グループホームに向いてない人の特徴|仕事内容と1日のスケジュールも

グループホームは、認知症を患う高齢者の方を対象に、住み慣れた地域での共同生活を支援する介護施設です。そのため、介護老人福祉施設や有料老人ホームなど他のタイプの介護施設とは異なった特徴があります。
この記事では、グループホームで働くことに向いている方・向いていない方の特徴について、詳しく解説します。さらに、グループホームで働くメリット・デメリットや介護職員の方の仕事内容についても紹介するので、ぜひご一読ください。
目次
1. グループホームで働くことに向いている方・向いていない方の特徴とは?
高齢者向けのグループホームとは、認知症を患う利用者さんの症状進行の緩和を目的とし、共同生活を提供する施設です。家庭的な環境での暮らしを軸に、介護職員の支援を受けながら認知症を患う利用者さんは生活します。入居の条件は、国からの介護認定、または要支援2を受けている65歳以上の高齢者です。グループホームで働く介護職員は、利用者さんの入浴・排せつ・食事など生活全般のサポートを、夜勤を含めたシフト勤務で24時間体制で対応します。
(出典:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000647295.pdf)
グループホームには症状の度合いが異なる利用者さんがいることに加え、夜勤などの業務が含まれるため、勤務は人によって向き・不向きがあるのが事実です。ここでは、グループホームでの勤務に向いている方・向いていない方の特徴を紹介します。
1-1. 向いている方の特徴3選
グループホームで働く際には、認知症の利用者さん1人1人に寄り添い、気持ちに配慮しながら業務をこなす必要があります。グループホームでの勤務に向いている方は、次のようなタイプの方です。
・観察力に優れている方
グループホームで働く介護職員の仕事は、利用者さんの自立を促し、必要に応じてサポートすることです。利用者さん1人1人の性格や状況などをしっかりとチェックしなければならないため、観察力に優れている方が向いています。
・体力に自信を持っている方
夜勤シフトがあることから、グループホームでの仕事は生活リズムを整えるのが難しいケースも少なくありません。また、比較的業務量も多いため、体力が求められる傾向にあります。
・コミュニケーション能力が高い方
家庭的な雰囲気が特徴のグループホームでは、利用者さんと心の通う交流をすることが重要です。高齢者への敬いの念を持ちつつ、適切な言葉でコミュニケーションが取れる方が活躍できる仕事と言えます。
1-2. 向いていない方の特徴3選
グループホームでは、介護において十分な配慮が求められる認知症の利用者さんを支援するため、グループホームでの仕事に向いていない方もいます。次のような特徴に該当する方は、グループホームで働くことにあまり向いていないかもしれません。
・綺麗好きな方
グループホームでの仕事には、入浴や排泄介助も含まれており、過度に潔癖症な方にとっては、苦痛に感じる可能性があります。ただし、綺麗好きで身の回りの整理整頓が得意な方は、清潔感の求められるグループホームでは、歓迎されると言えるでしょう。
・丁寧な仕事が苦手に感じる方
利用者さんを介護支援する際には注意深く仕事をする必要があり、杜撰な対応をしていては、クレームや事故につながってしまいます。誰にでも失敗はありますが、1つ1つの作業を丁寧に行える方が、グループホームでは歓迎される可能性が高いです。
・生活リズムを乱したくない方
グループホームでは夜勤で働く職場もあるため、睡眠不足や疲労がたまりやすくなるなど、不規則な生活になりがちです。もちろん、できる限り夜勤を回避して働くことができる施設もあります。ただ、夜勤に抵抗のない方のほうが、働きやすいことは確かです。
2. グループホームの主な仕事内容
グループホームでの仕事は、介助業務だけではなく、認知症を患う高齢者の方の生活サポートもメインの業務となります。具体的な仕事内容は、次のようなものがあります。
・生活サポート |
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利用者さんが自分自身でできることを判断した上で、食事や掃除、洗濯など、必要な部分をサポートします。 |
・外出サポート |
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食品・生活雑貨などの買い物や通院など、利用者さんの外出に付き添うのも仕事の一部です。 |
・健康チェック |
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体温や血圧、脈拍、呼吸などのバイタルチェックを毎日実施し、利用者さんの体調を管理します。 |
・介助 |
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食事や入浴、排泄に関して介助が必要な利用者さんのサポートを行います。 |
・夜間の確認 |
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呼び出しコールの対応や排泄の付き添い、徘徊のある利用者さんの見守りなどが、夜間に行う業務です。 |
・レクリエーション |
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グループホームでの体操やゲーム、歌などを企画し、運動能力や認知能力の維持・向上をサポートします。 |
2-1. グループホームで働く場合の1日のスケジュール
24時間体制のサポートが必要とされるグループホームでは、一般的に勤務時間はシフト制です。ここでは、日勤と夜勤における1日の流れを紹介しているため、参考にしてください。
時間 | 日勤の仕事内容 |
---|---|
8:30 | 出勤・ミーティングで引継ぎ事項の確認 |
9:00 | 掃除・洗濯・排泄介助 |
10:00 | 外出介助 |
11:00 | 昼食準備 |
12:00 | 食事介助・服薬介助・後片付け |
13:00 | 交代で休憩 |
14:00 | 入浴介助 |
15:00 | おやつの食事介助・後片付け・洗濯物の整理 |
16:00 | レクリエーション |
17:00 | 夕食準備 |
17:30 | 夜勤への連絡事項の引継ぎ・退勤 |
時間 | 夜勤の仕事内容 |
---|---|
17:00 | 出勤・ミーティングで日勤からの引継ぎ事項の確認 |
18:00 | 食事介助・服薬介助・後片付け |
19:00 | レクリエーション・コミュニケーション |
20:00 | 就寝準備 |
21:00 | 消灯 |
22:00 | 定期巡回・随時休憩 |
6:00 | 朝食準備・起床介助 |
7:00 | 食事介助・後片付け |
8:00 | 排泄介助・見守り |
9:00 | 日勤への連絡事項の引継ぎ・退勤 |
基本的には、利用者さんの通院予定などの都合に合わせて、日々臨機応変に対応する必要があります。
3. グループホームで働くメリット・デメリット
グループホームで介護職員として働くと、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。以下に詳しいメリット・デメリットの内容を記載しているため、転職を検討中の方は検討の材料にしてください。
【メリット】
無資格で経験がなくても働ける |
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施設によっては、介護福祉士の資格や実務経験を求められるケースもありますが、基本的には勤務条件として、資格や経験が問われません。生活サポートが主な仕事であるため、未経験の方も挑戦しやすいことが魅力です。 |
身体介助での負担が少ないケースが多い |
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グループホームでは比較的介護度が低い利用者さんが多く、身体介助の負担が少ないケースが多いです。また、施設の利用者数が少人数であるため、大規模な施設に比べて、体力的・精神的な負担が軽いと感じる方もいます。 |
【デメリット】
精神的なダメージを受けるケースがある |
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認知症介護では、時として利用者さんの言動を受け止めることに苦痛やストレスを伴うケースがあります。疾患の影響とは言え、精神的につらくなってしまう方も少なくありません。認知症の症状に関しての理解を深め、利用者さんの言動を重く受け止めすぎないことが大切です。 |
夜勤で1人になることがある |
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グループホームでは、夜勤に介護職員が1人になってしまうことがあり、責任が重く、不安に感じる方もいます。1人夜勤を避けたい場合は、夜2人体制の施設を探したり、日勤のみの施設を探したりするなどにより、対処できます。 |
グループホームの夜勤は大変?メリット・デメリットから注意点まで
4. 介護施設の種類はグループホーム以外も豊富!
介護業界で働きたい場合は、グループホームの他にもさまざまな施設があるため、特徴や違いを押さえておくとよいでしょう。ここでは、代表的な介護施設について、5つ紹介します。
施設名 | 特徴 |
---|---|
介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) |
65歳以上で、常時介護を必要とする要介護高齢者の方が利用できる、養護を目的とした施設です。 |
介護老人保健施設 | 要介護者に対し、機能訓練や医療、日常生活上のサポートを行い、在宅復帰を目標とした施設です。 |
介護療養型医療施設 | 医学的管理が必要な要介護高齢者の方の長期療養施設です。 |
サービス付き 高齢者向け住宅 |
60歳以上の方、または要介護・要支援認定を受けている方が利用できる住居で、生活相談や状況把握などの福祉サービスを提供する施設です。介護に関しては外部サービスを利用します。 |
有料老人ホーム | 高齢者の方に対し、介護をはじめ、食事、家事、健康管理のサービス提供を事業として行う施設です。 |
(出典:厚生労働省「施設・居住系サービスについて」
/
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000044903.pdf)
転職を考えているものの、「自分は、グループホームには向いてない」と感じる介護職員の方もいるのではないでしょうか。グループホーム以外にも転職先の選択肢があるため、求人情報をチェックして他の施設も検討することがおすすめです。
特別養護老人ホームの仕事内容は?施設概要・待遇・メリットも紹介
まとめ
グループホームでは、観察力やコミュニケーション能力に優れている方が、介護職員として向いている傾向にあります。また、夜勤対応に苦手意識の薄い方が施設では歓迎されます。反対に、認知症の方へのサポートに対して苦手意識のある方は、グループホームでの仕事に向いていないと言えるでしょう。
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※当記事は2022年9月時点の情報をもとに作成しています
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