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児発管とサビ管の違いとは?要件や働く場所の違いを解説

公開日:2023.03.24 更新日:2023.09.21
児発管とサビ管の違いとは?要件や働く場所の違いを解説

児発管とは、児童発達支援管理責任者の略称で障害を抱える子どもの保育・療育に関与する専門職です。一方で、サビ管はサービス管理責任者の略称で、障害を抱える方の生活環境・特性に応じた支援を提供できるよう、管理する障害者福祉の専門職です。

この記事では、児発管とサビ管の違いについて、勤務する場所と求められる実務要件の観点から解説します。児童福祉や障害者福祉に興味のある方は、児発管とサビ管の違いを理解するために、ぜひご一読ください。

1. 児発管(児童発達支援管理責任者)とは?

児発管とは、児童発達支援管理責任者の略称で、障害児の保育や療育に関して、現場の実務を主導する専門職です。子ども一人ひとりの発達状況や障害特性に応じた支援を提供します。児発管は、児童福祉法に基づく指定事業所が活動拠点で、児童発達支援を提供する施設に1名以上の配置が施設に義務付けられています。

児発管の仕事内容は、児童の成長に応じた個別支援計画書の作成が主な業務です。その他、保護者さんの相談援助や関係機関との連携など業務は多岐にわたります。

個別支援計画の立案は、一人ひとりの児童について、それぞれの現状・希望などを分析し、支援内容を考えるものです。そのため、児童の心理面や発達面の課題を正確に把握することが重要です。児童や保護者さんとの面談を実施し、モニタリングとアセスメントを繰り返し行いながら、保護者さんの意向とのバランスを考えて作成します。

日頃から子どもを観察し、情報分析力や課題発見力を発揮し、個別に支援計画の変更や提案をする柔軟性が求められる仕事です。

児童発達支援管理責任者については、下記の記事にて詳しく解説しております。

児童発達支援管理責任者とは?仕事内容や働ける職場を紹介

2. サビ管(サービス管理責任者)とは?

サビ管とは、サービス管理責任者の略称で、障害を抱える方の特性や生活環境に対応した支援を提供できるよう、管理する専門職のことです。サビ管は、障害者総合支援法に基づく指定事業所が主な職場となり、障害のある一人ひとりが、地域社会での自立した生活を営めるよう、生活介護や就労継続支援などを行います。

サビ管の仕事内容は、児発管と同じく利用者さんの支援の根幹となる個別支援計画書の作成が主な業務です。18歳以上の障害のある方が対象となるため、個別支援計画書は日常生活の支援が重点となります。「今後どのようになりたいか」「どのような生活を送りたいか」を目標に定め、それを実現する支援策を計画書に記します。本人の意思と家族やその他のキーパーソンとなる方との意見が相反する場面も多く、高い調整能力が求められる仕事です。

その他、現場リーダーの役割としてスタッフさんへの指導や助言を行ったり、医療機関や行政機関などと連携したりする業務も多くあります。

サービス管理責任者とは?仕事内容・平均給与・なり方を解説

3. 児発管とサビ管の「働く場所」の違い

児発管とサビ管は、働く場所に違いがあります。両方とも障害を持つ方のために、個別支援計画書を作成することが主な業務となるため混同しがちです。しかし、支援する対象となる利用者さんの年齢に違いがあります。児発管が子ども(障害児)を対象とするのに対し、サビ管は18歳以上の大人(障害者)が対象となる仕事です。

簡単に言い換えると、児発管は子どもが通う事業所が、サビ管はそれ以外の支援施設などが働く場所となります。詳しくは、下記をご覧ください。

【児発管(児童発達支援管理責任者)が働く場所】

・児童発達支援
・医療型児童発達支援
・放課後等デイサービス
・居宅訪問型児童発達支援
・保育所等訪問支援
・福祉型障害児入所施設
・医療型障害児入所施設

(出典:厚生労働省「障害児支援施策の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000811127.pdf

【サビ管(サービス管理責任者)が働く場所】

・療養介護
・生活介護
・施設入所支援
・自立訓練(機能訓練)
・自立訓練(生活訓練)
・宿泊型自立訓練
・就労移行支援
・就労継続支援A型
・就労継続支援B型
・共同生活援助(介護サービス包括型)
・共同生活援助(外部サービス利用型)

(出典:厚生労働省「障害福祉サービス等について」
/ https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/0000167010.pdf

厚生労働省が障害児支援施策・障害福祉サービスとして示しているサービスの中で、児発管・サビ管は各事業所に1名以上の人員配置を基準として定めています。

また児発管・サビ管は、業務に支障がない範囲であれば、それぞれを兼務することが可能です。直接処遇職員と兼務することも認められています。児発管・サビ管の兼務に関しては、下記のリンク記事で詳しく解説しているため、ぜひご参考ください。

児童発達支援管理責任者は兼務できる?サービス別の配置基準も解説

4. 児発管とサビ管の「実務要件」の違い

児発管またはサビ管として勤務するためには、実務経験要件と研修修了要件の両方を満たす必要があります。研修修了要件は、基礎研修と実践研修という2つの研修を修了することで要件を満たすことができます。ただし、基礎研修と実践研修の間には、2年以上のOJTが要求されるため、必要な研修を修了するまでに最低で2年必要です。

実務経験要件は、児発管・サビ管ともに基本的な要件は同じですが、具体的な内容が異なります。 いずれも「相談支援業務」「直接支援業務」「有資格者等(有資格者・国家資格)」という3つの要件に分かれており、要件ごとに必要な実務経験年数が異なります。ここでは、業務範囲別に児発管とサビ管の実務経験要件について詳しく解説するため、ぜひご参考ください。

4-1. 相談支援業務

相談支援業務とは、利用者さんやその家族からの相談に応じて、さまざまな支援を提供する業務です。

サビ管は、障害者支援施設や老人福祉施設などで相談支援業務に従事した経験が、5年以上必要です。一方で、児発管になるには、相談支援業務に従事した経験が5年以上で、そのうち子どもを対象とする期間が3年以上必要となります。

主な施設としては、下記のものがあります。

●児童相談所
●身体(知的)障害者更生相談所
●発達障害者支援センター
●福祉事務所
●保健所
●障害児入所施設
●障害者支援施設 など

(出典:兵庫県「実務経験一覧表(サービス管理責任者)」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/sabikan_ichiran.pdf

(出典:兵庫県「児童発達支援管理責任者の資格要件」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/jihatukan_ichiran.pdf

4-2. 直接支援業務

相談支援業務とは、利用者さんの入浴、排泄、食事などの介護を行うこと、利用者さんが地域社会の中で生活を送るために必要となる教育や訓練を行う業務です。 また、介護スタッフに対しての指導も含まれます。

サビ管になるには、福祉施設で8年以上の直接支援業務に従事した期間が必要となります。児発管は、8年の実務経験の中で、子どもの支援に関する期間が3年以上必要です。

(出典:兵庫県「実務経験一覧表(サービス管理責任者)」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/sabikan_ichiran.pdf

(出典:兵庫県「児童発達支援管理責任者の資格要件」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/jihatukan_ichiran.pdf

4-3. 有資格者等

有資格者等の要件については、2つのパターンがあります。 所有している資格によって従事期間が異なります。

1つ目は、直接支援業務に従事する方で、次のいずれかに該当する方です。

(1)社会福祉主事任用資格を有する者
(2)相談支援の業務に関する基礎的な研修を修了する等により相談支援の業務を行うために必要な知識及び技術を修得したものと認められるもの(訪問介護員2級以上【現 介護職員初任者研修】に相当する研修を修了した者)
(3)児童指導員任用資格者
(4)保育士(区分「第2」に該当しない保育所等に勤務した期間は、実務経験として日数算入は不可)
(5)精神障害者社会復帰施設指導員任用資格者

(引用:兵庫県「児童発達支援管理責任者の資格要件」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/jihatukan_ichiran.pdf/引用日2023/03/03)

(出典:兵庫県「実務経験一覧表(サービス管理責任者)」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/sabikan_ichiran.pdf

自発管・サビ管ともに、上記いずれかに該当している方は、5年以上の実務経験が必要です。ただし、自発管の場合は、子どもを対象とする実務経験が3年以上必要となります。

2つ目は、相談支援業務・直接支援業務に従事する方で、次の国家資格による業務に従事している方です。

●医師・歯科医師
●薬剤師
●看護師・保健師・助産師
●理学療法士
●作業療法士
●言語聴覚士
●社会福祉士
●介護福祉士
●精神保健福祉士 など

このパターンは、自発管とサビ管で必要な年数が異なるため要注意です。必要年数は、サビ管は3年、自発管は5年の実務経験が必要です。

(出典:兵庫県「実務経験一覧表(サービス管理責任者)」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/sabikan_ichiran.pdf

(出典:兵庫県「児童発達支援管理責任者の資格要件」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/jihatukan_ichiran.pdf

まとめ

児発管とは、障害を抱える子どもたちの保育・療育に関して、個別支援計画を立案する専門職です。一方で、サビ管は対象が成年の障害者となり、計画立案などを行います。基本的な業務の内容は、共通するところが多いです。

支援の対象となる方の年齢が異なるため、児発管とサビ管では勤務する施設が異なります。児発管は放課後等デイサービスなどで勤務する一方で、サビ管は就労移行支援事業所などで勤務します。

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※当記事は2023年3月時点の情報をもとに作成しています

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