児童発達支援に関する資格6選|資格を取得するメリットも

児童発達支援に関連する資格には、さまざまなものがあります。児童発達支援に関連する資格の中には、保育士や児童発達支援管理責任者などのように、行政機関が認定する国家資格も存在します。
この記事では、児童発達支援に関連する国家資格・民間資格について、代表的なものを6つ紹介します。また、児童発達支援に関連する資格を取得するメリットも紹介するため、児童福祉の仕事にチャレンジしてみたいと考えている方は、ぜひご覧ください。
目次
1. 児童発達支援に関する国家資格
児童発達支援に限定されるわけではありませんが、保育や教育に関する資格には、国や自治体が認定する資格がいくつかあります。 ここでは、児童発達支援に関わる上で役立つ代表的な資格を3種類見ていきましょう。
なおここで紹介する資格はどれも、厚生労働省が定める人員配置基準によって、児童発達支援施設への配置が義務付けられています。そのため、児童発達支援施設に採用されるには、ここで紹介する資格を持っていることが前提となるケースが多いです。
具体例として、厚生労働省が定める児童発達支援センターにおける人員配置基準を下表にまとめました。
【児童発達支援センターにおける資格者の配置基準】
児童指導員及び保育士 | 4:1以上の割合で配置する |
児童指導員 | 4人以上 |
保育士 | 1人以上 |
児童発達支援管理責任者 | 1人以上 |
(出典:厚生労働省「障害児支援施策の概要」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000811127.pdf)
ここで紹介する資格を取得しておけば、児童発達支援施設への就職の大きな足掛かりとなります。
1-1. 保育士
保育士とは、保育に関する知識を生かして、子どもの保育や保護者の方への保育指導などを行う専門職です。 保育士は、一般的な保育所だけでなく、障害児保育の現場でも必要不可欠な職種です。
保育士になるには、2通りの方法があります。1つは、「指定保育士養成施設」に指定された大学・短大・専門学校を卒業して保育士資格を取得する方法です。もう1つは、年2回行われる保育士試験を受験して資格を手に入れる方法です。
「指定保育士養成施設」以外の学校に進んだ方や社会人の方でも、試験に合格すれば保育士として児童発達支援施設に就職できます。
(出典:厚生労働省「保育士になるには?」
/
https://www.mhlw.go.jp/hoiku-hellomirai/shikaku/)
(出典:福祉医療機構「保育士」
/
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job08.html)
1-2. 児童指導員
児童指導員は、障害や家庭の事情により児童福祉施設に入所している0〜18歳の子どもに対して、保護者に代わって生活指導や学習支援などを行う仕事です。子ども一人ひとりに合った支援内容を考え、健全な成長や自立をサポートします。
児童指導員になるには、「指導員任用資格」が必要です。指導員任用資格は、以下の要件のいずれかを満たすと取得できます。
・大学で社会福祉学、教育学、心理学、社会学を専修する学部、学科を卒業した
・社会福祉士または精神保健福祉士の資格を取得した
・高校または中等教育学校を卒業し、児童福祉事業に2年以上従事した
・児童福祉事業に3年以上従事し、厚生労働大臣または都道府県知事から認定された
・幼稚園教諭、小中学校、高等学校の教員免許を取得し、厚生労働大臣または都道府県知事から認定された
(出典:厚生労働省「児童指導員」
/
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/243)
(出典:福祉医療機構「児童指導員」
/
https://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/fukushiworkguide/jobguidejobtype/jobguide_job10.html)
1-3. 児童発達支援管理責任者
児童発達支援管理責任者(児発管)は、障害児支援施設に所属し、利用者さんの個別指導計画を作成・実施する専門職です。また現場の管理者として、サービスを提供する現場職員への助言や指導も行います。
児童発達支援管理責任者の資格を得るには、「実務要件」と「研修修了要件」という2つの要件を満たす必要があります。
資格取得には一定期間の実務経験が必須のため、児童発達支援管理責任者を目指す場合は、まず現場職員として相談支援業務や直接支援業務の経験を積みましょう。また、実務経験に関する要件を満たすだけではなく、「基礎研修」と「実務研修」という2種類の研修も修了しなくてはなりません。
児童発達支援管理責任者の仕事内容や資格取得に必要な要件の詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてチェックしてみてください。
2. 児童発達支援に関する民間資格
先述した国家資格を除き、児童発達支援に関連する資格の多くは、企業などの法人が実施・認定する民間資格です。児童発達支援に関連する民間資格は多数ありますが、ここでは比較的知名度の高い資格の概要と受験要件を分かりやすく解説します。
資格を取得して児童発達支援事業所への就職・転職を有利に進めたい方や、勤務先での昇進・昇給を目指す方は、ぜひチェックしてみてください。
2-1. 児童発達支援士
児童発達支援士資格は、一般社団法人人間力認定協会が実施・認定しています。 2022年8月時点で、累計受講者数が11,000人を超えた人気の資格です。
教材には、主に「発達障害に関する専門知識」と「子どものしつけ方・育て方」といった内容が含まれています。発達障害に関する専門知識の習得に特化した民間資格が多い中、児童発達支援士の講座では、子どもとの接し方についても学べることが特徴です。
児童発達支援士の資格概要を下表にまとめました。
資格名称 | 児童発達支援士 |
受験資格 | 特になし |
学習時間の目安 | 15~30時間 |
受講期限 | 8か月 |
受講料金 | 37,400円(税込)※割引価格適用時 |
受験料金 | 4,070円(税込) |
受験方法 | オンライン |
受講を希望する場合は、公式サイトから申し込み、学習に必要な教材セットを受け取りましょう。
(出典:理事長ブログ-発達障がい児支援の人間力認定協会「【徹底解説】児童発達支援士・発達障害コミュニケーションサポーター資格」
/
https://ninkyou.jp/blog/?p=1923)
2-2. 発達障害児支援士
発達障害児支援士は、予備校運営などで知られる四谷学院が実施する民間資格です。 発達障害のある子どもに対して、適切に対応するための療育の理論と実践を学べるカリキュラムを提供しています。教材はテキストではなく1本15分の講義動画としてまとまっており、多忙な方でも隙間時間に効率よく学習を進められます。
発達障害児支援士の資格概要を下表にまとめました。
資格名称 | 発達障害児支援士 |
受験資格 | 特になし |
学習時間の目安 | 6か月 |
受講期限 | 1年 |
受講料金 | 109,780円(税込)※受験料を含む |
受験方法 | 自宅受験(レポート課題・ケーススタディ課題の提出) |
受講を希望する場合は、公式サイトからWeb申込を行いましょう。
(出典:四谷学院発達支援「発達障害児支援士資格認定講座」
/
https://yotsuyagakuin-ryoiku.com/hattatsushienshi/)
2-3. 子ども発達障がい支援アドバイザー
子ども発達障がい支援アドバイザーは、ユーキャンが販売し、発達凸凹アカデミーが認定する民間資格です。 2冊のテキストを使って、子どもの発達に関する基礎知識から実践的なサポートスキルまで、発達障害について網羅的に学習できます。学習内容は易しめで、これから発達障害について学びたい初心者の方に特におすすめの資格です。
子ども発達障がい支援アドバイザーの資格概要を下表にまとめました。
資格名称 | 子ども発達障がい支援アドバイザー |
受験資格 | 特になし |
学習期間の目安 | 3か月 |
受講期限 | 6か月 |
受講料金 | 32,000円(税込)※一括払いの場合 |
受験料金 | 不要 |
受験方法 | 自宅受験 |
子ども発達障がい支援アドバイザー講座の受講を希望する場合は、ユーキャンの公式サイトから申込を行いましょう。
(出典:生涯学習のユーキャン「子ども発達障がい支援アドバイザー資格取得講座」
/
https://www.u-can.co.jp/course/data/in_html/1524/)
3. 児童発達支援に関する資格を取得するメリット
児童発達支援に関する資格を取得するメリットは、主に以下の3点です。
・就職・転職に有利になる
資格を持っていることで、就職・転職時の採用試験で有利に働く可能性があります。また国家資格があれば、資格が必須の求人にも応募することが可能です。
・現場で役立つ知識が身につく
資格取得のための学習を通じて、児童発達支援の現場で役立つ専門知識を習得できます。すでに施設で働いている方は、知識のアップデートやキャリアアップにつながります。
・保護者の方の安心・信頼につながる
知識の有無の分かりやすい判断基準となる資格を持っておくことで、施設の利用者さんや保護者の方に安心・信頼してもらいやすくなります。
特にこれから児童発達支援施設への就職・転職を考えている方は、積極的に資格取得を検討してみてください。国家資格があれば、応募できる職種の幅が広がる上、よりよい待遇で就職できる可能性もあります。
児童発達支援の職種|相談員・指導員・管理責任者の仕事内容とは
まとめ
児童発達支援に関連する資格には、保育士や児童発達支援管理責任者などの国家資格があります。厚生労働省による人員配置基準では、これらの資格を持っている方を配置するように定められています。
資格を持っていれば、児童発達支援に関連する仕事に就きやすいことは確かです。しかし、施設によっては無資格者の方を積極的に採用しているケースもあります。
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※当記事は2023年3月時点の情報をもとに作成しています
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