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福祉用具専門相談員と福祉用具プランナーの違い|役割や給料の差は?

公開日:2023.02.16 更新日:2023.02.27
福祉用具専門相談員と福祉用具プランナーの違い|役割や給料の差は?

福祉用具専門相談員と福祉用具プランナーは、高齢者や障がい者の福祉用具選定をサポートする職種です。役割や仕事内容が似ているため混同されることも多いですが、両者には明確な違いがあります。

当記事では、福祉用具専門相談員と福祉用具プランナーの具体的な違いや役割・給料の差、福祉用具専門相談員としてのスキルアップに役立つ資格について解説します。福祉用具に関する職場で働いている方や、今後働きたいと考えている方は、ぜひご参考ください。

1. 福祉用具専門相談員と福祉用具プランナーの資格の違いは?

福祉用具専門相談員と福祉用具プランナーは、どちらも 高齢者や障がい者が福祉用具の購入・レンタルをする際に、適切なアドバイスやサポートを行う職種です。

両者の大きな違いは、資格取得までの過程にあります。ここでは、それぞれの資格の違いについて詳しく解説します。

1-1. 資格の位置づけの違い

福祉用具専門相談員は公的資格であるのに対し、福祉用具プランナーは公益財団法人テクノエイド協会によって認定される民間資格です。

福祉用具の貸与・販売を行う事業者は、各事業所に福祉用具専門相談員を2名以上配置しなければならないとされています。

(出典:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会「Q&A」
/ http://www.zfssk.com/qa/index.html#question01

また、福祉用具プランナーには受験資格が定められており、カリキュラムの内容も非常に充実しています。民間資格でありながら、現場で活躍するための専門的・実践的なスキルを身につけられる資格です。

(出典:公益社団法人 テクノエイド協会「福祉用具プランナー情報」
/ https://www6.techno-aids.or.jp/html/planner.html

1-2. 受験資格の違い

福祉用具専門相談員になるためには、指定講習を受講する必要があります。受講資格は定められておらず、講習受講後の修了試験に合格すれば誰でも福祉用具専門相談員として働くことができます。

(出典:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会「Q&A」
/ http://www.zfssk.com/qa/index.html#qa_sub-about

対して、福祉用具プランナーになるための認定講習を受講するには、福祉用具専門相談員としての実務経験が2年以上必要です。

(出典:公益社団法人 テクノエイド協会「福祉用具プランナー情報」
/ https://www6.techno-aids.or.jp/html/planner.html

つまり、 福祉用具プランナーは福祉用具専門相談員の上位資格という位置づけになります。

1-3. カリキュラムの違い

福祉用具専門相談員の指定講習カリキュラムには、下記のような内容があります。

●福祉用具・福祉用具専門相談員の役割
●介護保険制度の基礎知識
●高齢者の介護やリハビリに関する基礎知識
●福祉用具の特徴や使い方
●福祉用具サービスの仕組みと利用サポート
●アセスメントや貸与計画作成の演習

福祉用具専門相談員のカリキュラムでは、 まず座学で福祉用具の特徴や介護について詳しく学習し、最後はロールプレイングを通して実際の現場を想定した演習を行います。

(出典:一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会「福祉用具専門相談員指定講習における目的、到達目標及び内容の指針」
/ http://www.zfssk.com/qa/cur.pdf

一方で、福祉用具プランナーの認定講習カリキュラムには、下記のような内容があります。

●福祉用具専門職の役割
●福祉用具供給に関する法律
●各種福祉用具に関する専門知識
●相談援助のプランニング演習
●生活基本動作に関する演習
●住宅改修に関する演習
●各種福祉用具の使用やメンテナンスに関する実技

福祉用具プランナーの認定講習では、専門性の高い知識を幅広く学べます。 座学で知識を身につけるのはもちろん、実践スキルを習得するための演習・実技が多いのも特徴です。

(出典:公益社団法人 テクノエイド協会「福祉用具プランナー情報」
/ https://www6.techno-aids.or.jp/html/planner.html

2. 福祉用具専門相談員と福祉用具プランナーの役割や給料に差はある?

福祉用具プランナーは福祉用具専門相談員の上位資格という位置づけなので、より専門的・実用的な能力を身につけられます。

ここでは、福祉用具プランナー資格を取得することにより、現場での仕事内容や給与などの待遇に差が生じるかどうかについて解説します。

2-1. 役割の違いは?

福祉用具プランナーの取得後も、高齢者や障がいのある方の福祉用具利用をサポートするという役割は変わりません。そのため、資格取得によって大きく仕事内容が変化することはないでしょう。

ただし、福祉用具プランナーは福祉用具に関する専門的で高度な知識を身につけていることから、ハーフメイド・オーダーメイドの福祉用具に関する業務に従事できます。具体的な業務内容は、オーダーメイドの福祉用具が必要か否かの判断や、オーダープランの作成などです。

福祉用具専門相談員はどんな仕事?仕事内容や講習の内容は?

2-2. 給料の違いは?

福祉用具専門相談員の給料に関する統計はないため、福祉用具プランナー資格を取得した後の給料についても、正確な情報は分からないのが現状です。

求人サイトの調査を参考にすると、福祉用具専門相談員の平均年収は、300万〜350万円程度とされています。

福祉用具専門相談員の平均給与は?相場や年齢による差も解説

福祉用具プランナーは民間資格であり、福祉用具プランナー資格の取得が就業の条件となっている職種はありません。そのため、福祉用具プランナーの収入も、基本的には福祉用具専門相談員と同程度であることが予想できます。

ただし、勤務先によっては、福祉用具プランナー資格の保有によって資格手当をもらえるケースもあります。資格手当を考慮すると、福祉用具専門相談員よりも多少収入が多くなる可能性もあると言えるでしょう。

3. 福祉用具専門相談員のスキルアップにおすすめの資格は?

福祉用具専門相談員としてのスキルアップを目指すのであれば、関連資格を取得するのが有効です。福祉用具に関する資格には、福祉用具プランナー以外にもさまざまな種類があります。

ここでは、福祉用具専門相談員としてさらに知識を深めるためにおすすめの資格を2つ紹介します。

3-1. 福祉用具選定士

福祉用具選定士は、一般社団法人日本福祉用具供給協会が認定している民間資格の1つです。福祉用具専門相談員の資質向上を目的としており、福祉用具選定士の資格取得を目指すことで、福祉用具に関するより専門性の高い知識を身につけられます。

福祉用具選定士を取得するには、協会指定の研修会を受講し、筆記試験に合格する必要があります。研修会の受講条件は、福祉用具専門相談員としての実務経験が2年以上あることです。また、保健師や看護師、理学療法士なども受講可能です。

(出典:一般社団法人 日本福祉用具供給協会「福祉用具選定士」
/ http://fukushiyogu.or.jp/ginoushi/index.html

研修会にはA研修とB研修の2種類があり、福祉用具選定士として働くためには、A・B両方の研修を修了する必要があります。A研修ではベッドと車いすについて3日間、B研修では歩行器と床ずれ対策、リフトについて2日間学び、それぞれ最終日に筆記試験を行います。

(出典:一般社団法人 日本福祉用具供給協会「福祉用具選定士 研修カリキュラムについて」
/ http://fukushiyogu.or.jp/ginoushi/cur.html

3-2. 福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは、東京商工会議所が認定している公的資格の1つです。高齢者や障がい者を対象とした暮らしやすい住環境の提案に必要な知識・スキルを身につけられます。

(出典:東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験®とは」
/ https://kentei.tokyo-cci.or.jp/fukushi/about/

福祉住環境コーディネーター資格には3級・2級・1級の3種類があり、それぞれパソコンでの検定試験に合格することで取得できます。受験資格は定められていないため、併願や飛び級も可能です。

福祉住環境コーディネーターのカリキュラムは、下記の通りです。

3級 暮らしやすい住環境、生活の自立、バリアフリー、安心安全な住まい、地域で取り組むまちづくり事例など
2級 高齢者を取り巻く社会環境、自立支援の在り方、疾患別の住環境整備、福祉用具の活用など
1級 福祉住環境整備の必要性、地域福祉の推進、ユニバーサルデザイン環境の整備、福祉住環境コーディネートのケーススタディなど

福祉住環境コーディネーター資格を取得することで、福祉用具についてはもちろん、暮らしやすい住環境やバリアフリーに関する助言も行えます。

(出典:東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験® 試験要項」
/ https://kentei.tokyo-cci.or.jp/fukushi/exam-info/

まとめ

福祉用具専門相談員と福祉用具プランナーはどちらも福祉用具の選定に関する専門家であり、高齢者や障がい者の福祉用具利用をサポートする仕事です。

福祉用具プランナーの資格は、福祉用具専門相談員の上位資格という位置づけです。演習や実技を通したカリキュラムが多く、現場で活躍できる専門性の高い知識を身につけられます。福祉用具プランナーの取得によって業務内容や待遇はそれほど変わりませんが、オーダーメイドの福祉用具に関するプランニングなどに携わることができます。

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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

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