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「社会福祉士」「介護福祉士」はどんな資格?違いや資格取得方法も

公開日:2023.01.17 更新日:2023.01.17
どんな資格?

社会福祉士と介護福祉士は、どちらも福祉に携わっている資格者です。福祉関係の仕事を担当しているイメージは持っているけれど、社会福祉士と介護福祉士の違いについて詳しく知らない方も多いでしょう。

社会福祉士と介護福祉士では、仕事内容や対象者、資格取得方法などに違いがあります。

当記事では、社会福祉士と介護福祉士の違いについて解説します。社会福祉士・介護福祉士に興味を持っている方は、ぜひお読みください。

1. 社会福祉士と介護福祉士の違いは?

社会福祉士とは、1987年5月21日に成立した「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいた国家資格です。社会福祉士は身体上や精神上、環境上などの何かしらの理由によって福祉サービスを必要としている方の相談に乗り、相談者の問題を解決へ導く役割を担っています。

(出典:厚生労働省「社会福祉士・介護福祉士等」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/index.html)

介護福祉士とは、社会福祉士と同じく「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいた国家資格です。身体上や精神上に障害があり、日常生活が困難な方に対して、直接的に適切な介護を行うのが介護福祉士の役割です。

(出典:厚生労働省「介護福祉士の概要について」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/index.html)

ここでは、社会福祉士と介護福祉士の違いについて、さらに詳細に解説します。

1-1. 仕事内容の違い

社会福祉士と介護福祉士は、仕事内容に違いがあります。

社会福祉士は、生活する上で支援が必要な方からの相談を受け、問題解決のための助言や指導、支援制度や社会福祉サービスの紹介など、「相談援助業務」が主な仕事です。

介護福祉士は、介護が必要な方に対して、食事や入浴、排せつなどの介護を直接担当します。

社会福祉士は、社会福祉を必要としている方に対して相談援助業務を行うのに対して、介護福祉士は、介護が必要な方に直接介護を行うのが大きな違いです。

【関連リンク】精神保健福祉士の仕事内容|向いている人や1日のスケジュールも紹介

1-2. 支援対象者の違い

社会福祉士と介護福祉士では、仕事内容だけでなく支援対象者も異なります。

社会福祉士の支援対象者は、社会福祉を必要としているすべての方です。例えば、「デイサービスや介護施設への入居を検討している高齢者」「経済的に困っているシングルマザー」「支援学校への入学を検討している障害者」など、さまざまな方が支援対象者となります。子どもや高齢者、障害者、生活困窮者など幅広い方を支援するため、社会福祉士はそれぞれのケースに応じた専門的知識が必要です。

介護福祉士の支援対象者は、介護を必要としている方です。「認知症のある高齢者」「事故や病気で体が不自由になって身体介護が必要な方」「要介護認定を受けた高齢者」など、介護が必要な方が介護福祉士の支援対象者となります。

介護福祉士は、支援対象者に応じてどのようなサポートが必要かを判断し、介護を行います。一人ひとり介護度の異なる支援対象者の介護を行うためには、技術と専門的知識が必要です。

1-3. 年収の違い

社会福祉士と介護福祉士では、一般的には社会福祉士のほうが給与が高い場合が多いです。

以下は、介護職員の保有資格別平均給与額です。

介護職員の平均給与額
令和2年 平成31年
社会福祉士 353,020円 336,610円
介護福祉士 329,250円 313,590円

(出典:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf)

上記の表からも、社会福祉士の給与が高いことが確認できます。また、公的機関に勤務する社会福祉士は、介護福祉事業所で働く社会福祉士よりも給与が高い傾向があります。

社会福祉士と、介護福祉士の主な勤務先は以下の通りです。

社会福祉士の主な勤務先 介護福祉士の主な勤務先
・地域包括支援センター
・介護老人保健施設
・障害者施設
・一般病院
・市町村役場
・社会福祉協議会
・特別養護老人ホーム
・有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・グループホーム
・病院
・障害者施設

社会福祉士の主な勤務先は、介護老人保健施設のような介護サービス事業所の他に、社会福祉協議会や市町村役場、教育機関などの公的機関があります。一方で、介護福祉士の主な勤務先は、特別養護老人ホームやグループホーム、障害者施設などです。

介護福祉士と比べて、社会福祉士の勤務先には公的機関が多いため、年収が高くなる傾向があります。

2. 社会福祉士・介護福祉士になるには?

社会福祉士と介護福祉士として働くには、国家資格が必要です。

社会福祉士資格と介護福祉士資格は、どちらも福祉分野の国家資格ですが、必要な知識や支援対象者も異なるため、受験資格や試験内容も異なります。

ここでは、社会福祉資格と介護福祉士資格について解説します。

2-1. 社会福祉士資格の取得方法

社会福祉士資格を取得するには、「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」が実施する、社会福祉士国家試験の合格が必要です。

社会福祉士資格の受験資格は以下の通りです。

社会福祉士試験受験資格
・福祉系大学・福祉系短大等で指定科目履修
(指定科目の履修状況によって相談援助実務が必要)

・福祉系大学・福祉系短大で基礎科目履修+短期養成施設等6か月以上
(短期大学等の場合は、実務経験が1年~2年必要)

・一般大学・一般短大等を卒業+一般養成施設等1年以上
(短期大学等の場合は、実務経験が1年~2年必要)

・「児童福祉司」「身体障害者福祉司」「身体障害者福祉司」「査察指導員」「老人福祉指導員」の実務経験が4年以上+短期養成施設等6か月以上

・社会福祉主事養成機関に通ったのち、相談援助実務2年+短期養成施設等で6か月

・相談援助実務4年+一般養成施設等1年以上

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」/ https://www.sssc.or.jp/shakai/)

社会福祉士の試験合格率は約30%であり、合格難易度は高めです。合格のためには、しっかりと受験対策を行う必要があります。

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第 34 回社会福祉士国家試験の合格発表について 」/ https://www.sssc.or.jp/shakai/past_exam/pdf/no34/s_happyou.pdf)

2-2. 介護福祉士資格の取得方法

介護福祉士資格は、社会福祉士資格と同じく、「公益財団法人社会福祉振興・試験センター」が実施している介護福祉士国家試験に合格する必要があります。

介護福祉士の受験資格は以下の通りです。

介護福祉士受験資格
・国が指定した養成施設で必要なカリキュラムを受講し、単位を取得
(養成施設の在籍期間は、学歴などによって異なる)

・介護施設などでの実務経験が3年以上+「実務者研修」を受講 もしくは「介護職員基礎研修」と「喀痰吸引等研修」を受講

・国が指定した福祉系高校で必要なカリキュラムを受講し、卒業
(特例高校の場合は、9か月以上の実務が必要)

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」/ https://www.sssc.or.jp/kaigo/index.html)

介護福祉士資格の平均合格率は約70%と、ここ数年の合格難易度はやや低めの傾向です。

(出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「第 34 回介護福祉士国家試験の合格発表について 」/ https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no34/k_happyou.pdf)

3. 【社会福祉士・介護福祉士】どちらの資格を取得すべき?将来性は?

社会福祉士と介護福祉士のどちらの資格を取得するべきかは、社会福祉士と介護福祉士の役割をしっかりと理解して決断することが重要です。

社会福祉士と介護福祉士のどちらの資格を取得するべきか悩んでいる場合は、ダブルライセンスで、より幅広く総合的な支援を目指す選択肢もあります。職場によっては相談業務と介護業務の両方を担える人材として重宝され、キャリアアップにつながるでしょう。

介護福祉士の資格を先に取得しておくと、社会福祉士資格の相談援助実習時間が240時間から60時間に短縮されるメリットもあります。

(出典:厚生労働省「社会福祉士養成課程に置ける教育内容等の見直しについて」/ https://www.mhlw.go.jp/content/000523365.pdf)

将来的に、社会福祉士の資格取得を考えている方は、まずは介護福祉士の資格を取得しておくと効率的でしょう。

福祉分野で重要な役割を果たしている社会福祉士・介護福祉士は、介護業界を中心に必要な人材です。少子高齢化が進む日本において、社会福祉士と介護福祉士のニーズは高まっていくでしょう。

まとめ

社会福祉士と介護福祉士では、仕事内容や支援対象者などが異なります。

社会福祉士の主な仕事内容は相談援助業務、介護福祉士の仕事内容は支援対象者に直接介護をすることです。勤務先は高齢者施設や障害者施設、公的機関など多岐にわたります。

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※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています。

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