介護業界で働く魅力は?将来性や仕事の種類も解説

介護業界は、高齢者や障害を持つ方々の生活を支えています。介護業界で働く職種には、主に介護士、訪問介護員、ケアマネジャー、介護事務などがあり、それぞれの立場から支援が必要な方の生活をサポートします。
当記事では、介護業界の仕事の種類や将来性、働く魅力について詳しく解説します。これから介護業界で働くことを考えている方や、業界自体に興味がある方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
目次
1. 介護業界とは?
介護業界とは、障害を持つ方や高齢の方など、心身が健全な状態でなく、サポートを必要とする方の支援をする業界です。介護業界は高齢化していく日本を支える重要な業界であり、今後も注目されていくことが予想されるでしょう。
1-1. 介護業界の仕事の種類
介護業界の代表的な職種としては、主に以下のようなものが挙げられます。
・介護士
介護施設や事業所を利用する方々に対し、日常生活のサポートを行ったり、食事・排泄・入浴といった身体に関する介護を行ったりする職種です。
・訪問介護員
ホームヘルパーとも呼ばれる職種であり、利用者さんの家に行ってサポートを行います。介護士のように生活のサポート・身体介護を行うほか、病院に行くまでの準備や移動の際の介助などを行う通院介助も実施します。移動時に車を使用することもあるため、普通自動車免許が求められる場合もあります。
・ケアマネジャー
利用者さんそれぞれに合わせたケアプランを立案する職種です。利用者さん本人だけでなく、その家族や支援に関わる関係者などとも随時やり取りを行います。ケアプランが問題なく進められているかを確認したり、必要に応じてケアプランを変更したりするのも仕事の1つです。
・介護事務
介護保険や介護そのものに関係する事務を担当する職種です。介護施設における受付の担当、レセプトの作成、ケアマネジャーのサポートなど、幅広い仕事を担当します。
また、職種だけではなく、施設で提供しているサービスの形式によっても働き方に違いが生まれます。
利用者さんの家を訪問してサービスを行う事業所では、1日で複数の家を回りながらサポートを行うのが一般的です。利用者さんが施設などへ通う通所サービスの場合、勤務は昼間のみで、固定の場所で働く形となります。有料老人ホームなど利用者さんが生活する施設で勤務する場合、夜勤が発生します。
(出典:厚生労働省「介護業界で 働いてみませんか」
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https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000912552.pdf)
2. 介護業界の将来性
介護業界は、多角的に見て十分な将来性がある業界です。ここでは介護業界における現状をさまざまな視点から解説し、それぞれを踏まえた上で将来性について紹介します。介護業界で働こうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
2-1. 人手不足の可能性
厚生労働省が2021年に発表したデータによると、介護業界の有効求人倍率は全職種に比べ、高い水準で推移しています。有効求人倍率とは、求職者1人に対し、どのくらいの求人があるかを示すものです。値が大きいほど求人の数が多く、人手が足りていない状況を示します。
2021年の有効求人倍率は、全職種計が1.03であるのに対し、介護関係職種では3.65と非常に高い水準であることが分かります。介護業界は需要が高く、就職しやすい業界であると言えます。
(出典:厚生労働省「介護人材の確保・介護現場の革新(参考資料)」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000531297.pdf)
(出典:厚生労働省「図表1-2-39 有効求人倍率(介護関係職種)の推移(暦年別)」
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https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/21/backdata/01-01-02-39.html)
2-2. 賃金は上昇傾向
介護業界は職員の処遇改善を進めており、賃金は上昇傾向にあります。厚生労働省が令和4年度に発表したデータによると、調査に回答した事業所のうち、介護職員処遇改善支援補助金を取得・届出している事業所の割合は88.7%であり、多くの事業所が処遇改善に力を入れていることが分かります。
(出典:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
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https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/22/dl/r04gaiyou.pdf)
介護職員処遇改善支援補助金とは、賃上げを行う事業所を対象に補助金が出される制度のことです。令和6年2~5月の賃上げに対しては介護職の方1人あたり、月額6,000円に相当する補助金が交付されます。令和6年6月以降も介護報酬改定により、引き続き介護職員への処遇改善が進められます。
(出典:厚生労働省「令和6年2月からの介護職員処遇改善支援補助金について」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001197900.pdf)
さらに東京都では、都内で勤務するすべての介護職の方に対し、居住支援特別手当として月1万円もしくは2万円を給付する支援策を発表しました。
(出典:東京都福祉局「東京都介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当事業」
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https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/kyojushientokubetsuteate.html)
このように近年は介護業界の賃金に関するさまざまな施策が行われているため、賃金は上昇していくことが期待されるでしょう。
2-3. 需要は増加傾向
介護業界の需要は年々増加傾向にあり、それは今後も続いていくと予想されています。その主な理由は、以下の2つです。
・日本では高齢化が進行している
近年の日本は年々高齢化が深刻化し、要介護認定を受ける方も増え続けています。高齢者の割合は、今後も増えていくことが予想されています。高齢者が増えるに伴ってサポートする側も多くの人材が必要となるため、介護業界で働く方の需要は高まっていくでしょう。
・ロボットやAIにはこなしにくい仕事である
介護業界の仕事は専門性が高く、単純作業としてこなせるものでは決してありません。加えて、ロボットに介護をされるのは心理的に抵抗がある利用者さんも少なくないのが現状です。介護業界では、人ならではの温もりや共感を求められるシーンも多いため、ロボットやAIで完全に代替するのが難しく、需要がなくなるリスクも低いと言えるでしょう。
(出典:内閣府「2 健康・福祉|令和4年版高齢社会白書(全体版)」
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https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2022/html/zenbun/s1_2_2.html)
3. 介護業界で働く魅力は?
介護業界は、モチベーション・労働環境双方の面においてさまざまな魅力がある業界です。仕事を行う中で喜びや達成感を得やすい上に、どのような方でも働きやすいという特徴があります。以下からは、厚生労働省の資料に基づいて、介護業界の主な魅力について徹底解説します。
(出典:厚生労働省「介護業界で 働いてみませんか」
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https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000912552.pdf)
3-1. 未経験からでもキャリアアップできる
介護業界は人手不足であるため、未経験者の方や資格を持っていない方を歓迎する求人も多くあるのが現状です。未経験から業界にチャレンジし、現場で徐々に経験を積んでキャリアアップしていけるという点は、大きな魅力と言えるでしょう。働く中で得た知識をもとに資格を取得したり、仕事の中で功績を残したりすることで、より確実なキャリアアップを狙えます。
3-2. やりがいが大きい
介護業界の仕事は、利用者さんの生活を支えるかけがえのないものです。サポートを必要とする方々を助け、社会全体の役に立つ仕事は、大きなやりがいがあります。
また、介護業界における仕事のほとんどは、利用者さんやその家族と顔を合わせる機会が多くあります。懸命に働いた結果その仕事ぶりを評価され、利用者さんなどからお礼を言われるシーンも多いでしょう。直接感謝の言葉を受け取り、役に立っている実感を得やすい点も魅力の1つです。
利用者さんを真摯に支える中で、利用者さんの体調がよくなって病気が治ったり、できる行為が増えたりするケースもあります。利用者さんとじっくり向き合うことで、今まで憂鬱な様子でいた利用者さんが笑顔を見せてくれる場合もあるでしょう。こうした出来事と巡り合うたびに、仕事のやりがいを感じる方は少なくありません。
3-3. ライフスタイルに合わせて働ける
介護業界は、ライフスタイルに合わせた働き方がしやすい傾向にあります。イレギュラーな事態が起きて突然休みが必要になった際なども、柔軟に対応してもらえる職場が多い業界です。
(出典:株式会社NTTデータ経営研究所「介護現場における「多様な働き方」取組事例集」
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https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/5331834.pdf)
介護業界は人手不足を解消するため、元気なシニア世代や子どものいる主婦、学生といったさまざまな人材を受け入れる取り組みがなされています。幅広い人材を受け入れる上で忘れてはならないのは、働く方のライフスタイルに応じた配慮を行う必要があるという点です。例として子どもを持つ主婦の場合、子どもが熱を出し急に休んだり早退したりしなければならなくなるシーンも少なくありません。
どのような事情を持つ人材でも負担なく働けるよう、それぞれのライフスタイルに合った働き方を実現する動きが生まれています。
まとめ
介護業界は、ますます高齢化が進む日本において需要が高く、将来性がある業界と言えます。未経験者でもキャリアアップのチャンスが多いだけでなく、人との触れ合いによって大きなやりがいを得られることも介護業界の魅力です。
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※当記事は2024年6月時点の情報をもとに作成しています
介護・福祉業界の転職事情|仕事の種類・平均給与・おすすめの資格
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