介護のアルバイトは未経験でもできる？仕事内容や時給を解説

介護業界は人手不足であり、アルバイトを積極採用しています。施設によっては正社員登用制度などが整備されているところもあり、アルバイトから正社員へとキャリアアップも可能です。一方で、アルバイト求人があるのを見て「資格や経験がない自分が働いてよいのだろうか」と不安に感じる方もいるでしょう。

この記事では、介護業界でのバイトを考えている方に向けて、無資格での仕事内容や時給、バイトをするメリットを解説します。

1.　介護のアルバイトは未経験・無資格でも問題ない？

介護の現場で働く場合、未経験・無資格でも介護現場でアルバイトとして勤務ができます。

介護職員初任者研修の資格を採用条件としている施設もありますが、介護業界は人手不足の現状があり、無資格でも歓迎されるケースがほとんどです。ただし、未経験・無資格の場合は、介護サービスの提供内容に制限がある点を理解しておきましょう。

1-1.　2024年からは認知症介護基礎研修が必要に

2021年4月の介護報酬改定により、無資格で介護業務に携わる職員は「認知症介護基礎研修」の受講が必要となりました。

（出典：認知症介護情報ネットワーク「知っていますか？認知症介護実践者等養成事業」
/ https://www.dcnet.gr.jp/pdf/kensyu/outcome_yoseijigyo.pdf）

ただし、経過措置期間として3年が設けられているため、2024年3月31日までは研修を受けていなくても勤務が可能です。また、新たに採用される職員の場合は入職後1年以内に研修を受ければ問題ありません。

認知症介護基礎研修の内容は、講義動画視聴150分に加えて確認テスト、自己ワークなどです。受講費用については自治体によって異なり、約1,000〜5,000円であるケースが多くみられます。

詳しい研修内容については、各自治体が委託した実施主体へ問い合わせをしましょう。

2.　無資格の介護バイトの仕事内容

介護関連の資格なしでアルバイトができる仕事内容には、「生活介護」「送迎業務」「事務業務」の3つがあります。また、有資格者の指導を受けた上で「身体介護業務」を行うことも可能です。

それぞれの詳しい仕事内容については以下の通りです。

生活介護	利用者さまが生活する上で必要なサポートを行います。具体的な内容は、掃除や洗濯、食事準備、ベッドメイク、外出の同行などです。無資格の場合は、基本的には利用者さまの体に触れない業務に限られます。
送迎業務	デイサービスなどの利用者さまの送迎が必要な施設では、運転免許さえあれば送迎業務を担当できることがあります。ただし、車を乗り降りする際の介助が必要なため、施設によっては研修を必須としています。
事務業務	電話対応や備品の管理・発注、請求書作成などの事務業務は、無資格でも対応できる施設がほとんどです。ただし、事務や経理を専門とする職員を採用している場合が多く、無資格の介護職員が事務業務をどこまで担当するかは勤務先によって異なります。
身体介護業務	身体介護業務は、食事介助や入浴介助、排泄介助などの利用者さまの体に直接触れる業務です。介護に関する知識が必要なため、基本的には無資格で実施することはできません。ただし、有資格者の指導のもとであれば、無資格でも実施が認められています。

2-1.　介護バイトは夜勤でも勤務可能

特別養護老人ホームや介護付き有料老人ホームなどの入居施設の場合、夜中でも利用者さまの対応が必要となるため、夜勤バイトとして勤務可能です。施設によって異なりますが、夜勤の場合の仕事内容には以下のような業務内容があります。

施設によっては介護度の高い利用者さまも多く、体に直接触れる介護業務もあるので、無資格の場合は資格を保有している介護士の指示に従って実務をこなします。夜勤の場合は対応できる職員の数も限られており体力が必要ですが、夜勤手当などがつくため、日勤よりも時給が高くなるメリットがあります。

日によってはナースコールが頻繁に鳴ったり、認知症の利用者さまの徘徊に対応する必要があったりして、業務が忙しい日があることを理解しておきましょう。

2-2.　介護バイトのシフト例

夜勤のある介護施設のシフトには、主に「2交代制」と「3交代制」の2つの勤務形態があります。一般的なシフト例は以下の通りです。

これから勤務する施設を探すという方は、どちらの勤務形態であるのかをしっかり確認しておきましょう。

3.　介護バイトの時給

アルバイトを含む非常勤の介護職員の時給は以下の通りです。

【非常勤の介護職員の平均時給（2022年9月時点）】

施設名	平均基本給額（単位：円）
全体	1,130
介護老人福祉施設	1,060
介護老人保健施設	1,050
介護療養型医療施設	1,040
介護医療院	1,020
訪問介護事業所	1,290
通所介護事業所	1,040
通所リハビリテーション事業所	1,040
特定施設入居者生活介護事業所	1,070
小規模多機能型居宅介護事業所	1,000
認知症対応型共同生活介護事業所	1,010

（出典：厚生労働省「令和４年度介護従事者処遇状況等調査結果」
/ https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04kekka.pdf）

上記の表から分かるように、無資格の場合でも1,000円を超える時給に期待できます。訪問介護事業所の時給が高い傾向がありますが、訪問介護事業所で働くためにはホームヘルパーの資格が必要です。

今後は介護職員処遇改善加算制度によって賃上げも期待でき、介護バイトは稼げる仕事の選択肢の1つと言えるでしょう。

4.　介護バイトを行うメリット

介護施設でのアルバイトにはさまざまなメリットがあります。アルバイトをきっかけとして介護職を目指そうと思っている方も、将来的に他の仕事に就こうと考えている方も、介護のアルバイトを経験しておくのがおすすめです。

ここでは、介護バイトを行うメリットについて解説します。

4-1.　介護経験者のニーズが高い

介護業界は慢性的な人手不足であり、介護の実務経験者のニーズが高い傾向があります。介護職員の有効求人倍率はほかの職種よりも高く、転職時にも勤務先を探すことに困らないでしょう。今後も介護職員の必要数は増加が予測されているため、介護職員の需要も高くなります。

また、介護施設の就業形態は無期雇用の場合が多く、全体の7割ほどを占めています。特に入居系施設の介護職員の人数は多く、一度勤務すると長く働けるでしょう。

4-2.　スキルアップを目指せる

アルバイトから介護職を検討している場合、アルバイトをしながらスキルアップを目指せます。介護現場で有資格者などから指導を受けることで、専門的な技術と知識が取得可能です。

また、介護施設によってはアルバイトに対しても資格取得支援制度を設けているケースもめずらしくありません。施設側が必要な費用を全額、または一部を負担してくれる場合、より小さい負担で資格を取得できます。

正社員登用制度がある施設では、アルバイトから正社員へのキャリアアップも可能です。働きなれた施設でスキルを磨きながらキャリアアップを目指せば、実施可能な介護業務の幅を増やすこともできます。

4-3.　プライベートと仕事を両立しやすい

介護施設でアルバイトをする場合、プライベートと仕事を両立しやすい点がメリットです。介護施設のアルバイトは日勤と夜勤があり、プライベートの都合に合わせたシフトで働けます。

日勤希望の場合には日勤専門で、夜勤希望の場合には夜勤専門で勤務できる施設を選んで求人に応募すれば、生活リズムに合わせた働き方が可能です。また、介護施設は事業所数も多く、自宅近くの施設であれば通勤時間の短縮ができるためプライベートの時間も増えます。

自分がどのような時間帯で勤務したいのかを明確にして、希望条件に合わせた施設を選びましょう。

まとめ

介護バイトは未経験・無資格からでも始められ、社会的なニーズも高いアルバイトです。無資格のアルバイトの場合は有資格者の指導下でなければ身体介護業務は行えないものの、そのほかの業務は問題なく行えます。夜勤の仕事に入る場合は夜勤手当もつき、高時給を得やすくなるでしょう。また、介護スキルを身につけて人材としての価値を高めたり、正社員雇用を目指してキャリアアップしたりできるのも介護バイトの魅力です。

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※当記事は2023年11月時点の情報をもとに作成しています

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