【福井県】介護職の求人動向は?有効求人倍率や実際の求人状況も紹介
福井県は、日本海に面した北陸地方の南西に位置する都道府県です。2019年10月時点で福井県の高齢化率は前年比より0.3ポイント高い30.5%となっており、総人口が年々減少する中で高齢者の人口は増加傾向にあります。
(出典:福井県「福井県の年齢別人口(平成31年・令和元年)」/https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/toukei-jouhou/zinnkou/nenreibetsur1.html)
(出典:福井県「福井県の推計人口」/https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/toukei-jouhou/zinnkou/jinkou.html)
福井県は中部地方の中でも比較的人口が少ないため、求人動向を把握した上で自分に合った働き方ができる職場を見つけることがポイントです。
当記事では、福井県における介護職の有効求人倍率や採用率・離職率に触れつつ、実際の求人数や求人の傾向などを職種・雇用形態・サービス内容の観点から解説します。
目次
1. 【福井県】介護職の求人動向
福井県は、今後さらに増加する中重度の要介護者の受け皿を確保するため、サービス付き高齢者向け住宅事業に補助金を援助し、施設展開の拡大促進を図っています。事業の拡大にあたっては人員の確保も重要になるため、介護職の需要はますます高まると予想されます。
(出典:福井県「サービス付き高齢者向け住宅普及促進事業補助金」/https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kourei/satuki-hojyokin.html)
福井県の求人動向を知ることは、介護職への転職をスムーズに進めるためにも大切です。ここでは、福井県における介護職の有効求人倍率と採用率・離職率、介護職需要が高い理由について解説します。
1-1. 全国と福井県の有効求人倍率
介護職の有効求人倍率は3~4倍の都道府県が多く、高齢化社会に伴う介護職の需要はかなり高いことが分かります。
下記は、都道府県別に介護職の有効求人倍率をまとめた表です。
【都道府県別】介護職の有効求人倍率(※2019年11月時点) | |
---|---|
【全国平均】 | 4.45 |
北海道 | 3.34 |
青森県 | 3.10 |
岩手県 | 2.70 |
宮城県 | 4.13 |
秋田県 | 3.06 |
山形県 | 3.28 |
福島県 | 3.57 |
茨城県 | 5.06 |
栃木県 | 3.97 |
群馬県 | 4.46 |
埼玉県 | 5.62 |
千葉県 | 4.67 |
東京都 | 7.39 |
神奈川県 | 5.36 |
新潟県 | 3.58 |
富山県 | 4.97 |
石川県 | 4.27 |
福井県 | 4.34 |
山梨県 | 2.71 |
長野県 | 3.53 |
岐阜県 | 5.80 |
静岡県 | 4.50 |
愛知県 | 6.77 |
三重県 | 4.76 |
滋賀県 | 3.58 |
京都府 | 4.40 |
大阪府 | 5.70 |
兵庫県 | 4.56 |
奈良県 | 5.87 |
和歌山県 | 3.04 |
鳥取県 | 2.89 |
島根県 | 3.02 |
岡山県 | 4.49 |
広島県 | 4.37 |
山口県 | 3.55 |
徳島県 | 3.68 |
香川県 | 3.67 |
愛媛県 | 4.36 |
高知県 | 2.83 |
福岡県 | 3.60 |
佐賀県 | 3.07 |
長崎県 | 2.81 |
熊本県 | 3.77 |
大分県 | 2.80 |
宮崎県 | 2.75 |
鹿児島県 | 2.98 |
沖縄県 | 2.74 |
(出典:厚生労働省「介護分野における特定技能について」/https://jicwels.or.jp/wp-content/uploads/2020/01/2.介護分野における特定技能について(厚生労働省).pdf)
福井県の有効求人倍率は4.34倍で、全国平均である4.45倍とほぼ変わらない数値です。有効求人倍率2~3倍の都道府県がおおよそ半分を占める中で、4倍以上である福井県は介護職の求人倍率が高いと言えます。
また、2021年8月時点で福井県における全職種の有効求人倍率は1.85倍です。他の産業では新規求人数の増減を繰り返す一方、介護職の需要は常に高い傾向にあります。
(出典:福岡労働局「雇用失業情勢を掲載しました。」/https://jsite.mhlw.go.jp/fukuoka-roudoukyoku/news_topics/houdou/antei01.html)
1-2. 福井県の採用率・離職率
介護職の採用率および離職率は、転職のしやすさを把握するための重要な情報源です。また、増加率は福井県の介護現場の実態を判断するための指標になるでしょう。
下表は、中部地方における介護職の採用率・離職率・増加率を表しています。
【中部地方】介護職の1年間の採用率・離職率・増加率(※2020年10月時点) | |||
---|---|---|---|
採用率(%) | 離職率(%) | 増加率(%) | |
【全国平均】 | 16.0 | 14.9 | 1.1 |
【中部地方平均】 | 15.2 | 13.4 | 1.8 |
新潟県 | 11.2 | 9.9 | 1.3 |
富山県 | 11.7 | 11.3 | 0.4 |
石川県 | 13.5 | 11.7 | 1.8 |
福井県 | 12.8 | 11.4 | 1.4 |
山梨県 | 17.1 | 17.7 | -0.6 |
長野県 | 13.0 | 11.9 | 1.1 |
岐阜県 | 15.5 | 11.7 | 3.8 |
静岡県 | 15.7 | 13.6 | 2.1 |
愛知県 | 18.7 | 16.4 | 2.3 |
三重県 | 16.5 | 15.5 | 1.0 |
※備考 ・1年間の採用率=1年間の採用者数÷1年前の在籍者数×100 ・1年間の離職率=1年間の離職者数÷1年前の在籍者数×100 ・介護職3職種(訪問介護職員・介護職員・サービス提供責任者)の統計 ※山梨県に関してはサンプル事業所数が30未満のため参考値との位置付け |
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html)
福井県の増加率は全国平均より高い数値ですが、中部地方全体と比べるとやや低めです。
「令和2年度介護労働実態調査結果都道府県版」の福井県支所データでは、約70%の施設が初任者研修や実務者研修といった人材育成計画を立てており、早期の離職防止に取り組んでいます。しかし、運営上の問題点として「人材の確保が難しい」と回答した施設が全国より多く見られるため、介護職の増加率は伸び悩んでいる傾向です。
(出典:介護労働安定センター「令和2年度介護労働実態調査結果都道府県版」/http://www.kaigo-center.or.jp/shibu/fukui/8101b26e92e496ac952d481240f5cf3cec6bfdc2.pdf)
1-3. 福井県の介護職需要が高い理由
福井県は介護を担う若年層の割合が少ない半面、今後も介護サービスを必要とする高齢者の人口が増加すると予想されることから、介護職の需要が高まっています。
2020年10月時点における福井県の総人口は762,679人であり、そのうち65歳以上の高齢者人口は233,076人です。将来高齢者となる55~64歳の人口は96,390人であり、要支援・要介護と認定される高齢者は今後も増加すると考えられます。
(出典:福井県の推計人口(令和2年10月1日現在)(全文)/https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/toukei-jouhou/zinnkou/zinkou02_d/fil/nenpouzentai.pdf)
福井県は、将来の介護人材の不足に向けて、若年層に対する介護業界のイメージアップや就業応援制度の実施、現職員の待遇改善および外国人労働者の教育・採用などの取り組みを積極的に行っています。
(出典:福井県「第8期福井県高齢者福祉計画および介護保険事業支援計画 」/https://www.pref.fukui.lg.jp/doc/kourei/dai8ki-kaigokeikaku.html)
転職を検討している介護職の方は、慎重に求人の詳細をチェックし比較検討することで、収入アップを期待できるでしょう。
2. 【カテゴリー別】福井県における介護職求人の状況
福井県で介護職を探している人は、1人での転職活動に不安を抱えることも多いでしょう。「マイナビ介護職」では、プロのキャリアアドバイザーが多くの求人の中から求職者様の希望条件とマッチした求人をピックアップします。
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ここでは、実際に掲載されている福井県の求人情報をもとに、「職種」「雇用形態」「サービス内容」のカテゴリー別に求人状況を解説します。
2-1. 【職種別】福井県の求人状況
介護職は、福祉施設で利用者を介助するヘルパーをはじめ、生活相談員や管理職など職種は多岐にわたります。下記は、職種別に見た福井県の求人件数です。
【職種別】福井県における介護職の求人状況(2021年11月時点) | |
---|---|
介護職・ヘルパー | 約158件 |
生活相談員 | 約11件 |
看護助手 | 約9件 |
ケアマネジャー | 約38件 |
サービス提供責任者 | 約1件 |
施設長 | 約0件 |
サービス管理責任者 | 約0件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
福井県の介護職求人数を職種別に見ると、施設入所者の食事や入浴、排せつといった日常生活介助を担う「介護職・ヘルパー」の求人が最も多く、次いで居宅支援事業所などで働く「ケアマネジャー」の求人数が多くなっています。
「介護職・ヘルパー」の場合、介護福祉士やホームヘルパーといった資格を必須とした求人が多数見られます。一方で、経験不問や無資格可能な募集も多く掲載されており、中には資格取得支援などのキャリアアップ制度が充実した施設も少なくありません。そのため、業界が未経験の人でも希望に沿った施設を探せるでしょう。
給与面で見ると、専門の資格を要するケアマネジャーや生活相談員が高い傾向にあり、月給相場は25万円前後です。ケアマネジャーや生活相談員の求人には、普通自動車運転免許が必要な求人が多く見られますが、免許が必須ではない求人もあるため運転が苦手な人にもおすすめと言えます。
2-2. 【雇用形態別】福井県の求人状況
介護職も他の業種と同様に、正社員や契約社員、非常勤・パートと雇用形態はさまざまです。下表では福井県の介護職求人数を雇用形態別に記しています。
【雇用形態別】福井県における介護職の求人状況(2021年11月時点) | |
---|---|
正社員(正職員) | 約155件 |
契約社員(職員) | 約20件 |
非常勤・パート | 約52件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
福井県における介護職の求人数は正社員が70%を占めていますが、契約社員や非常勤・パートの求人数も決して少なくありません。
一般的に休日が少ないと言われる介護職ですが、福井県では正社員でも年間120日以上の休日を設けている施設が多く、契約社員では130日以上の求人も見られます。そのため、他県よりもプライベートを充実させやすいでしょう。
また、福井県における介護職の非常勤・パートの時給相場は約1,000~1,200円で、中には約1,500~1,700円を支給する求人もあります。ただし、夜勤勤務や経験者歓迎などの条件を設けている求人もあるため、応募の際は必ず求められている条件についても確認しましょう。
2-3. 【サービス内容別】福井県の求人状況
介護職は同じ職種であっても、サービスによって業務内容はさまざまです。下記は、福井県における介護職の求人をサービス内容別にまとめた表です。
【サービス内容別】福井県における介護職の求人状況(2021年11月時点) | |
---|---|
介護老人保健施設 | 約16件 |
有料老人ホーム | 約4件 |
サービス付き高齢者向け住宅 | 約4件 |
特別養護老人ホーム | 約23件 |
通所介護(デイサービス) | 約43件 |
通所リハ(デイケア) | 約5件 |
グループホーム | 約14件 |
障がい者施設 | 約2件 |
訪問入浴 | 約0件 |
訪問看護 | 約2件 |
訪問診療 | 約0件 |
(出典:マイナビ介護職/https://kaigoshoku.mynavi.jp/)
福井県では、「特別養護老人ホーム」や「通所介護(デイサービス)」で介護職の求人が多く見られます。
特別養護老人ホームは民間運営の介護施設よりも入居費が安く、充実したサービスを受けられるため、利用者から人気の施設です。特別養護老人ホームで働く介護職の給与は比較的高く、月給相場は約25万円で、賞与を含め年収約400万円を目指せる施設も少なくありません。中には無資格・未経験可の求人もあるため、希望条件を満たす施設を見つけやすいサービスだと言えます。
通所介護サービスは利用者をデイサービスセンターへ送迎し、生活の支援や機能回復訓練などを日帰りで行います。自宅に居ながら介護を受けられるため、特別養護老人ホームと並んで人気のサービスです。通所介護サービスは、資格や実務経験を持っている人を優遇する傾向にあります。そのため、好待遇の施設で働きたい場合は、資格を取得したり経験を積んだりした上で求人に応募することがおすすめです。
まとめ
福井県における介護職の有効求人倍率は全国平均とほぼ変わらない数値ですが、介護職の増加率は全国平均よりも高めです。
福井県は、介護職の人材確保や離職を防ぐための取り組みを積極的に行っており、各運営団体も労働環境の改善を図っています。そのため、他県と比べて給与や働き方などの希望条件を叶えられる施設が多い傾向です。
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※当記事は2021年11月現在の情報をもとに作成しています
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