナーなどに積極的に参加してスキルアップを図るのも有効です。前向きな姿勢と確かな介護技術は周囲に安心感を与え、施設長としてスタッフを引っ張っていくための人望につながります。

4-2. 施設形態に合わせた必要資格を取得する

次に、施設長を目指す際に必要とされる資格を取得します。必ずしも介護関連の資格が求められるわけではありませんが、施設の種別によっては、以下の資格要件が設定されています。

施設種別 資格要件
介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)
下記のいずれか
・社会福祉主事の要件を満たす
・社会福祉事業に2年以上従事する
・社会福祉施設長資格認定講習会を受講する
認知症対応型共同生活介護
(認知症型グループホーム)
認知症の介護に3年以上従事し、厚生労働大臣が定める研修を修了
介護老人保健施設 原則として都道府県知事の承認を受けた医師
有料老人ホーム 特になし

参考:厚生労働省職業情報提供サイト(job tag)「施設管理者(介護施設)
参考:e-Gov 法令検索「介護保険法

有料老人ホームに必須の資格要件はありませんが、管理者候補として採用された後に、現場の業務経験を積むパターンが多く見られます。介護福祉士やケアマネジャーなど介護関連の資格を保有していれば、専門知識がある人材として高く評価されるでしょう。

施設長を目指す過程では、施設運営の現場感覚を養いながら、知識・スキルを磨くのがおすすめです。

4-3. 内部昇進や管理職採用の道を選ぶ

十分な経験を積んだら、職場に「施設長候補(管理者候補)として働きたい」という意向を伝えましょう。

長年勤めた職場であれば、業務の流れやスタッフの特性、施設の方針などが把握できているため、経営側に回ったときも働きやすいはずです。ただし、勤務先の職場でポストが空かない場合は、転職を視野に入れるのも一つの方法です。

5. 施設長が更なる年収アップを目指すには?

施設長の職に就いてからも、働き方次第で更なる年収アップを狙うことは可能です。ここでは、施設長としての職能を最大限に発揮し、収入を引き上げるための方法について見ていきましょう。

5-1. 施設長と介護職員の仕事を兼任する

年収を上げるための方法として、まず挙げられるのは他の職種との兼任です。介護職として働くと、処遇改善手当や夜勤手当などが支給される可能性があります。

一方、相談員やケアマネジャーとの兼任では、資格手当を支給されるケースが珍しくありません。ただし、施設長が本来担うべき管理業務に支障がない範囲での兼務が前提です。

5-2. エリアマネジャーへの昇進を目指す

大規模法人の施設長の場合、所属する施設の管理に留まらず、複数の施設を統括するエリアマネジャーや統括施設長を目指す道もあります。

エリア全体の収支管理や経営戦略の立案、新規拠点の立ち上げなどに関わるため、責任の範囲は広がりますが、その分年収アップが期待できます。

エリアマネジャーとして複数施設の売り上げ管理やコスト削減、稼働率の最大化などの実績を積み上げれば、経営層からの評価も高まるでしょう。

5-3. 給与水準の高い職場へ転職する

施設長として年収を上げるには、給与水準の高い職場へ転職するという選択肢もあります。

同じ施設長でも、運営母体の規模や経営状態、勤務するエリアなどによって給与体系は異なります。業績連動型のボーナスや役職手当が充実している企業では、相場よりも高い水準の年収を得られる可能性が高くなるでしょう。

現在の職場で稼働率の維持・向上、経費削減などの実績があれば、具体的な数字でまとめて、マネジメント能力を評価してくれる求人を探してみましょう。

6. 施設長についてのよくある質問

最後に、介護施設の施設長に関する質問にお答えします。

6-1. 施設長になるメリットや魅力とは?

施設長は、収支の管理やトラブル対応など、精神的なプレッシャーが大きい仕事です。一方で、夜勤の疲れから解放されたり、自分の裁量で職場環境を改善できたりするメリットがあります。

また、施設長には業績に連動する手当を設定している法人も少なくありません。そのため、経営状況によっては更なる年収アップを目指せる可能性があります。

キャリアの安定性と将来のポテンシャルを考えれば、施設長を目指す価値は十分あるといえるでしょう。

6-2. 施設長に向いている人の特徴とは?

一般的に施設長に向いている人は、以下のような特徴を持つ人です。

特徴
俯瞰する力がある 人員配置や現場の困りごと、収支のバランスなど、施設の課題を冷静に見極められる
調整能力が高い 利用者・家族・スタッフ・行政機関など、多様な人たちの間に入り、スムーズなコミュニケーションが取れる
責任感が強い トラブルが発生した際に、スタッフを守る姿勢を持ちながら、組織の代表として対応できる

「自分の力で組織をより良くしたい」という意欲がある人は、施設長としての適性が高いといえます。

まとめ:施設長へのキャリアアップで理想の年収を実現しよう

施設長は、経営管理やスタッフの育成など、現場のケアとは異なるプレッシャーを伴うポジションです。しかし、夜勤での負担がなくなったり、自分の裁量で理想の施設を作っていけたりと、大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。

施設の規模や形態によって年収の相場は異なりますが、マネジメントスキルを養い、施設の業績向上や環境改善に貢献すれば、年収アップが期待できるでしょう。

利用者やスタッフ、外部機関など、関わる人が多い分視野が広がり、新しい気づきが得られるのも施設長のメリットです。施設経営に主体的に関わりたい人は、施設長というキャリアを選択肢に入れてみてはいかがでしょう。

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プロフィール

佐藤恵美(Emi Sato)

介護福祉士・社会福祉士

高校卒業後は販売や営業事務などさまざまな職種を経験するも、ハラスメントによる退職をきっかけに「心や体が弱っている人の力になりたい」と一念発起。40代目前で大学に入学し、病棟のナースエイドとして働きながら、介護福祉士・社会福祉士などの資格を取得する。約10年にわたり、病院やデイサービスで介護職員・相談員として勤務。現場を知る専業Webライターとして、介護福祉関連の記事を多く執筆している。

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