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ソーシャルワーカーとケアマネジャーはどう違う?必要資格も解説

公開日:2023.01.27 更新日:2023.10.06
ソーシャルワーカーとケアマネジャーはどう違う?必要資格も解説

介護業界では、さまざまな職種の方が活躍しています。その中でも、直接的な介護業務を行わず、対象者が安心して日常生活を送れるようなサポートの提供環境を構築する職種として、「ソーシャルワーカー」と「ケアマネジャー」が挙げられます。

ソーシャルワーカーとケアマネジャーはまったく異なる職種ですが、介護業界に関して専門的な知識を有していないという方にとっては、それぞれの違いについてよく分からないのではないでしょうか。

そこで今回は、ソーシャルワーカーとケアマネジャーの仕事内容・それぞれに必要な資格・給与の違いを徹底的に解説します。介護福祉現場で、利用者さまを全面的にサポートしたいという方はぜひ参考にしてください。

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1. ソーシャルワーカーとケアマネジャーはどんな仕事?

ソーシャルワーカーとケアマネジャーは、いずれも介護福祉施設などにおいて、利用者さまが安心して日常生活を送れるよう、さまざまなサポートの提供環境を構築する職種です。直接的な介護業務はメインとしない点は共通していますが、具体的にはまったく異なります。

●ソーシャルワーカーとは
ソーシャルワーカーとは、医療・介護・福祉などに関する専門知識を活かして、日常生活・社会生活に支障のある方の相談に応じたり、社会的支援を行ったりする援助専門職の総称です。

●ケアマネジャーとは
ケアマネジャーとは、介護が必要な方の一人ひとりのニーズに適した介護サービスを提供するために、各介護サービスの重要性を判断しケアプラン(介護サービス計画書)を作成する職種です。

このように、ソーシャルワーカーとケアマネジャーはいずれも介護福祉サービスに関わる仕事ですが、仕事内容は大きく異なります。ここからは、ソーシャルワーカーとケアマネジャーのそれぞれの仕事内容を説明します。

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1-1. ソーシャルワーカーの仕事内容

ソーシャルワーカーは、医療・介護・福祉などの専門知識を活かして、生活するうえで困難や支障のある方々の相談に乗り、社会的支援を行うことが主な仕事です。どのような専門知識を活かして支援するかは職場によって異なり、支援の形が異なればソーシャルワーカーの名称も異なります。

●ケースワーカー(CW)
ケースワーカーとは、身体的・精神的・社会的理由で日常生活に何らかの困難や支障のある方の相談支援業務を行うソーシャルワーカーです。主に、病院のほか福祉事務所といった行政機関が勤務先となります。

●医療ソーシャルワーカー(PSW)
医療ソーシャルワーカーとは、病院に入院する患者さまの入退院手続きや患者さまやその家族からの退院後の生活相談対応、さらに社会復帰支援など幅広いサポートを行うソーシャルワーカーです。主に、病院・クリニックや保健所、介護施設などが勤務先となります。

●スクールソーシャルワーカー(児童相談員)
スクールソーシャルワーカー(児童相談員)とは、学校で起こるいじめや不登校問題、さらに家庭で起こる育児放棄(ネグレクト)や虐待といった問題を抱える子どもやその家族に対し、あらゆる相談業務・援助業務を行うソーシャルワーカーです。主に、教育機関や児童福祉施設が勤務先となります。

●生活相談員
生活相談員とは、介護施設の利用者さまやその家族に対して、入退所手続きや相談援助、各関係者への連絡調整など、施設の窓口的な役割を果たすソーシャルワーカーです。主に、介護福祉施設が勤務先となります。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト日本語版O-NET「福祉ソーシャルワーカー」/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/409)

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1-2. ケアマネジャーの仕事内容

ケアマネジャーは、介護を要する方の個々のニーズに適した介護サービスを提供するために、「介護サービス計画書」とも呼ばれるケアプランを作成することが主な仕事です。具体的な仕事内容は、勤務場所により異なります。

●居宅介護支援事業所での仕事内容
居宅介護支援事業所は、ケアマネジャーの就職先として最も代表的なことが特徴です。居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーは「居宅ケアマネ」とも呼ばれ、住み慣れた自宅で生活する要介護1以上の認定を受けた高齢者に向けて、適切なケアプランを作成します。

●介護施設での仕事内容
介護施設で働くケアマネジャーは「施設ケアマネ」とも呼ばれ、施設に入所する利用者さまを対象に、施設内サービスを組み合わせた適切なケアプラン作成を行います。小規模の介護施設で働く場合、現場での直接的な介助業務や利用者さま・家族の相談対応を行うケースもあります。

●地域包括支援センターでの仕事内容
地域包括支援センターとは、市町村または市町村からの委託を受けた社会福祉法人・医療法人が主体となって、地域住民の健康・生活安定のための援助を行う公的機関です。地域包括支援センターで働くケアマネジャーは、地域住民に向けた介護予防に関する取り組み、いわゆる「介護予防ケアマネジメント」を行うことが主な仕事となります。

また、地域包括支援センターで働くケアマネジャーは、地域の居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーの相談窓口としても対応したり、他専門職との連携を図ったりします。そのため、主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)としてより専門性の高い知識が必要となることも特徴です。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト日本語版O-NET「介護支援専門員/ケアマネジャー」/ https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/132)

2. ソーシャルワーカー・ケアマネジャーに必要な資格は?

ソーシャルワーカーを目指すためには、社会福祉士・精神保健福祉士の国家資格を取得することが一般的です。一方で、ケアマネジャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験への合格が必須となります。

ここからは、それぞれの必要資格について詳しく説明します。

社会福祉士の介護職一覧ページはこちら

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2-1. ソーシャルワーカーになるために必要な資格

ソーシャルワーカーは社会福祉事業に携わる職員のことを指しており、単純にソーシャルワーカーとして働くために取得が必須となる資格はありません。しかし、より専門的な業務を行うのであれば、保有スキル・技術を証明する資格が必要となります。多くの職場で必要とされる代表的な資格が、社会福祉士・精神保健福祉士の2つです。

●社会福祉士
社会福祉士とは、身体的・精神的・社会的理由により日常生活に何らかの困難や支障のある方の相談・援助業務を行うために必要な専門的知識の保有を証明できる国家資格です。社会福祉士資格の保有者は、ソーシャルワーカーとして幅広く活躍できるようになります。

社会福祉士の資格を取得するためには、福祉系大学ルート・短期養成施設ルート・一般養成施設ルートのうちいずれかの資格取得ルートで受験資格を得たうえで、社会福祉士国家試験に合格しなければなりません。

(出典:厚生労働省「社会福祉士・介護福祉士等」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/index.html)

●精神保健福祉士
精神保健福祉士とは、心に何らかの問題を抱えた方の日常生活・社会生活復帰を多方面からサポート・支援するために必要な専門的知識の保有を証明できる国家資格です。主な業務内容は社会福祉士と共通している点が多いものの、精神保健福祉士の対象者は精神障害者に特化していることが大きな違いと言えます。

精神保健福祉士の資格を取得するためには、保健福祉系大学ルート・福祉系大学/短期養成施設ルート・一般系大学/一般養成施設ルートのうちいずれかのルートで受験資格を得たうえで、社会福祉士国家試験に合格しなければなりません。

(出典:厚生労働省「精神保健福祉士について」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/seisinhoken/index.html)

2-2. ケアマネジャーになるために必要な資格

ケアマネジャーになるためには、都道府県が実施している「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、翌年に実施される介護支援専門員実務研修を修了しなければなりません。下記では、東京都で実施される介護支援専門員実務研修受講試験を参考に、受験資格を紹介します。

●受験地が東京都である
●対象となる資格および業務内容で一定の実務経験(通算5年以上かつ業務従事日数900日以上)を満たしている

(出典:公益財団法人 東京都福祉保健財団「令和4年度 東京都介護支援専門員実務研修受講試験」/ https://www.fukushizaidan.jp/101caremanager/shiken/)

介護支援専門員実務研修受講試験では、受験地に注意が必要です。受験資格の該当業務にすでに従事している場合は「勤務地のある都道府県が実施する受講試験」、そして従事していない場合は「住所地のある都道府県が実施する受講試験」を受けなければなりません。

なお、対象となる資格には医師や看護師、介護福祉士、社会福祉士などが挙げられ、対象業務は相談援助業務となっています。働きながらでも十分に取得を目指せる公的資格であるため、将来的にケアマネジャーを目指す方も取得に向けて動き始めることをおすすめします。

社会福祉士はどんな仕事?仕事内容や資格取得方法を解説

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3. ソーシャルワーカーとケアマネジャーの給与の違いは?

ソーシャルワーカーとケアマネジャーの給与は、下記のような違いがあります。

月収 年収
ソーシャルワーカー 22.5万円 403.7万円
ケアマネジャー 23.7万円 409.7万円

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト日本語版O-NET「福祉ソーシャルワーカー」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/409)

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト日本語版O-NET「介護支援専門員/ケアマネジャー」 https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/132)

それぞれ比較して見ると、給与水準はケアマネジャーのほうがわずかに高いことが分かりました。ケアマネジャーになるためには専門的な知識や相談業務経験を有したうえでの資格取得が必要であり、あらゆる業務において責任がやや重くなることを考えると、当然の結果とも言えるでしょう。中には、まずソーシャルワーカーの仕事を経験して段階的にケアマネジャーを目指す介護職員も存在します。

まとめ

ソーシャルワーカーとは、専門知識を活かして生活に何らかの支障がある方の相談に応じたり、社会的支援を行ったりする援助専門職の総称です。一方でケアマネジャーとは、介護を要する方のニーズに適した介護サービスを提供するため、アセスメントを行いケアプランを作成する職種です。いずれも、勤務先によって具体的な仕事内容は大きく異なります。

ソーシャルワーカーとして働くために必須となる資格はありませんが、取得しておいたほうがよい資格もいくつかあります。そして、ケアマネジャーとして働くためには介護支援専門員実務研修受講試験に合格したうえで、実務研修を修了しなければなりません。

必須資格のあるケアマネジャーのほうがわずかに給与水準も高いため、段階的にケアマネジャーを目指すソーシャルワーカーも存在します。キャリアアップを目指して転職を検討している方は、ぜひ「マイナビ介護職」をご利用ください。マイナビ介護職では、条件に適した求人情報の紹介から、履歴書の添削サービス、条件の交渉まであらゆるサポートを提供いたします。

※当記事は2022年8月時点の情報をもとに作成しています

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