介護職系施設について

特別養護老人ホームとは

特別養護老人ホームとは

特別養護老人ホームとは、原則要介護3以上の高齢者が入所できる施設です。その役割は「終のすみか」ともなり、看取りを行うことも珍しくはありません。50名以上の利用者に対応する施設がある一方で、1グループあたり10名以下の対応を行う「ユニット型特別養護老人ホーム」もあります。特別養護老人ホームは、基本的に公的な施設であり、多くが社会福祉法人による運営となっています。

特別養護老人ホームの仕事内容

特別養護老人ホームは昼夜を問わず介護を行う施設であり、夜勤があることはもちろん、早出や遅出もあります。また介護度の高い利用者が多いため、おむつ交換や移乗介助、入浴介助に関わる時間も少なくありません。その他、ケアプランの作成や、ケアの質の向上を図るための委員会活動なども行われています。

■タイムスケジュール例

【8:30】出勤。夜勤者からの申し送り、1日の業務の流れを確認
【9:00】入浴介助スタート
【11:30】昼食に備えて、休んでいる利用者の離床介助を行う
【12:00】昼食。自力で摂取できない人の食事介助
【12:30】交代でスタッフ休憩。休憩に入らないスタッフは利用者の見守りをしながら記録の記入を行う
【13:30】レクリエーションや次の日の入浴準備など
【15:00】おやつ。自力で摂取することができない人の食事介助
【15:30】カンファレンスや個人が受け持っている仕事の処理
【16:30】夕食に備えて離床介助
【17:00】夕食。自力で摂取できない人の食事介助
【17:30】業務終了

ケアプランの作成や委員会の仕事は、日勤の業務中には難しい場合があります。そのため夜勤のすき間時間に対応するところも多いでしょう。なお、夜勤のタイムスケジュール参考例は以下のようになります。

【17:00】出勤。日勤者からの申し送り
【17:30】夕食。自力で摂取できない人の食事介助
【18:00】口腔ケアや臥床介助
【19:00】おむつ交換や食器の片付け
【20:00】就前薬の服薬介助
【21:00】消灯、以降2時間おきに巡視や体交、おむつ交換を行なう
【5:00】朝食のための食堂準備
【6:00】起床。離床介助、整容
【7:00】朝食。自力で摂取できない人の食事介助
【8:00】利用者の見守りを行ないながら口腔ケアや記録の記入を行なう
【8:30】日勤者への申し送り
【9:00】業務終了

上記は二交代制の夜勤のタイムスケジュール一例ですが、三交代制の場合は通常「準夜勤」と「深夜勤」というかたちで出勤時間が分けられます。準夜勤の場合は15時~0時まで勤務、深夜勤の場合は0時~9時まで勤務、というように実働8時間で働くことになりますが、業務内容は二交代制の場合と大きな違いはありません。

特別養護老人ホームの福利厚生

多くの特別養護老人ホームの運営は社会福祉法人が行っており、国や自治体からの補助金を受けています。また特別養護老人ホームの利用者は要介護度が3以上の利用者が多いことから、施設への収入が介護サービスの量に影響されず、要介護度別にほぼ一定です。利用料が安いことから入居を望む人が多く、退所者が出たとしたとしても、すぐに次の利用者を受け入れるところがほとんどです。

こうした理由から、特別養護老人ホーム自体が安定した収益を得ており、就職した際にも家族手当や住宅手当といったさまざまな福利厚生が整っているところが多いのが特徴です。

特別養護老人ホームのスキル・キャリアパス

特別養護老人ホームの利用者は要介護度3以上が多く、おむつ交換や移乗介助、入浴介助などの業務が中心となります。常に迅速に行動することを心がけなければ、就職直後は業務が滞ってしまうこともありえます。長く働いているうちに、自然に効率の良い業務の回し方や、介護技術のスピードも身についてきます。

また特別養護老人ホームには、ケアの質の向上を目的とした委員会の設置義務があります。さまざまな委員会が用意されており、加えて定期的な研修も義務付けられているため、介護に関連した深い知識を数多く学ぶことができるでしょう。そのほかケアプラン作成に加えて、アセスメントやモニタリングの一連の業務も行うため、観察力や洞察力も養われます。

特別養護老人ホームで働くことの良さや向いている人

特別養護老人ホームは手厚い福利厚生が用意されていることが多いため、給料面や福利厚生を重視している人に向いています。また特別養護老人ホームではケアプラン作成の一連の流れを、現場で学ぶことが可能です。そのため、将来ケアマネージャーを目指している人にとっても、特別養護老人ホームは役立つ知識を学べる機会が多い施設であると言えます。

さらに研修や業務の中で、介護に関する知識や技術を学ぶ機会が多いことも大きな特徴です。介護職として常にステップアップを目指している人にとって、特別養護老人ホームで働く日々は、勉強させられることが数多くある刺激的な毎日となることでしょう。