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サービス管理責任者の実務経験証明書とは?内容や取得方法も

公開日:2023.03.21 更新日:2023.09.21
サービス管理責任者の実務経験証明書とは?内容や取得方法も

サービス管理責任者の研修や配置の際に、実務経験証明書が求められることがあります。実務経験証明書とはサービス管理責任者の研修や配置に必要な実務経験を満たしているかどうかを証明する書類です。

この記事では、実務経験証明書についての基本情報に加え、必要となるタイミングや内容、取得法について解説します。様式や作成依頼についてのよくある質問もまとめたので、実務経験証明書について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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1. サービス管理責任者の実務経験証明書とは?

サービス管理責任者の実務経験証明書とは、指定の研修に申し込んだり障害福祉サービス事業所に配置されたりする時に、実務経験年数を証明する目的で提出する書類にあたります。

サービス管理責任者として障害福祉サービス事業所に配置されるためには、実務経験要件と研修修了要件の両方を満たすことが必要です。実務経験要件を満たすためには、下記の内容・年数の実務経験が要求されます。

実務経験

障害者の保健、医療福祉、就労、教育の分野における支援業務
①相談支援業務 5年以上
②直接支援業務 8年以上
➂有資格者等 5年以上または3年以上

(引用:兵庫県「実務経験一覧表(サービス管理責任者)」
/ https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf08/documents/sabikan_ichiran.pdf/引用日2023/2/20)

サービス管理責任者の仕事内容は幅広く、サービス提供職員への指導・助言や個別支援計画の作成・定期的な見直しなどを担当します。医療機関や自治体の担当部署と連絡を取り、協力し合って支援の方向性を決定することも、サービス管理責任者が担当する重要業務の1つです。

1-1. 実務経験証明書が必要となるタイミング

実務経験証明書は、サービス管理責任者等基礎研修を受講する時・サービス管理責任者になった後、障害福祉サービス事業所へ配置される時に必要 です。サービス管理責任者等基礎研修とは、サービス管理責任者を目指す方が最初に受講する研修にあたります

障害福祉サービス事業所に配置される際には実務経験証明書の他、研修修了証書の提出が必要です。多くの自治体では研修修了証書を紛失しても再発行できないため、郵送された後には、大切に保管しましょう。

(出典:東京都福祉保健局「研修の修了証書等を紛失等した場合」
/ https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shinsho/shienhoukanrenkensyu/syuuryoukakuninnsyo.html

1-2. 自治体によっては研修受講時には不要なケースも

一部の自治体では、サービス管理責任者等基礎研修を受講する際に、実務経験証明書の提出を求められません。 たとえば兵庫県では申し込み者からの申告で実務経験条件を判定する方式を採用しており、実務経験証明書の提出は不要です。

(出典:福祉のまちづくり研究所研修センター「兵庫県サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者基礎研修」
/ https://www.hwc.or.jp/kensyuu/?p=12486

ただし、研修を受講するために実務経験証明書が不要な自治体でも、配置のタイミングでは、提出が求められます。また、初めて研修を受講する方の場合は、障害福祉サービス事業所の代表者からの推薦が必要な点に注意しましょう。

2. 実務経験証明書の内容

実務経験証明書は基本的に、自治体もしくは研修業者のホームページからダウンロードできるフォーマットで作成します。内容や作成時の注意点は自治体もしくは研修業者によって異なる可能性があるものの、本人の氏名と事業所名の他、以下を記載することが通常です。

事業所の種別 実務期間に所属していた事業所の種類
例:障害者支援施設、居宅介護事業所など
職種、業務内容 実務期間に担当していた職種、仕事の内容
例:生活支援員として利用者の日常生活の支援を担当
実務期間 相談支援業務もしくは直接支援業務を担当していた期間
例:2021年10月1日〜2022年3月31日
業務日数 実務期間のうち、業務に従事した日数
例:103日
業務に関する資格 相談支援業務もしくは直接支援業務を行うために使用していた資格
例:介護福祉士

職種や業務内容は実際に担当していた仕事内容に沿い、具体的に記載する必要があります。 「常勤職員」や「契約社員」などの書き方では、実務経験を証明できません。実務経験証明書には多くの場合、障害福祉サービス事業所の代表者氏名・住所・連絡先も記載します。

実務経験書は自分自身で作成する書類ではないとは言え、大まかな記載方法を把握しておくことは大切です。フォーマットの別紙には書き方の参考例や作成時の注意点が解説されている場合もあるため、事前によく読み、概要を把握しておきましょう。

(出典:岐阜県「サービス管理責任者等研修(基礎研修)」
/ https://www.pref.gifu.lg.jp/page/5988.html

(出典:福岡県「2023年度福岡県サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者」
/ https://www.facsw.or.jp/base-subject-service-manager

3. 実務経験証明書の取得のしかた

実務経験証明書は過去に勤務していた、もしくは現在勤務している障害福祉サービス事業所の施設長や役員に依頼し、発行を受ける必要があります。 職場のルールに従って早めに発行依頼を行い、余裕を持って準備しましょう。

発行依頼の方法は職場によって異なることが多く、施設長などに直接依頼できるケースもあれば、郵送による申請が必要になるケースもあります。郵送で申請する方式の障害福祉サービス事業所では発行までに1か月程度要することもあるため、計画的な行動が必要です。

なお、複数の障害福祉サービス事業所に実務経験を証明してもらう必要がある場合の扱いは、自治体ごとに異なります。「現在の事業所で過去の情報も記載してもらえば構わない」とする自治体がある一方、複数の事業所に依頼しなければならない自治体もあるため、事前によく確認しましょう。

4. 実務経験証明書に関するよくある疑問

実務経験証明書は「サービス管理責任者の要件を満たしているか」の確認を受けるために欠かせない、重要書類にあたります。実務経験証明書に関するよくある疑問への回答や、発行を依頼する際に発生しうるトラブルの対処法を知り、スムーズな手続きを目指してください。

4-1. 実務経験証明書は自分で書いてもOK?

実務経験証明書は、障害福祉サービス事業所の施設長や役員のみが作成できる書類であることが多く、自分自身で書いたものでは、受け付けてもらえません。 ただし、研修を受講する際に実務経験証明書が不要な自治体では実務期間・業務日数などを自分自身で調べて、申し込む必要があります。

また、どのような方法で実務経験年数を証明するにしても、虚偽情報を申告した場合には、しかるべき処分を受けかねません。実務期間・業務日数が分からない場合は、現在もしくは以前の勤務先に問い合わせ、正確な情報を申告しましょう。

4-2. どんな様式でも使える?

実務経験証明書は、基本的に自治体が配布する最新のフォーマットを使用して作成 します。障害福祉サービス事業所に発行を依頼する際には最新のフォーマットを入手して渡し、担当部署の負担の軽減を図ることがおすすめです。

また、多忙な障害福祉サービス事業所では事務作業の時間を確保できず、発行が遅れるケースもあります。極力スムーズに発行を受けるためには繁忙期を避け、依頼する配慮も必要 です。

4-3. 前職に依頼しにくい場合は?

何らかのトラブルで前職を退職した方の場合、実務経験証明書の発行を依頼しにくく感じることもあるでしょう。自ら発行を依頼しにくい場合には、現在勤務している障害福祉サービス事業所の経営者・行政書士などの第三者に相談し、間に入ってもらう 方法が1つの手です。

当事者同士が話すと感情的になりやすいトラブルも、第三者の力を借りると、スムーズに解決できる可能性があります。第三者の力を借りても対応を拒否された場合は、自治体の問い合わせ先窓口に連絡し、対処法を相談しましょう。

4-4. 前職が廃業していた場合は?

廃業した障害福祉サービス事業所を引き継いだ事業所がある場合は、引き継いだ先に相談すると、発行してもらえる可能性があります。もしくは、廃業した障害福祉サービス事業所の経営母体に連絡し、発行を依頼する方法も選択肢の1つです。廃業した障害福祉サービス事業所の現状を把握するためには、勤務していた当時の代表者や同僚に連絡する必要があります。

さまざまな手を尽くしても実務経験証明書の発行を受けられない場合は、自治体に相談しましょう。 自治体によっては当時の勤務実態や業務内容が分かる書類・実務経験証明書を取得できない理由を記入した書類を提出することで、対応してもらえる可能性があります。

(出典:宮城県「宮城県サービス管理責任者等研修に係るQ&A」
/ https://www.pref.miyagi.jp/documents/7170/798133_1.pdf

まとめ

サービス管理責任者の実務経験証明書は、研修受講や配置の際に、要件となる実務経験年数を満たしているかどうかを示す大切な書類です。一部の自治体では研修時には不要なケースもあるものの、配置の際には必ず必要となります。

なお、多くの場合、実務経験証明書は勤め先の施設長や役員に依頼し発行してもらうこととなります。発行に時間を要するケースもあるため、自治体の様式を事前に用意したり、以前の職場に連絡したりと、計画的な行動が重要です。

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※当記事は2023年3月時点の情報をもとに作成しています

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