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【三重県】介護職員処遇改善加算の取得状況は?介護施策の状況も解説

公開日:2023.02.05 更新日:2023.03.09

「みえ高齢者元気・かがやきプラン(第8期三重県介護保険事業支援計画及び第9次三重県高齢者福祉計画)」によると、少子高齢化に伴い三重県の介護職員数は将来的に不足すると予測されています。令和7年以降には、介護職員数が3,000人以上不足すると見込まれており、介護職の離職率を低下させることが求められています。

(出典:三重県「みえ高齢者元気・かがやきプラン(第8期三重県介護保険事業支援計画及び第9次三重県高齢者福祉計画)」 /http://www.pref.mie.lg.jp/CHOJUS/HP/68513022944_00002.htm

そのため、三重県では介護職員処遇改善加算などの取得を進め、介護職員の給与水準アップなどを図りながら、人材の確保を進めている状況です。

この記事では、介護職員処遇改善加算の概要・三重県における介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算の取得状況・対応状況を紹介します。

※本文では、介護職員処遇改善加算(Ⅳ・Ⅴ)のデータにも触れておりますが、介護職員処遇改善加算(Ⅳ・Ⅴ)は令和3年3月31日で廃止されており、令和3年3月31日時点で算定している事業所については、令和4年3月31日までの算定です。

そのため、介護職員処遇改善加算(Ⅳ・Ⅴ)のデータは参考値としてご参照ください。

1. 介護職員処遇改善加算とは?

処遇改善加算は、介護職員の給与水準・モチベーションアップを図るために施行された制度です。ここでは、介護職員を対象とした「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」の概要を紹介します。

・介護職員処遇改善加算
介護職員処遇改善加算は、すべての介護職員を対象とした制度です。加算は「キャリアパス要件」「職場環境等要件」を満たす項目数によって、加算(Ⅰ)~(Ⅲ)に分類されます。

・介護職員等特定処遇改善加算
介護職員等特定処遇改善加算は、経験年数が長い介護職員を対象とした制度です。「月額80,000円相当の処遇改善を行うこと」などを方針として掲げており、介護職員等特定処遇改善加算を取得している事業所に転職できれば、大幅な給与アップが見込めるでしょう。なお、加算額の配分は各事業所にゆだねられているため、必ずしも給与水準が大幅にアップするとは言えない点に注意が必要です。

1-1. 介護職員処遇改善加算における平均給与の推移

介護職員処遇改善加算を取得する事業所が増えたことにより、介護職員の給与水準は上昇しています。

平成31年2月と令和2年2月の正社員として働く介護職員の平均給与の差額を見ると、令和2年2月のほうが15,730円高くなっています。項目別に増加額を見ると、基本給は3,160円、手当は8,090円、賞与や手当が該当する一時金は4,490円アップという結果となりました。

また、同時期の平均給与の推移を資格の有無で見ると、有資格者は15,670円、無資格者は11,120円上昇しています。基本的には、有資格者を優遇する施設が多いため、現在無資格で介護職に携わっている人は、資格取得をすると給与水準がさらにアップするでしょう。

(出典:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案)」 /https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000689849.pdf

2. 三重県における介護職員処遇改善加算の取得状況

国を挙げて介護職の給与水準アップを進めたことから、介護職員処遇改善加算の取得率は90%を超える都道府県が多くなっています。一方で、介護職員等特定処遇改善加算は施行されたのが令和元年10月と最近であったため、全国平均の取得率は66.4%と、介護職員処遇改善加算の取得率より低い水準です。

ここからは、三重県および東海地方の介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算の取得状況・対応状況を紹介します。

2-1. 【厚生労働省】介護給付費等実態統計をもとにした取得状況

厚生労働省は「介護給付費等実態統計」で、介護職員処遇改善加算などの取得状況を公表しています。下記は、東京都福祉保健局が上記のデータを用いた資料をもとに、東海地方における介護職員処遇改善加算の取得状況を示した表です。

【東海地方】介護職員処遇改善加算の取得状況 (令和3年1月サービス提供分) 単位(%)
加算(Ⅰ) 加算(Ⅱ) 加算(Ⅲ) 加算(Ⅳ) 加算(Ⅴ) 合計
全国平均 80.0 7.1 5.3 0.2 0.3 92.9
岐阜県 76.1 7.6 5.4 0.5 0.4 90.0
静岡県 80.6 5.9 5.8 0.1 0.3 92.6
愛知県 83.6 5.0 3.1 0.2 0.3 92.2
三重県 78.6 6.4 5.5 0.1 0.4 91.0

(引用:東京都福祉保健局「介護職員処遇改善加算等取得促進支援事業に係る取組事例集」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/shogu/R3_shoguu.files/jirei_torikumi.pdf/引用日2022/3/2)
※加算(Ⅳ・Ⅴ)については、令和3年3月末時点で同加算を算定している事業者について、1年の経過措置を設けた上で、令和2年度で廃止されています。

三重県における介護職員処遇改善加算の取得率は、全国平均よりも1.9%低いものの、90%以上となっています。三重県では、加算(Ⅰ)の取得率が近隣県に比べて若干低い傾向です。そのため、加算(Ⅱ)~(Ⅲ)の事業所が加算(Ⅰ)を取得すれば、三重県の介護職全体の給与水準がアップするでしょう。

下記は、東海地方における介護職員等特定処遇改善加算の取得状況をまとめた表です。

【東海地方】介護職員等特定処遇改善加算の取得状況(令和3年1月サービス提供分) 単位(%)
加算(Ⅰ) 加算(Ⅱ) 合計
全国平均 32.0 34.3 66.4
岐阜県 26.9 32.0 58.9
静岡県 32.4 37.6 70.0
愛知県 26.8 38.8 65.6
三重県 29.8 33.9 63.7

(引用:東京都福祉保健局「介護職員処遇改善加算等取得促進支援事業に係る取組事例集」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/shogu/R3_shoguu.files/jirei_torikumi.pdf/引用日2022/3/2)

三重県の介護職員等特定処遇改善加算の取得率は、60%台となっており、全国平均および近隣県と比較すると、低くなっています。しかし、全国には介護職員等特定処遇改善加算の取得率が60%を下回る都道府県も複数あるため、三重県の取得状況が特別悪いとは言えません。

2-2. 【公益財団法人介護労働安定センター】介護労働実態調査結果をもとにした対応状況

公益財団法人介護労働安定センターは、介護職の需要増加に伴い、平成4年に設立された機関です。介護職に就く人材の能力開発や雇用管理・改善、定着率を上げる支援などをしています。

ここでは、同センターが実施した「介護労働実態調査結果」をもとに、介護職員処遇改善加算と介護職員等特定処遇改善加算の対応状況を解説します。

【東海地方】介護職員処遇改善加算の算定及び対応状況(令和2年度) 単位(%)
諸手当の導入・引き上げ 一時金支給 基本給引き上げ
全国平均 61.6 57.6 35.3
岐阜県 59.5 60.3 33.1
静岡県 61.4 55.7 38.6
愛知県 63.8 64.7 40.1
三重県 68.2 53.4 34.5

(出典:公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html

東海地方における介護職員処遇改善加算の対応状況を見ると、「諸手当の導入・引き上げ」「一時金支給」を行う事業所の割合が高くなっています。三重県の対応状況は、近隣県と同様の傾向が見られ、「基本給引き上げ」が今後の課題と言えます。

下記は、東海地方における介護職員等特定処遇改善加算の対応状況をまとめた表です。

【東海地方】介護職員等特定処遇改善加算の算定及び対応状況(令和2年度) 単位(%)
職員全体の処遇改善 経験・技能のある介護職員の処遇改善 介護職員全体の処遇改善
全国平均 38.5 31.4 29.2
岐阜県 45.2 33.9 21.0
静岡県 27.8 36.1 34.3
愛知県 31.3 39.3 29.4
三重県 45.4 29.9 24.7

(出典:公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html

三重県では近隣県に比べて、「職員全体の処遇改善」に取り組む事業所の割合が高いことがうかがえます。職員全体の処遇改善が進められていることから、三重県では経験の有無・職種に関係なく、給与水準がアップしていると考えられます。

3. 三重県が実施する介護施策の状況

三重県では、「みえ高齢者元気・かがやきプラン(第8期三重県介護保険事業支援計画及び第9次三重県高齢者福祉計画)」を策定しています。同制度では、介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算の取得支援を実施し、介護職員の給与水準を上げることで、人材確保を進めている状況です。

(出典:三重県「みえ高齢者元気・かがやきプラン(第8期三重県介護保険事業支援計画及び第9次三重県高齢者福祉計画)」/
http://www.pref.mie.lg.jp/CHOJUS/HP/68513022944_00002.htm

介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算を取得する事業所が増えれば、給与水準が上がるだけでなく、働きやすい職場が増加します。 三重県では、各処遇改善加算の取得に力を入れているため、長く勤められる事業所が今後も増える可能性があります。

3-1. 【三重県】介護職員処遇改善加算を取得している傾向にある施設は?

厚生労働省の「介護給付費等実態統計」では、施設・サービス別の介護職員処遇改善加算の取得状況を掲載しています。ここでは、三重県にある介護職員処遇改善加算の取得率が80%以上の施設・サービスを紹介します。

訪問入浴介護
訪問入浴介護は、利用者の自宅に入浴で使う機材を持ち込み、入浴支援を行うサービスです。介護職員2人、看護職員1人のチームで業務を進めることが基本です。

短期入所療養介護
短期入所療養介護は、医療機関や介護老人保健施設などで、日常生活の介助や機能訓練などのサービスを提供します。利用者は原則、1泊2日以上30日以下で短期入所療養介護を利用します。

気になる職場が見つかった際は、介護職員処遇改善加算の取得をしているのかを、各職場の公式ホームページで調べることがポイントです。

また、「マイナビ介護職」では介護職員処遇改善加算を取得している事業所の求人・給与水準が高い求人などを数多く取り扱っています。待遇のよい職場に転職したい人は、マイナビ介護職をぜひご利用ください。

まとめ

介護職を対象とした処遇改善加算には、「介護職員処遇改善加算」と「介護職員等特定処遇改善加算」の2つがあります。全国的にどちらの処遇改善加算も取得する事業所が増えており、実際に介護職員の給与水準は上昇しています。三重県では、今後も介護職員処遇改善加算と介護職員等特定処遇改善加算の取得を目指す事業所の支援を行うため、介護職員にとって働きやすい職場が見つけやすくなるでしょう。

「マイナビ介護職」は、介護職の転職を専門的に支援するエージェントです。希望条件に合った求人を提案するだけでなく、求職者様に代わって条件面の交渉なども行います。さまざまなサポートを受けながら転職を進めたい人は、マイナビ介護職にぜひお問い合わせください。

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※当記事は2021年11月現在の情報をもとに作成しています

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