【北海道】介護職の求人動向は?有効求人倍率や実際の求人状況も紹介
日本最北端にあり、最大面積を誇る北海道は、豊かな自然・グルメ・観光資産に恵まれた自治体です。農業や工業などの産業も活発であり、多くの人々が暮らしています。一方で、北海道では高齢化が深刻化しており、介護の担い手不足が課題となっている状態です。
この記事では、北海道の介護職求人の動向を、有効求人倍率・介護職の需要が高い背景・求人状況などをふまえて解説します。北海道で介護職を目指す方は、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 【北海道】介護職における有効求人倍率の動向
令和元年の北海道における介護職の有効求人倍率は、3.34倍です。全国平均の4.45倍や、宮城県の4.13倍に比べると低いものの、岩手県や青森県に比べると高い水準にあります。
(出典:厚生労働省「介護分野における特定技能について」/https://jicwels.or.jp/wp-content/uploads/2020/01/2.%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E5%88%86%E9%87%8E%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E7%89%B9%E5%AE%9A%E6%8A%80%E8%83%BD%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%88%E5%8E%9A%E)
また、令和3年7月時点の北海道では、介護職にあたる「ホームヘルパー、ケアワーカー」の月間有効求人数が全ての職種の中で最も多く、前年より2%増えています。加えて、「社会保険・社会福祉・介護事業」の分野の新規求人も、全ての分野で最も多く、前年より7.7%増加しました。したがって、北海道では、介護職の求人数が増加傾向にあると言えるでしょう。
(出典:北海道労働局「職種別、求人・求職・賃金状況」/https://jsite.mhlw.go.jp/hokkaido-roudoukyoku/jirei_toukei/kyujin_kyushoku/toukei/chingin.html)
さらに、令和2年の北海道の介護業界では人手不足が課題となっており、年間を通じて求人を募集している施設が多い状態です。ただし、介護職の採用率は全国より高く、離職率は全国より低い状況から、処遇改善が進んでいることがうかがえます。
(出典:介護労働安定センター「令和2年度【北海道版】介護労働実態調査結果について」/http://www.kaigo-center.or.jp/shibu/hokkaidou/2021/010315.html)
なお、令和2年の、北海道で働く介護職の平均年収は約326万円であり、全国平均を下回るものの近隣の青森県・岩手県・宮城県よりも高い水準であると言えます。
(出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html)
北海道では、介護人材不足が問題となっているため、今後さらに求人数が増え、介護士の労働環境・待遇の改善が見込めるでしょう。
1-1. 北海道で介護職の需要が高い理由
令和3年時点の北海道の総人口は約523万人、65歳以上の人口は約167万人です。高齢化率は約31.8%となっており、令和2年時点の全国の高齢化率28.8%に比べると高い数値であることが分かります。
(出典:北海道「住民基本台帳人口・世帯数」/https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/tuk/900brr/index2.html)
(出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書(全体版)」/https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/zenbun/03pdf_index.html)
地域別に見ると、高齢化率が40%台の市町村も多く見られ、夕張市・歌志内市などでは50%を上回ります。なお県庁所在地である札幌市や本州とアクセスのよい千歳市などは比較的高齢化率が低い傾向です。
(出典:北海道「北海道の高齢者人口の状況」/https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/khf/koureishajinkou.html)
また、令和3年5月時点の北海道の要介護・要支援認定者数は約35万人です。内訳は、要介護約23万人、要支援約11万人であり、区分別に見ると要支援1・要介護1の人数が多数を占めます。
(出典:厚生労働省「介護保険事業状況報告(令和3年5月分)」/https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m21/2105.html)
近年、北海道では総人口は減少と高齢者人口の増加が同時に起きており、令和22年には40%近い高齢化率に達すると推計されています。高齢化に伴い要介護・要支援認定者数も増加するでしょう。
(出典:北海道「第8期北海道高齢者保健福祉計画・介護保険事業支援計画」/https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/khf/homepage/02-keikaku/04-keikaku8ki.html)
そのため北海道では、今後さらに介護施設・サービスの利用者が増え、介護職の需要が高まることを見越し、介護人材確保・定着の取り組みが多数進められている状況です。
2. 【カテゴリー別】北海道における介護職求人の状況
令和3年9月時点のマイナビ介護職には、北海道の求人が2,000件以上掲載されており、青森県や宮城県より多い状況です。ただし、北海道の介護職求人は半数以上が札幌市に集中しています。
そのため「求人の多い地域では、求人情報の比較検討に手間がかかる」「求人の少ない地域では、情報の更新をこまめにチェックする必要がある」などの悩みを持つ方も多いでしょう。求職活動をスムーズに進めたい場合は、マイナビ介護職を活用することがおすすめです。
マイナビ介護職では、キャリアアドバイザーが、希望条件に合う求人をピックアップするほか、希望エリアの新着求人や非公開求人をお知らせすることも可能です。
以下では、マイナビ介護職に掲載された求人数をもとに、北海道の介護職の求人状況を3つのカテゴリー別に解説します。
2-1. 【職種別】北海道の求人状況
北海道における、介護職の職種別求人状況は次のとおりです。
【職種別】北海道における介護職の求人状況(2021年9月時点) | |
---|---|
介護職・ヘルパー | 約1,722件 |
生活相談員 | 約121件 |
看護助手 | 約92件 |
ケアマネジャー | 約218件 |
サービス提供責任者 | 約30件 |
施設長 | 約8件 |
サービス管理責任者 | 約3件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
北海道では介護職求人の4分の3程度を「介護職・ヘルパー」の求人が占めます。施設別に見ると「特別養護老人ホーム」「通所介護施設」「グループホーム」からの募集が多い傾向です。
介護職・ヘルパーの求人には車通勤OKの施設が多く見られます。求人情報を見る際は、通勤手当や詳しい勤務地もチェックしておきましょう。業務上、普通自動車運転免許が必要なケースも多いため、AT限定でも可能かどうかなどの要件を確認することも重要です。
また、専門資格を要するケアマネジャー・生活相談員の求人も比較的多く存在します。いずれも高収入の求人では、実務経験者を歓迎する傾向にあり、400万円を超える年収を目指すことも可能です。
2-2. 【雇用形態別】北海道の求人状況
北海道における介護職の雇用形態別求人状況は、下記のとおりです。
【雇用形態別】北海道における介護職の求人状況(2021年9月時点) | |
---|---|
正社員(正職員) | 約1,468件 |
契約社員(職員) | 約412件 |
非常勤・パート | 約426件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
正社員が大多数を占めるものの、契約社員や非常勤・パートの求人も比較的多い傾向です。特に契約社員求人の比率は全国的に見ても高く、北海道の契約社員求人数は全国の契約社員求人の約15%にあたります。
契約社員であっても月収40万円以上を目指せる求人や、1年以内に無期雇用社員への登用が見込まれる求人もあります。正社員求人への応募が難しい方は、ぜひ契約社員に目を向けてください。無資格可・応相談の求人もあるため、契約社員として働きながら介護のスキルアップを行い、正社員を目指すこともできるでしょう。
一方で、正社員求人には、休暇日数・各種手当・福利厚生が充実した求人が多く見られます。ただし、「介護福祉士」などの国家資格が求められるケースも多いため、応募条件をしっかり確認することが大切です。
2-3. 【サービス内容別】北海道の求人状況
以下では、北海道の求人状況をサービス内容別に集計し解説します。
【サービス内容別】北海道における介護職の求人状況(2021年9月時点) | |
---|---|
介護老人保健施設 | 約142件 |
有料老人ホーム | 約131件 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 約119件 |
特別養護老人ホーム | 約327件 |
通所介護(デイサービス) | 約338件 |
グループホーム | 約326件 |
障がい者施設 | 約49件 |
訪問入浴 | 約11件 |
訪問看護 | 約3件 |
訪問診療 | 約0件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
北海道では「通所介護(デイサービス)」「特別養護老人ホーム」「グループホーム」の求人が多い傾向です。
「通所介護(デイサービス)」求人の3分の1は札幌市に集中しており、駅徒歩10分以内の事業所も見られます。なお、通所介護はサービスの性質上「日勤のみ」「残業少なめ」の施設が多いため、ワークライフバランスを重視したい方におすすめです。
要介護度の高い入所者が多い「特別養護老人ホーム」、認知症の入所者が中心となる「グループホーム」では、専門的なスキルや資格が求められるケースが多い傾向です。一方で、未経験OK・無資格OKの求人も見られ、食事介助やレクリエーションなど幅広い介護業務に携わりながらキャリアを積むことができます。
未経験・無資格から働きたい場合は、研修制度や資格取得支援制度の有無を確認するほか、施設見学なども積極的に行うことがおすすめです。
まとめ
北海道の有効求人倍率や平均年収は、近隣の東北エリアと比べるとやや高い水準です。現場では介護人材不足が課題となっており、高齢化の進行に伴い介護職の需要増が見込まれることから、今後はさらに求人数が増え処遇も改善されると考えられます。
北海道では求人数に地域差があるため、効率的に求職活動を進めたい場合は、マイナビ介護職をご利用ください。マイナビ介護職では、キャリアアドバイザーが希望条件に合う求人・希望エリアの求人をピックアップするため、スムーズに応募先を決められるでしょう。
※当記事は2021年9月現在の情報をもとに作成しています
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