社会福祉主事任用資格とはどんな資格?仕事内容や取得方法も解説

公開日:2023.09.11 更新日:2026.02.24
社会福祉主事任用資格とはどんな資格?仕事内容や取得方法も解説

福祉サービスに関わる職業で働きたい場合に、社会福祉主事任用資格は役立つ資格です。福祉施設では社会福祉主事任用資格の取得者を歓迎・優遇するケースがあるため、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。

当記事では、社会福祉主事の概要や資格を取得するメリットを解説します。また、資格の取得方法や合格率、活躍できる場所についても紹介します。社会福祉主事任用資格を取得することで、働き方にも幅が生まれます。興味がある方はぜひ参考にしてください。

1. 社会福祉主事とは

社会福祉主事とは、福祉事務所で家庭訪問や面談、生活指導などを行う職員として働く場合に必要な任用資格です。社会福祉の資格の中でも最も古いものの1つとして知られています。

もともとは、行政の福祉担当部署や福祉事務所に勤める公務員が、専門的な相談を行うために設けられた資格でしたが、現在は公務員に限らず、福祉事務所には社会福祉主事の配置が義務付けられています。また、公務員だけでなく、社会福祉施設の相談員や生活指導員への就職にも有利な資格です。

「主事」とは、公的機関・法人・団体などに設置される事務担当者を意味します。つまり社会福祉主事とは、福祉事務所が社会福祉法に基づいて行う各種事務の担当者です。

福祉事務所の職員として働くためには、社会福祉主事任用資格を取得していることが条件となっています。「任用資格」とは、特定の職業・職位に任用される場合に必要となる資格です。社会福祉主事任用資格を取得することで、福祉事務所で勤務するための条件を1つ満たせます。

ただし、社会福祉主事任用資格とは「社会福祉主事として働ける資格者である」ことを示す資格であり、任用資格の取得だけで社会福祉主事を名乗ることはできません。資格取得者が公務員試験に合格し、福祉事務所などで働くことにより、初めて社会福祉主事を名乗ることができます。

1-1. 社会福祉主事と「社会福祉士・介護福祉士」の違い

社会福祉主事と似ている職業に、社会福祉士と介護福祉士があります。いずれも福祉・介護系の職場で活躍する職業であるものの、活躍する職場や仕事内容は異なるため、違いを正しく把握しましょう。

下記は、それぞれの違いを比較した表です。

社会福祉主事 社会福祉士 介護福祉士
主な職場 ・行政の福祉事務所
・行政の各種相談所
・行政の福祉事務所など
・社会福祉協議会
・高齢者・障害者・児童などの施設
・病院
・介護が必要とされている人が入所している施設
・病院
・ヘルパーステーション
業務の対象者 社会生活を送ることが困難な方 支援を必要とする高齢者・障害者・児童など 介護を必要とする高齢者や障害者など
主な仕事内容 ・利用者さんの相談対応
・生活保護の申請受付
・現業員(ケースワーカー)の指導監督
・利用者さんの相談対応
・助言や生活指導
・援助の実施
・利用者さんへの介護業務
・介護計画の立案
・家族への介護指導

社会福祉主事と名乗るためには公務員である必要があり、就職先の多くは公的施設であることが特徴です。社会福祉士や介護福祉士に比べると事務的な業務が多いものの、社会福祉の現場を支える重要な職業と言えます。

社会福祉士とは

介護福祉士とは

2. 社会福祉主事任用資格を取得するメリット

社会福祉主事が働ける職場は豊富にあります。福祉事務所の査察指導員や現業員として働く以外にも、各種相談所の福祉司になったり、社会福祉施設の生活相談員として働いたりすることが可能です。

ここでは、社会福祉主事に興味がある方に向けて、社会福祉主事任用資格を取得する4つのメリットを紹介します。

2-1. 社会福祉主事になるための条件を満たせる

社会福祉主事任用資格を取得することで、社会福祉主事になるための条件を満たすことができます。社会福祉主事は働ける職場が多く、社会福祉に関わる職務の経験を積める仕事です。公務員として公的施設で勤務することにより、比較的安定した収入が得られることや、一般的な介護職よりリストラの心配が少ない点もメリットと言えます。

また、日本では生活困窮者への支援ニーズが続いており、生活保護の申請受付などを行う社会福祉主事は将来性も高い仕事です。社会福祉主事は社会福祉に助けを求める人と向き合う仕事であり、職業需要は今後も高いことが見込まれています。

2-2. キャリアパスが明確になる

福祉事務所で働く社会福祉主事は、主に現業員または査察指導員の職務に就きます。査察指導員は現業員を監督する職種であり、査察指導員になるには現業員としての経験が必要です。つまり、社会福祉主事になることで、現業員として働いて査察指導員を目指すといったキャリアパスが明確になります。

現業員の主な仕事内容は、生活保護の受給申請者に対応することです。福祉事務所を訪れる相談者は高齢・障害・病気などによって生活に困難を抱えているため、現業員は相談内容に応じて必要となる支援を行います。相談内容によっては、医師などの医療関係者・医療機関や介護福祉施設と連携を取り、相談援助業務を行うこともあるでしょう。

一方、査察指導員の仕事内容は、現業員の指導監督を行うことです。主な仕事内容としては、現業員に対する専門的助言や業務の進行管理などがあり、福祉事務所の業務を滞りなく進行させる役割を担っています。査察指導員として働くためには、現業員としての勤務経験・キャリア以外に、職場における指導力・リーダーシップも必要です。

2-3. 一般的な介護職よりも高給を得られる

社会福祉主事は、一般的な介護職より高い給与水準が期待できる職種です。多くは地方自治体の一般職または福祉職として採用されるため、給与は公務員の給与規定に基づいて支給されます。総務省の調査によると、2024年度の地方公務員(一般行政職)の平均給与月額は約36.2万円でした。社会福祉主事もこれに近い水準であることが考えられ、自治体や手当によって多少の差が生じます。

(出典:総務省「令和6年地方公務員給与実態調査結果等の概要」
/ https://www.soumu.go.jp/main_content/000983537.pdf#page=9

一方で、「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」における介護職員の平均給与月額は約25.4万円です。社会福祉主事と介護職員の平均給与月額を比較すると、社会福祉主事が含まれる公務員一般行政職のほうが約10.8万円高いことが分かります。

(出典:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/dl/r06gaiyou.pdf#page=13

社会福祉主事は公務員であるため、福祉・介護系職業の中でも高給で働けることが魅力です。現業員として経験・キャリアを積み、査察指導員に任命されることで給与額の向上も期待できます。社会福祉に携わりながら、より高い収入を得たい人は、社会福祉主事任用資格の取得を目指すのもよいでしょう。

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2-4. 就職先の幅が広がる

社会福祉主事任用資格は本来、地方公務員の社会福祉主事として行政機関で働くために、必要となる資格です。しかし、社会福祉主事任用資格は民間の福祉施設で働く場合にも役に立ちます。社会福祉主事任用資格の保有を、相談員や指導員、施設長の採用要件とする求人も少なくないためです。

つまり、社会福祉主事任用資格者は公務員として働くだけでなく、民間の施設でも働ける可能性があり、就職や転職先の選択肢の幅が広げられます。もちろん民間の施設で働く場合にも、社会福祉主事と同様、相談業務などの福祉職に就けるのでキャリアアップが目指せます。

3. 社会福祉主事任用資格取得者の仕事内容

社会福祉主事任用資格は、取得後に公務員試験を受けて試験に通れば社会福祉主事として働くのが一般的です。また、民間の施設などで社会福祉関係の仕事に携わる道を選ぶこともできます。

ここでは、社会福祉主事任用資格が役に立つ、代表的な勤務先である6か所について、それぞれの勤務先における働き方や業務内容を解説します。

3-1. 福祉事務所で働く場合

福祉事務所は都道府県および市に設置される行政機関です。福祉の相談を受け付ける、地域の相談窓口として機能しています。福祉事務所には、社会福祉主事の配置が義務付けられています。

(出典:厚生労働省「福祉事務所」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/fukusijimusyo/index.html

福祉事務所における社会福祉主事の主な仕事は、相談者の受付や指導、助言です。困窮者やひとり親家庭、障がいをもつ方や高齢者など、生活に困っている人々の相談を受け、生活保護申請や福祉サービスにつなげ、サポートします。相談内容により、支援の方法は多岐にわたります。

3-2. 身体障害者更生相談所で働く場合

身体障害者更生相談所は、身体障害者の自立や社会的活動への参加を促すために、都道府県に設置される機関です。身体障害に関する専門的な知識や技術によって、身体障害者に対し、障害区分の判定や相談などの支援を行うのが主な仕事です。

身体障害者更生相談所には、身体障害者福祉司の配置が定められています。身体障害者福祉司となるには、社会福祉主事の任用資格を持ち、身体障害者の更生施設などの関連事業に、2年間従事する必要があります。

(出典:高知県「身体障害者更生相談所および知的障害者更生相談所について」
/ https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/060301/files/2012121900150/2012121900150_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_73879.pdf

3-3. 知的障害者更生相談所で働く場合

知的障害者更生相談所は、18歳以上の知的障害者に対して、地域による生活支援を目的として、都道府県に設けられている機関です。知的障害に関する専門的な知識や技術によって、知的障害者に対し、障害区分の判定や療育手帳の発行などが仕事です。

知的障害者更生相談所には、知的障害者福祉司を配置します。知的障害者福祉司となるには、社会福祉主事任用資格を取得した上で、知的障害者の福祉に関する事業に2年間従事する必要があります。

(出典:高知県「身体障害者更生相談所および知的障害者更生相談所について」
/ https://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/060301/files/2012121900150/2012121900150_www_pref_kochi_lg_jp_uploaded_attachment_73879.pdf

3-4. 児童相談所で働く場合

児童相談所は、児童福祉法によって各都道府県と指定都市に設置が義務付けられている機関です。18歳未満の子どもの健全な成長や発達を目指して、子ども自身やその保護者にまつわる問題を扱います。非行や不登校、虐待、家庭内暴力といった、さまざまな相談を受け付け、解決のための支援が児童相談所の役割です。

(出典:厚生労働省「第1章 児童相談所の概要」
/ https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv11/01-01.html

児童相談所には児童福祉司を配置する必要があり、児童福祉司になるには社会福祉主事として2年以上児童福祉事業への従事が求められます。

3-5. 民間の福祉施設で働く場合

社会福祉主事任用資格取得者は、介護施設や障害者施設などの民間の福祉施設で、生活相談員として働きます。生活相談員の主な業務は、デイサービスやグループホーム、特別養護老人ホームなどの施設で利用者さんや入居希望者、その家族を対象とした相談支援です。

その他にも、サービス利用・入退居の事務的手続き、窓口業務、電話対応、施設内外の関係機関・役所・病院との連絡調整も行います。

3-6. 民間の医療機関で働く場合

社会福祉主事任用資格取得者が民間の医療機関で働く場合、医療ソーシャルワーカーとして働くことになります。主な仕事内容は、診察や入院治療を受ける患者さん本人やその家族の相談対応です。

入院や退院の手続き、その後の生活や社会復帰に関する支援として介護保険などの制度の情報提供なども行います。地域の医療機関や施設との連携も大切な業務です。医療ソーシャルワーカーとして働く場合、医療機関の他にも保健所や精神保健福祉センターなどで働くこともあります。

4. 社会福祉主事の合格率

社会福祉主事任用資格は、介護福祉士資格などと違って国家資格ではなく、取得するための試験がありません。養成機関で指定科目を修学して卒業したり、社会福祉士などの他資格を取得したりすることで取得できる任用資格です。

社会福祉主事任用資格の取得難易度は、取得方法として選んだルートによって異なります。一例として、専門学校の通信課程で取得を目指した場合は、教育内容をしっかり理解することで取得できる程度です。一般的に、介護系の国家資格よりも取得しやすいと言われています。

5. 社会福祉主事任用資格の取得方法

社会福祉主事任用資格を取得する方法は複数あります。学歴や履修状況に応じてさまざまなルートが用意されており、誰でも自分に合った方法で挑戦できるのが特徴です。ただし、資格を取ったからといって、すぐに社会福祉主事として働けるわけではありません。社会福祉主事として職務に就くには、社会福祉主事任用資格を得た上で、公務員試験に合格する必要があります。

ここでは、5つのルート別に社会福祉主事任用資格の資格要件を紹介します。

5-1. 大学・短大で指定科目を3科目以上履修し卒業する

大学や短大の卒業者で、社会福祉法で厚生労働大臣が定める科目を3科目以上履修している場合は、社会福祉主事任用資格の取得が可能です。ただし、指定科目は時代によって科目名が異なるため、自分の履修した科目が指定科目に該当しているか確認することが大切です。

なお、一部の大学を除き、指定科目を3科目以上履修していたとしても資格取得を示す証明書の発行はありません。資格があることを示すには、大学や短大の成績証明書や卒業証明書が必要です。

(出典:厚生労働省「ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi9.html

5-2. 所定の学校の通信課程を修了する

すでに社会福祉施設などで働いていて、これから資格を取得したい場合には、通信教育の利用がおすすめです。基本的には自学によるレポート提出が中心となるため、働きながら資格取得を目指せます。通信教育課程の期間は1年間で、そのうち5日間は対面授業(スクーリング)に参加する必要があります。スクーリングの日程は土日祝日にも設けられているため、平日に働いていたとしても参加可能です。

なお、通信教育の受講は社会福祉事業の従事者に限定されています。受講期間中に離職すると受講資格がなくなるため、注意しましょう。

(出典:厚生労働省「ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi9.html

5-3. 指定養成機関を修了する

指定養成機関とは、介護や福祉系の専門学校のことで全国に指定校があります。専門学校では全22科目を1,500時間かけて履修するため、最低でも2年以上の通学が必要です。

一般的には、2~4年課程でカリキュラムが組まれています。指定養成機関を卒業すると、社会福祉主事任用資格に加えて専門学校の卒業資格も得られます。

(出典:厚生労働省「ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi9.html

5-4. 都道府県等講習会を受講する

都道府県などの自治体が行う社会福祉主事認定講習は、都道府県か市町村の職員を対象とした講習会です。資格を持たないまま社会福祉事業に従事している場合に有効です。講習の受講を検討している方は事前に住まいの自治体の情報をよく確認しましょう。

(出典:厚生労働省「ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi9.html

5-5. 社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得する

社会福祉士か精神保健福祉士の資格を持っていれば、社会福祉主事任用資格を自動的に取得できます。どちらも社会福祉主事任用資格の上位にあたる国家資格であり、国家試験に合格する必要があります。

そのため、社会福祉主事を取得するためにこれらの資格を目指すことは少なく、社会福祉士や精神保健福祉士を取得すると結果的に社会福祉主事の資格も得られるという位置づけになります。

(出典:厚生労働省「ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi9.html

6. 社会福祉主事任用資格の取得に必要な主な指定科目の種類

社会福祉主事任用資格は、大学や短期大学で厚生労働省が定める指定科目を3科目以上履修し、卒業することで取得できます。指定科目は、社会情勢や福祉制度の変化に合わせて改訂が重ねられており、時代によって内容が異なります。そのため、取得を目指す場合は、自身の卒業年度に適用される指定科目を確認することが大切です。

【指定科目の変遷】

昭和25年~昭和56年卒業者(昭和25年8月29日 厚生省告示第226号)
社会事業概論、社会保障論、社会事業行政、公的扶助論、身体障害者福祉論、児童福祉論、社会学、心理学、社会事業施設経営論、社会事業方法論、社会事業史、保育理論、社会調査統計、医学知識、看護学、精神衛生学、公衆衛生学、生理衛生学、栄養学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、協同組合論、法律学、刑事政策、犯罪学、医療社会事業論、修身

昭和56年~平成11年卒業者(昭和56年3月2日 厚生省告示第18号)
社会福祉概論、社会保障論、社会福祉行政、公的扶助論、身体障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、精神薄弱者福祉論、社会学、心理学、社会福祉施設経営論、社会福祉事業方法論、社会福祉事業史、地域福祉論、保育理論、社会調査統計、医学知識、看護学、精神衛生学、公衆衛生学、生理衛生学、栄養学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、協同組合論、法律学、刑事政策、犯罪学、医療社会事業論

平成11年~平成12年卒業者(平成11年3月22日 厚生省告示第52号)
社会福祉概論、社会保障論、社会福祉行政、公的扶助論、身体障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、知的障害者福祉論、社会学、心理学、社会福祉施設経営論、社会福祉事業方法論、社会福祉事業史、地域福祉論、保育理論、社会調査統計、医学知識、看護学、精神衛生学、公衆衛生学、生理衛生学、栄養学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、協同組合論、法律学、刑事政策、犯罪学、医療社会事業論

平成12年~現在までの卒業者(平成12年3月31日 厚生省告示第153号)
社会福祉概論、社会保障論、社会福祉行政論、公的扶助論、身体障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、家庭福祉論、知的障害者福祉論、精神障害者保健福祉論、社会学、心理学、社会福祉施設経営論、社会福祉援助技術論、社会福祉事業史、地域福祉論、保育理論、社会福祉調査論、医学一般、看護学、公衆衛生学、栄養学、家政学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、法学、民法、行政法、医療社会事業論、リハビリテーション論、介護概論

(引用:厚生労働省「ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi9.html 引用日/2025/10/22)

また、大学によっては科目名が異なる場合があり、「社会保障論」が「福祉制度論」として開講されるなど、名称の違いが生じます。このような場合は、厚生労働省が定める「読み替えの範囲」に該当すれば、指定科目として認められます。

(出典:厚生労働省「ページ9:社会福祉主事任用資格の取得方法」
/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi9.html

以下では、社会福祉主事任用資格の取得に必要とされる代表的な指定科目を取り上げ、それぞれの内容と学ぶ意義を解説します。

6-1. 社会福祉概論

社会福祉概論は、社会福祉の理念や歴史、現代社会における意義を体系的に学ぶための基礎科目です。社会福祉概論では、社会福祉が「人権の尊重」「自立支援」「権利擁護」といった理念を基盤として発展してきた経緯を理解します。社会福祉の対象や主体、福祉サービスの提供体制、組織運営の基本原則についても学びます。

社会福祉従事者に求められる専門性や倫理、他分野との連携のあり方、国内外の動向を通じて、社会全体における福祉の役割を総合的に理解します。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=2

6-2. 社会保障論

社会保障論は、国民の生活を支える社会保障制度の理念や意義、制度体系を体系的に学ぶ科目です。社会保障論では、社会保障の目的と基本的構造を理解し、年金・医療・介護・雇用など主要な制度の概要を学びます。これにより、社会保障制度が国民生活の安定や所得の再分配を支える仕組みであることを理解します。

また、公的施策と民間保険の関係、制度の実施体制などについても扱い、国内外の動向を踏まえて社会保障の意義を考察します。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=4

6-3. 老人福祉論

老人福祉論は、急速な高齢化が進む社会において、高齢者の福祉の理念や制度の仕組みを体系的に学ぶ科目です。老人福祉論では、老人福祉の目的・意義・役割を理解し、老人福祉法や介護保険法などの関連法規を通じて、高齢者に対する在宅福祉・施設福祉・地域福祉の各施策を学びます。

また、高齢者福祉に関わる行政・民間機関・地域住民の協働のあり方、福祉サービス提供の体制、相談援助活動の役割についても理解を深めます。これらを通じて、高齢者の尊厳を守る福祉の実践を考察します。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=6

6-4. 地域福祉論

地域福祉論は、地域社会における福祉の在り方を理解し、住民が主体となって支え合う仕組みを学ぶ科目です。地域福祉論では、地域福祉の理念や歴史、地域福祉計画の意義、社会福祉協議会・民生委員・協同組合などの組織が果たす役割を中心に学びます。地域の福祉課題を把握し、行政や民間団体、ボランティアなどが連携して支援を行う「地域共生社会」の実現を目指す内容です。

災害時支援や包括的な相談体制の整備といった現代的課題も扱い、地域福祉の実践を通じて住民の生活を支える基盤づくりを理解します。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=12

6-5. 医学一般

医学一般は、人の身体の仕組みや健康、疾病の成り立ちを理解し、福祉と医療の関わりを学ぶための科目です。医学一般では、人体の構造と機能、代表的な疾病の特徴、公衆衛生の動向を中心に学びます。また、がんや生活習慣病、感染症、精神疾患など、現代社会で多くみられる疾患の概要を把握し、疾病が生活に及ぼす影響を理解します。

医療保険制度や医事法制、リハビリテーション、生命倫理なども扱い、医療と福祉が連携して生活を支援する仕組みを総合的に学びます。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=21

6-6. 社会学

社会学は、人間と社会の関係を科学的に捉え、社会の構造や変化、そしてそこで生じる課題を理解するための基礎科目です。社会学では、現代社会の特質や、家庭・地域・職場などの集団の特徴と変化を通じて、社会の仕組みを学びます。

また、少子高齢社会、情報化、ジェンダー、経済格差など、社会の変化に伴って生じる社会問題を理解し、それらと社会福祉との関連を考察します。社会調査や社会学的視点を通して、社会現象を客観的に把握する力を養います。社会学は、福祉実践に必要な「社会を多面的に見る力」を培うことを目的とした科目です。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=26

6-7. 心理学

心理学は、人の心の働きや行動を科学的に理解し、福祉実践の基礎となる知識を学ぶ科目です。心理学では、感情・思考・行動の基本的な仕組みを理解し、乳幼児期から老年期までの各発達段階における心理的・身体的特徴を学びます。

また、心理的評価法や援助技法の概要を通して、人の行動や感情の背景を理解する力を養います。心理学理論と社会福祉の援助活動との関連を学び、人間理解を深めることで支援の基盤を築きます。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=25

6-8. 社会福祉援助技術論

社会福祉援助技術論は、福祉現場における支援の基本となる「ソーシャルワーク」の理論と方法を学ぶ科目です。社会福祉援助技術論では、利用者さんの人権尊重・権利擁護・自立支援を基盤とする社会福祉援助活動の意義とあり方を理解します。

ケースワークやグループワークなどの直接援助技術に加え、コミュニティワーク、ケアマネジメント、スーパービジョンなどの援助技術の体系を学びます。面接・記録・評価などの展開過程や、チーム支援、専門職としての倫理についても理解を深め、社会福祉援助活動を多面的に考察する力を養います。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=13

6-9. 法学

法学は、社会生活の秩序を保つための「法」の仕組みと、その福祉分野における役割を理解するための基礎科目です。法学では、憲法・民法・行政法などの基本的な法体系を通じて、社会福祉行政の運営を支える法的基盤を学びます。

特に、基本的人権の尊重や権利擁護、成年後見制度など、社会的弱者の保護に関わる法的内容を重視します。また、行政手続、情報公開、消費者保護、災害対策などの制度を通して、法と社会生活の関係を理解し、福祉実践における法的視点を養います。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=22

6-10. 介護概論

介護概論は、介護の基本理念や目的を理解し、利用者さんの生活を支えるための基礎的な知識と方法を学ぶ科目です。介護概論では、介護の原則や倫理、家政・看護・医療との関係を整理しながら、身体的および精神的変化への理解と観察の視点を養います。

食事・排泄・入浴など日常生活の支援をはじめ、コミュニケーション、記録、他職種との連携のあり方を学びます。また、事故予防や終末期の介護に関する知識を通じて、自立支援と尊厳の保持を基本とした介護の意義を理解することが目的です。

(出典:厚生労働省「社会福祉主事養成機関における授業科目の目標及び内容について」
/ https://www.mhlw.go.jp/content/000612728.pdf#page=19

7. 社会福祉主事取得費用の相場

社会福祉主事を取得するためには、大学や短大、専門学校に通う必要があります。社会福祉主事は学部に関係なく、指定された科目を履修すれば取得できるため、学費は学部によって大きく差があります。下記は、1年間の学費の一例を学校別にまとめた表です。

学校 学費
4年制大学・私立 約100万円~
国公立 約60万円~
短大 約40万円~
専門学校 約100万円~

なお、通学だけでなく通信課程を持つ学校もあり、学費は通信課程のほうが安くなります。自分に合った学校選びをすることが大切と言えるでしょう。

まとめ

社会福祉主事は福祉事務所などに勤務する公務員であり、日常生活や社会生活を送ることが困難な方の相談業務を担う、やりがいある仕事です。社会福祉主事は需要が高い仕事であり、キャリアパスが明確になる、一般的な介護職よりも高い収入を得られるといったメリットもあります。

社会福祉主事になるためには、社会福祉主事任用資格の取得が必要です。地方公務員試験に合格する必要もあるため、勉強はしっかり行いましょう。社会福祉主事は活躍できる場所が多いため、介護・福祉業界で働きたい方は取得を目指してみてください。

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※当記事は2025年10月時点の情報をもとに作成しています

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