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介護職の面接でよくある質問と回答|逆質問や施設見学のポイントも

公開日:2021.09.08 更新日:2024.07.12
介護職の面接でよくある質問と回答|逆質問や施設見学のポイントも

どの仕事においても、入社前に面接を受けることがほとんどです。面接を受ける際は、志望する業界に対して、明確な志望理由や自己アピール、逆質問などの効果的な対策が求められます。

介護職の面接では、他職種と似た質問だけでなく、介護職ならではの質問を受けることが多い傾向です。どのような質問をされるのか、あらかじめ把握しておくことで、面接が有利に進むでしょう。

今回は、介護職の面接でよくある質問と回答を紹介します。逆質問や施設見学をする際のポイントなども解説するため、これから転職する方や介護職を目指す方は参考にしてください。

1.【介護職】面接でよく聞かれる質問と回答例

面接では、「自己紹介」「退職理由」「志望動機」以外にも、さまざまな質問がされます。それぞれの質問に対する適切な回答を確認し、しっかりと答えられるようにしておきましょう。

ここでは、介護職の面接でよくある質問と回答に関して、5つ紹介します。

自己紹介をお願いします

どの施設の面接を受ける場合でも、最初に「自己紹介」を求められます。採用担当者は、自己紹介により応募者の本人確認を行った上で、人柄を見極めます。

自己紹介のポイントは、氏名や経歴、所有スキルなど、自分の基本となる情報を簡潔に伝えることです。長々とした自己PRのような内容にならないよう、注意してください。

<OKの回答例>

「●●と申します。本日はよろしくお願いいたします。これまでは、クリニックで医療事務に従事してまいりました。クリニックのお客様は不安や悩みを抱えて来院しているため、少しでもお客様が前向きな気持ちになれるよう、笑顔を絶やさず、心地よい接客を心がけていました。前職での経験を生かし、貴施設に貢献したいと考えております。」

今までの職歴を教えてください

面接官は、今までの職歴を聞くことにより、応募者がこれまで培った経験が、自施設の仕事でどのように生かせるのかを確認します。介護職の場合、施設や職種によって必要なスキルが異なるため、自分の職歴が応募先でどのような長所になるかを整理することが大切です。

また、履歴書や職務経歴書などに間違いがないかを確認する意味合いもあります。面接に臨む前に再度応募内容を確認した上で、正しい情報を伝えるようにしましょう。

<OKの回答例>

「高校卒業後に入社したクリニックでは、退職するまでの3年間、医療事務を担当していました。主な仕事内容は、窓口対応と、カルテなどの書類管理です。
窓口応対では、お客様の不安に寄り添った明るいコミュニケーションを大切にしていました。お客様からは『元気をもらえる』『不安が吹き飛んだ』などの言葉をいただいたこともあります。介護職は未経験ですが、医療事務で培ったコミュニケーション能力は、貴施設でも生かせると自負しております。」

前職の退職理由を教えてください

前職の退職理由は、退職理由が不合理やトラブルでないか、また同じ理由ですぐに辞めてしまわないかを判断するために聞かれます。そのため、もし前職をネガティブな理由で退職していたとしても、できるだけポジティブな理由を準備することがポイントです。

例えば、「人間関係のトラブル」が退職理由の場合、事情が分からない応募先にとっては、応募者にも何かしらの問題があったと捉えられてしまうかもしれません。ポジティブな内容としては、やりがいやスキルアップなどが挙げられます。

<OKの回答例>

「前職で多くの高齢者の方と接する中で、介護支援に直接関わりたいと思ったため、退職しました。クリニックに通っているお客様の多くは、地域の高齢者の方々でした。中には状態が悪いお客様もいましたが、私は窓口で声掛けをすることしかできず、心苦しい思いを抱いていました。高齢者の方々が活き活きと生活できるよう、さらに近い立場で接したいと思い、今は介護の現場での勤務を目指しています。」

介護職を選んだのはなぜですか?

介護の現場で働く意欲の高さや熱意を確認するために、「介護職を選んだ理由」を聞かれる場合があります。特に介護業界外からの転職であれば、「介護職でなければならない理由」を自分の中で明確にした上で、面接に挑みましょう。

「何となく」「書類審査に通りそうだったから」など、曖昧な理由の場合は意欲が低いと判断されるため、志望理由を明確にしましょう。自分の経験や思い、キャリアビジョンなどを踏まえ、なるべく具体的に伝えることが理想的です。

<OKの回答例>

「介護職は、特に近い立場で高齢者の方と接することができる仕事だからです。高齢者の方々が少しでも心地よく日常生活を送れるよう、できるだけ近い距離で関係性を築き、支援したいと思っています。日本では今後も介護を必要とする高齢者の方が増加すると見込まれています。介護職として、一人でも多くの高齢者の方やその家族を支えたいです。」

当施設を希望する志望理由は何ですか?

一口に「介護職」と言っても、さまざまな施設があり、仕事内容や労働条件、提供するサービスの詳細は異なります。そのため、 「自施設の志望度」や「当施設でなければならない理由」を確認するために、志望理由を聞かれることが多いです。

応募先ならではの特徴や魅力を整理し、介護職を選んだ理由との一貫性を持たせた上で、回答内容に盛り込むと、好印象につながります。可能であれば、事前に現場を見学させてもらい、施設の様子を自分の肌で感じることがおすすめです。

注意点は、「年収が高いから」「残業がないから」など条件面を挙げないことです。「将来的にさらに待遇が良い施設に転職するかもしれない」と思われる可能性があります。

<OKの回答例>

「実際に施設を見学させていただいた際に、職員の皆さんが、利用者さん一人ひとりに寄り添っている姿勢に感動したからです。貴施設であれば、私の高齢者の方に対する想いを実現するとともに、恵まれた環境で先輩方に学びながら、大きく成長できると感じています。
また、職員間の雰囲気が良かったことにも惹かれました。利用者さんに心地よいサービスを提供するには、まず自分たちが笑顔で働いていることが大切だと考えています。」

あなたの長所と短所を教えてください

長所と短所は、応募者が自社で活躍する姿を具体的にイメージするために行う質問です。応募先の仕事と関係する内容を述べることがポイントになります。「介護職への応募なのに、事務の正確さを最大の長所として挙げる」など、関連性が乏しい内容は控えましょう。

なお、悪い印象を与えることを恐れ、短所を言いたくないと考える方もいますが、短所は誰にでもあるため心配する必要はありません。改善に向けた考えも伝え、ポジティブな印象を与えるようにしましょう。

<OKの回答例>

「私の長所は、一人ひとりに合わせて柔軟なコミュニケーションを取れることです。例えば前職では、話すことが好きな方には聞き手になる。一方で、話すことが苦手な方には話しやすいように簡単な質問をしてみるなど、一人ひとりに合わせてコミュニケーションの工夫をしていました。
短所は、相手の立場になり寄り添いすぎるあまり、過度に悩んでしまうところです。そのため、悩んだときは同僚や上司に相談して、自分を客観視するようにしています。」

今後の目標や将来のキャリアプランはありますか?

応募者が長期的に自施設で活躍してくれる人材かどうかを判断するために、今後の展望についての質問がされる場合もあります。特に転職の場合は、今後の目標やキャリアプランを持つ人材のほうが、「前向きに働いてくれるだろう」と、ポジティブな印象を持たれます。施設によっては、入社後の配置部署を検討する上で参考にする場合もあるでしょう。

目標やキャリアプランを伝える際は、自施設で達成できる内容であることが大切です。達成できない内容だと、「別の施設のほうが良いのではないか」と思われてしまう可能性があります。

<OKの回答例>

「介護士として3年間、実務経験を積んだ後は、専門性を身に着けるために『介護福祉士』の資格を取得したいと考えています。先輩の持つ知識やスキルを積極的に学びながら、自身でも介護の勉強をして資格を取得できるよう頑張ります。また、いずれは生活相談員として、利用者さんやそのご家族にとって最適な介護サービスを提供できるように努めてまいります。」

2.面接で効果的な逆質問

面接では、面接官から質問を受けるだけでなく、逆に質問がないか尋ねられることがあります。逆質問で良い印象を与えることができれば、内定を勝ち取れる可能性が大きく高まるため、入念な準備をすることが重要です。

ここでは、介護の面接で効果的な逆質問を紹介します。

仕事内容に関する逆質問

仕事内容に関しては、あまり詳細な業務内容を質問すると、かえって印象が悪くなる可能性もあるため注意が必要です。

施設のイベントやレクリエーションについての質問、常勤をはじめ夜勤の職員の人数などは、聞いておくべき内容です。常勤や夜勤の職員人数に対して、利用者さんの人数なども聞いておくと働く際のイメージが容易となるでしょう。

また、介護職の経験がない方の場合は、どのような事前準備が必要になるかを聞いておくことで、意欲が高いことをアピールできます。

会社に関する逆質問

会社に関する逆質問をすることで、この会社で働きたいという意思を伝えることができます。応募先の施設や事業所については、求人情報やホームページなどを事前に十分確認した上で、質問をしましょう。

例えば、働いている職員の人数や雰囲気などに関する質問は、自分自身も働く環境を想定しやすくなるため良い質問です。
他にも、施設理念や介護に対する理念など、特に大切にしている理念を質問すれば、介護に対する真摯な姿勢を見せることができるでしょう。

キャリアに関する逆質問

キャリアに関する逆質問では、自分のキャリアに対して向き合う姿勢を伝えられます。

例えば、働いている職員の年代を聞いたり、活躍している職員の特徴を聞いてみたりしましょう。一緒に働く職員について質問することで、チームワークを重視している点を伝えることができます。

また、活躍している職員について質問をすることで、人物像や該当する職員の持つスキルを参考にし、職場で活躍できる人材を目指す意思が伝えられるでしょう。
将来的にリーダーとなり活躍したいことをアピールする場合、活躍している職員についての質問はおすすめです。

3.面接では服装だけでなく質問時の対応も見られている

面接試験で面接官が見るポイントは2つあります。1つ目は「長く勤めてくれる人かどうか」、もう1つはその判断の根拠となる「今までの経歴」です。

経歴といっても、転職を繰り返しているため不利になるわけではなく、「経歴についてしっかり説明できるかどうか」が重要視されます。仮にたくさん転職の経歴を刻んでいたとしても、理由が「仕方のないもの」と納得できるように説明できれば、マイナス評価にはなりません。
しかし、理由が自分勝手なものであったり、きちんと説明できなかったりすると、「うちもすぐ辞めてしまうのでは?」と考えられてしまい不合格につながります。

他にも、「長く勤めてくれる人かどうか」を知るために聞かれることが、「志望動機」と「将来のビジョン」です。面接官は「退職理由」「志望動機」「将来のビジョン」の3点から過去・現在・未来の行動や考えを把握するため、これらが1本の線でつながっていることが重要です。
この点をきちんと整理し、しっかり説明できるなら、100点中70点は獲得できるといって良いでしょう。

面接では、服装や髪型など見た目の印象に注意を払い過ぎても良くありません。服装や持ち物だけではなく、経歴や人柄も見られています。

自分の経歴についてしっかりと説明できることは大切です。また、質問時の回答や対応力で、人柄を判断されることも多くあります。
受け答えの際に自然と出てしまう人柄は、1つの採用基準となるでしょう。

4.面接の質問で絶対に避けなくてはならないこと

多くの面接で聞かれる「退職理由」「志望動機」「将来のビジョン」は、「長く勤めてくれる人かどうか」を判断するためのもので、合否を分ける最も重要な質問です。そのため、この3点の質問に対する受け答えに矛盾がなく、納得できるものであることが大切と言えます。

しかし、面接の際にやってしまいがちなミスがあります。面接で絶対に避けなくてはならないことは、以下のとおりです。

退職理由となっている問題が解決されていない

退職理由が「今までとは別の施設に行き、もっと広く知識を深めたい」にもかかわらず、前職と同じような業務内容の施設に転職したい場合は、注意が必要です。
上記の場合は、面接官に「うちにきても同じことの繰り返しでは?」と思われてしまいます。前回の退職理由である問題が解決されなければ、転職する意味はありません。

志望動機が愚痴っぽくなってしまう

志望動機が前の職場を非難するだけのものでは、転職先が前職から逃れるためだけの存在のように映ってしまいます。
志望動機と退職理由は、それぞれでつながりを持たせることが重要です。しかし、転職先の魅力に引かれて入りたいという姿勢のほうが、印象は良くなるでしょう。

どこの施設にもあてはまることを答えてしまう

志望動機が「自宅から近い」の場合、面接官に「近ければうちじゃなくても良いのでは?」と思われてしまいます。

エリアなどの条件面を志望動機にするのはNGではありませんが、2番目、3番目の動機にしておくことが賢明です。

なぜその施設が良いのか、明確にしておきましょう。

教科書的な回答をしてしまう

志望動機が「利用者さんとふれ合いたい」といった教科書的な回答では、面接官の印象に残りません。

過去のどういった経験からそのように考えているのか、ふれ合った上でどのような思いを伝えたいのかなど、一段掘り下げて考え、自分らしい言葉で伝えることが大切です。

嘘をついてしまう

退職理由が人間関係だったり、短期で転職を繰り返したりしている場合、「正直に話すと自分に不利になるのでは」との懸念から嘘をつく方も少なくありません。

しかし、嘘は深掘りしていけば必ず矛盾が出てしまいます。自分に落ち度がある場合は言い回しを工夫する必要もありますが、正直に話すことが基本です。

自身の退職理由・志望動機・将来のビジョンをつなげて語れるようにするためには、それぞれの要素を掘り下げ、話すべき内容を準備することが大切です。

マイナビ介護職では、この3点について一問一答形式で質問し、掘り下げが足りない部分を見つけた場合は、修正するなどの面接対策を行っています。さまざまな面接に同席して集めた生の情報に基づく面接対策のため、実践的で即効性のある対策が可能です。

面接官に悪い印象を与える行為をしてしまう

見た目や話し方は、無意識のうちにメッセージを発信することがあります。面接中、知らず知らずのうちにやってしまいがちな「悪い印象を与えてしまう行為」は、下記のとおりです。

・目を合わせない
・手を動かす、貧乏ゆすりをするなどの癖
・話しすぎてしまう

目を合わせない、貧乏ゆすりなどの癖は、なるべく気をつけて抑えられるよう練習しましょう。話しすぎてしまう方には、「オウム返しをする」というテクニックを使うことがおすすめです。

例えば「あなたの志望動機は何ですか?」と聞かれたら、「私の志望動機は...です」と、まずオウム返しをすることで結論を先に伝えるようにします。

上記のように回答ができれば、答えは長くなりません。また、オウム返しをしながら考える時間も作れるため、おすすめしたいテクニックの1つです。

5.施設見学をするときのポイント

介護職の求人に応募する際は、施設見学をすることも重要です。実際に見学をすることで、自分が働いている姿が想像しやすくなるだけでなく、施設の良さなども知ることができます。

ここでは、施設見学をするときのポイントを解説します。施設見学に行くことが決まっている場合は、参考にしてください。

【関連リンク】転職前に介護施設を見学して、理想の職場を見つけよう

職員の対応は丁寧か

施設見学を依頼する際は、職員の対応が丁寧であるかという点を確認しましょう。

施設見学はあまり対応することのない事柄であるため、マニュアル対応ではなく、とっさの対応で施設の本来の姿が見える可能性もあります。横柄な対応や適当な対応をされた場合は、慎重に考える必要があるでしょう。

また、実際の介護現場における職員の対応も確認します。
利用者さんの状況を十分に見ておらず常に忙しく動いており、ゆとりのない職員が多い現場は、業務過多な現場です。

介護の仕事で長く働くためにも、施設見学の際は職員の対応を注視しましょう。

職員と利用者・家族の関係は良好か

職員と利用者さん・ご家族の関係についても確認しておくと、施設の雰囲気がわかります。

利用者さんが穏やかに過ごしている施設は家族の来訪もあり、施設と利用者さんの関係が良好であることが伺えます。また、家族と職員が十分に連絡を取り合っている施設は、利用者さんの家族も安心して任せることができるため、地域の評判も良い傾向です。

施設見学をする際は職員のみではなく、入居者の表情や雰囲気についても確認しましょう。

施設や職員に清潔感があるか

施設や職員の清潔感も、重要なポイントの1つです。
清潔感や施設の明るさなどは、施設の掃除が行き届いているか、職員の身なりが整っているかなどを確認しましょう。

施設の電気などが切れており、掃除がされていない部分もある場合は、利用者さんのケアがおろそかになっている可能性も考えられます。
上記のような施設は働く側への配慮も欠けることが多いため、労働環境が悪かったり、職場の雰囲気が暗かったりするでしょう。

清潔感のある施設は雰囲気が明るい傾向にあるため、施設見学の際は施設や職員の清潔感をチェックすることで、職場のイメージも湧きやすくなります。

6.十分な準備をして臨めば面接は怖くない

面接の際に面接官が見るポイントはシンプルであり、十分な準備をしていれば落ち着いて臨むことができます。

マイナビ介護職では、ご相談者様の経験の掘り下げから面接で伝えるべき事項の整理、模擬面接まで実践的な面接対策を行っています。
他にも、他社や求人サイトでは見られない非公開求人の情報提供や、応募書類の添削、面接日のスケジュール調整なども対応が可能です。マイナビ介護職は、求職者の転職活動についてさまざまなサポートを行っております。

介護職への転職をお考えの方は、ぜひご活用ください。

まとめ

今回は、介護職の面接でよくある質問と回答に関して、また、逆質問や施設見学をする際のポイントなども解説しました。

面接は、就職・転職の際に自己アピールをし、志望動機を自分の言葉で伝える重要な機会です。退職・転職理由はネカティブな理由にせず、キャリアプランを伝える際は長期的に介護業界で働く姿勢を伝えるようにしましょう。

マイナビ介護職では、就職・転職活動をスムーズに進めるためのサポートが充実しています。長く働くことができる施設への就職を目指す場合は、ぜひサービスをご利用ください。

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※当記事は2022年6月時点の情報をもとに作成しています

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