介護・福祉の求人・転職なら【マイナビ介護職】

ケアマネジャーの受験資格|科目免除制度は存在する?

公開日:2023.01.26 更新日:2023.01.26
ケアマネジャーの受験資格|科目免除制度は存在する?

介護職としての経験を積んだ後のキャリアアップとしてケアマネジャーを目指す方もいるでしょう。ケアマネジャー試験を受けるにあたり、「自分には受験資格があるのか」と疑問が浮かぶことがあるかもしれません。

当記事では、ケアマネジャー試験について「保有している資格によって試験の免除制度はあるのか」「どういった試験問題が出題されるのか」を紹介しています。自分の受験資格を確認し、最短でケアマネジャーに合格したい方は、ぜひ参考にしてください。

1. ケアマネジャーの受験資格とは?

ケアマネジャー試験の正式名称は「介護支援専門員実務研修受講試験」と言い、ケアマネジャー研修を受講するための試験です。試験を受けるには、以下のいずれかを満たす必要があります。

・介護や医療福祉分野の国家資格取得者が当該資格の職に就き、5年以上かつ900日以上実務を経験している
・相談支援業務に5年以上かつ900日以上従事している

介護や医療福祉分野の国家資格とは、医師・看護師・准看護師・保健師・社会福祉士・介護福祉士・理学療法士・作業療法士・義肢装具士・栄養士などを言います。なお、介護職員初任者研修を修了し、業務に従事していてもケアマネジャーの受験資格に該当しないので注意が必要です。相談支援業務は、生活相談員や相談支援専門員として施設や在宅生活の福祉的サポートを行う仕事です。

ケアマネジャーの受験資格については都道府県ごとに細部の規定が異なる場合があるため、詳細は希望受験地の都道府県に確認しましょう。

(出典:福祉医療機構「介護支援専門員(ケアマネジャー)」/ https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job07.html)

1-1. 2018年から受験資格が改正

2018年のケアマネジャー試験から受験資格が改正され、介護や医療福祉に関する資格を持っていない方は、ケアマネジャーを受験できなくなりました。具体的な改正点として、以下の2点が受験資格の要件から除外されています。

・介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)などの資格を有し、5年以上業務に従事している
・無資格で介護などの業務に10年以上従事している

(出典:BrushUP学び「ケアマネの受験資格が2018年より、変更になりました!」/ https://www.brush-up.jp/article/kaigo_topic/caremanager/)

無資格・未経験の方がケアマネジャーの受験資格を取得する場合、実務経験を積むか養成校で学んで国家資格を取得し、さらに5年間の実務に従事する必要があります。

一見するとケアマネジャーになるハードルが上がったように感じますが、専門性を高めるために必要な改正でした。高齢化が進む社会では、地域の社会資源を活用した高齢者ケアが求められています。さらにケアマネジメントでは、障害者支援や生活保護といった他分野との連携が求められる場合もあります。

ケアマネジャーは、病院や介護サービス事業者などの社会資源と利用者とをつなぐコーディネーターです。他分野の知識・社会資源を活用する力・連携力といった高い専門性は、一朝一夕で身に付くスキルではありません。確かな知識に裏打ちされた専門性と豊富な経験をもって支援にあたる必要があります。

受験資格は、質の高いケアマネジメントを行うケアマネジャーを確保するために改正されました。ケアマネジャーへの期待は高く、今後ますます活躍の場が広がる職種と言えます。

2. ケアマネジャーは試験科目の免除がある?

かつてのケアマネジャー試験には、試験科目の免除制度がありましたが、2015年に免除制度は廃止されています。2015年以降は国家資格の有無にかかわらず、受験者全員がすべての問題に解答する形へ変更になりました。

2015年以前に行われていた試験科目の免除とは、「受験資格に規定する国家資格を取得していれば一部科目を受けなくてもよい」という制度です。具体的には、医療保険分野の国家資格を保有していれば「保健医療サービスの知識」などが免除されました。介護福祉分野の国家資格を保有していれば「福祉サービスの知識」などが免除科目でした。

試験科目が免除された場合、解答数全60問が40問~45問に減少します。ケアマネジャー試験は正答率70%が合格基準とされているため、免除の有無は合否に関わるでしょう。

免除制度が廃止された背景は、ケアマネジャーの専門性を確保し、利用者が質の高いケアマネジメントを受けるためです。ケアマネジャーは、地域で暮らす高齢者が住み慣れた場所で自分らしく生活する手助けをします。地域で暮らし続けるためには、医療・福祉・保健といったさまざまなサービスを用いて利用者を支援する「地域包括ケアシステム」の実現が求められます。

免除制度の廃止により、すべての受験者に対して幅広い分野の知識を問う形式に変わったため、質の高いケアマネジャーを育成しやすい環境になりました。

3. ケアマネジャー試験の内容

ケアマネジャー試験の内容は、「介護支援分野」25問・「保健医療福祉サービス分野」35問の計60問、試験時間は120分です。

「介護支援分野」では「介護保険制度の基礎知識」「要介護認定等の基礎知識」「居宅・施設サービス計画の基礎知識」などが出題されます。「保健医療福祉サービス分野」では「保健医療サービスの知識」「福祉サービスの知識」などが問われます。

出題形式は、5つの選択肢の中から「正しいもの」「適切なもの」を複数選ぶマークシート方式で、正答をすべて選択しないと点数になりません。問題文から「何を問われているのか」「いくつ解答するのか」を読み取り、解いていく必要があります。合格のボーダーラインは正答率70%前後と言われているため、過去問や模試に挑む際はめやすにしましょう。

近年の出題傾向としては、問題文が短くなり、受験者に読解力が求められています。過去問などで出題傾向を把握し、実際の試験形式を学びましょう。ケアマネジャー試験は難関とされていますが、過去問と同じパターンで出題されるケースが多いため、問題形式に慣れておくと正答が出しやすくなります。

また、受験年以前における医療・保険・介護分野の法改正は押さえておきたいポイントです。テキストで知識を身に付けるのはもちろん、近年の医療福祉の方向性や最新情報にもアンテナを張り、試験対策をしておきましょう。

(出典:福祉医療機構「介護支援専門員(ケアマネジャー)」/ https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job07.html)

(出典:東京都「介護支援専門員の試験情報」/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/kaigo_lib/care/shikenjyouhou.html)

4. ケアマネジャー試験を申し込む際の注意点

ケアマネジャー試験の申し込み期間・必要書類・提出方法などの受験要項は、都道府県ごとに異なります。多くの自治体が5~7月に申し込みを開始し、10月に試験実施予定なので、試験情報は事前に確認しましょう。

ケアマネジャー試験の受験地は、「勤務している都道府県」です。例えば、埼玉県の自宅から東京都の勤務地に通勤している場合、就業先の東京都が試験会場になります。ケアマネジャー試験は自己都合で選んだ自治体を受験地として設定することはできません。

また、ケアマネジャー試験に申し込む際は、実務経験の年数・日数を満たしているか確認するため、勤務先の職場で実務経験証明書を発行してもらう必要があります。証明書には、発行する職場の代表者名記入欄や証明印の押印欄があります。実務経験が複数の職場にまたがる場合、前の職場にも証明書を依頼しなければなりません。申し込み期間にまにあうよう、余裕をもって提出書類を準備しましょう。

なお、実務経験の期間としてカウントされるのは、資格を登録した日から試験日の前日までです。

まとめ

ケアマネジャーを受験するためには、介護などの国家資格保有者もしくは相談支援業務に従事した者が、専門分野で5年以上かつ900日以上の実務経験を積む必要があります。2018年の受験資格改正により、無資格で介護の仕事に就いている方はケアマネジャー試験を受けることが難しくなりました。

ケアマネジャーの受験資格を得るには、国家資格の取得が必要です。マイナビ介護職では、介護福祉士などの資格取得を支援している職場を数多く扱っています。希望に沿った職場を探すために、経験豊富なキャリアアドバイザーが転職活動をサポートし、非公開求人などを紹介しています。ケアマネジャーの受験資格を得てキャリアアップしたい方は、ぜひマイナビ介護職をご利用ください。

※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

"マイナビ介護職"では、完全無料で
あなたの転職をお手伝いします。
ぜひお気軽にご相談ください!

未経験でも大丈夫!初めての介護職で転職が不安なあなたへ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

おすすめの求人特集

新しい場所で働きたい!オープニングスタッフ募集

収入をアップさせたい!高収入特集

休みが多い方が良い!年間休日110日以上特集

住宅補助が手厚いから安心!住宅手当付き特集

関連記事

実務者研修は最短どのくらいの期間がかかる?受講のメリットも解説
資格
公開日:2023.10.24 更新日:2023.10.24

実務者研修は最短どのくらいの期間がかかる?受講のメリットも解説

介護職員としてのスキルアップを図るなら、介護業界で実務経験を積むだけで...(続きを読む)

実務者研修はいつ受けるのがよい?受講資格やタイミングを解説
資格
公開日:2023.10.24 更新日:2023.10.24

実務者研修はいつ受けるのがよい?受講資格やタイミングを解説

介護福祉士国家試験を受験するためには、「実務者研修(介護福祉士実務者研...(続きを読む)

初任者研修取得にかかる期間は?カリキュラムや受講方法の選び方も
資格
公開日:2023.10.18 更新日:2023.10.18

初任者研修取得にかかる期間は?カリキュラムや受講方法の選び方も

初任者研修(介護職員初任者研修)は、介護現場における基礎的な知識・スキ...(続きを読む)

実務者研修にかかる費用相場は?利用できる補助金も解説
資格
公開日:2023.10.18 更新日:2023.10.30

実務者研修にかかる費用相場は?利用できる補助金も解説

実務者研修(介護福祉士実務者研修)は、介護現場における質の高い介護サー...(続きを読む)

転職サービスのご紹介