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【秋田県】介護職員処遇改善加算の取得状況は?介護施策の状況も解説

公開日:2022.12.06 更新日:2022.12.07

秋田県の高齢化率は37.2%と全国で最も高い割合となっており、高齢者の生活を支える多数の介護人材が求められています。

(出典:内閣府「令和3年版高齢社会白書(全体版)」/https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2021/html/zenbun/index.html

実際に、秋田県では県や事業所が介護人材の確保に向けた施策を進めています。介護職員処遇改善加算の活用もその1つです。

当記事では、介護職員処遇改善加算の概要や、秋田県における介護職員処遇改善加算の取得状況を解説します。秋田県で転職を考えている人は、介護職員処遇改善加算が進んでいるのかどうか確認しておきましょう。

※本文では、介護職員処遇改善加算(Ⅳ・Ⅴ)のデータにも触れておりますが、介護職員処遇改善加算(Ⅳ・Ⅴ)は令和3年3月31日で廃止されており、令和3年3月31日時点で算定している事業所については、令和4年3月31日までの算定です。

そのため、介護職員処遇改善加算(Ⅳ・Ⅴ)のデータは参考値としてご参照ください。

1. 介護職員処遇改善加算とは?

介護職員処遇改善加算には、「介護職員処遇改善加算」と「介護職員等特定処遇改善加算」の2つの制度があります。

「介護職員処遇改善加算」とは、介護現場で働く職員の処遇を改善するために定められた介護報酬の加算制度です。加算要件を満たした事業所に対して国が資金を支給し、事業所はその資金を介護職員の賃金改善や環境整備に充当します。加算を受けるためには、キャリアパスに関する要件や、労働環境改善に関する要件を満たす必要があります。要件は加算(Ⅰ)から加算(Ⅲ)までの3つに区分され、加算(Ⅰ)が最も多くの要件を必要とする分、加算金額も高くなっています。

「介護職員等特定処遇改善加算」は、介護職員処遇改善加算に加えて2019年10月から始まった制度です。技能・経験のある介護スタッフの処遇改善を目的とし、介護職員処遇改善加算に上乗せした資金が支給されます。加算要件には、勤続10年以上の介護福祉士がいること、あるいは介護職員処遇改善加算の加算(Ⅰ)から(Ⅲ)のいずれかを取得していることなどが求められます。介護職員等特定処遇改善加算には加算(Ⅰ)と加算(Ⅱ)があり、加算(Ⅰ)のほうが多くの要件を必要とし、支給金額が高くなります。

1-1. 介護職員処遇改善加算における平均給与の推移

介護職員処遇改善加算が進められていることで、全国の介護職員の平均給与は改善傾向にあります。厚生労働省の調査によると、介護職員処遇改善加算を取得した事業所における介護職員の平均給与額は、前年比で15,730円の増加となっています。

また、勤務年数にかかわらず平均給与は増加傾向です。例えば、勤続年数1年の介護職員の平均給与は前年比で25,220円増加、勤続年数3年は13,890円増加、勤続年数10年以上は16,840円増加となっています。すべての勤務年数において給与は増加しており、特に勤続年数1年目の増加率が顕著です。

(出典:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案)」/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000689849.pdf

2. 秋田県における介護職員処遇改善加算の取得状況

介護職員処遇改善加算は、全国で9割以上の事業所が取得している状況です。介護職員等特定処遇改善加算についても、6割以上の事業所が取得しています。では、秋田県では介護職の処遇改善はどのくらい進んでいるのでしょうか。

ここからは、秋田県の介護職員処遇改善加算および介護職員等特定処遇改善加算の取得状況、加算取得後の対応状況を解説します。

2-1. 【厚生労働省】介護給付費等実態統計をもとにした取得状況

まずは、秋田県の介護職員処遇改善加算の取得状況を紹介します。下記は、東京都福祉保健局「介護職員処遇改善加算等取得促進支援事業に係る取組事例集」をもとにまとめた表です。なお、数値は厚生労働省の「介護給付費等実態統計」より算出されています。

【北海道・東北地方】介護職員処遇改善加算の取得状況(令和3年1月サービス提供分) 単位(%)
加算(Ⅰ) 加算(Ⅱ) 加算(Ⅲ) 加算(Ⅳ) 加算(Ⅴ) 合計
全国平均 80.0 7.1 5.3 0.2 0.3 92.9
北海道 79.7 7.5 5.1 0.2 0.1 92.7
青森県 83.4 7.6 3.6 0.1 0.3 95.0
岩手県 78.9 9.4 5.6 0.2 0.0 94.1
宮城県 80.6 9.1 4.3 0.1 0.3 94.4
秋田県 87.5 6.4 2.6 0.1 0.2 96.8
山形県 88.9 4.2 2.9 0.1 0.3 96.4
福島県 79.6 8.7 5.5 0.1 0.1 94.0

(引用:東京都福祉保健局「介護職員処遇改善加算等取得促進支援事業に係る取組事例集」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/shogu/R3_shoguu.files/jirei_torikumi.pdf/引用日2022/3/1)
※加算(Ⅳ・Ⅴ)については、令和3年3月末時点で同加算を算定している事業者について、1年の経過措置を設けた上で、令和2年度で廃止されています。

秋田県の介護職員処遇改善加算の取得状況は、全国平均や近隣県と比較して最も高い水準です。秋田県では高齢化が深刻であり、人材確保に向けて積極的に介護職員処遇改善加算の届出を行っていることが分かります。

次に、秋田県の介護職員等特定処遇改善加算の取得状況を紹介します。

【北海道・東北地方】介護職員等特定処遇改善加算の取得状況(令和3年1月サービス提供分) 単位(%)
加算(Ⅰ) 加算(Ⅱ) 合計
全国平均 32.0 34.3 66.4
北海道 37.6 28.3 66.0
青森県 45.4 18.6 64.0
岩手県 44.8 22.3 67.1
宮城県 36.8 35.6 72.4
秋田県 46.5 25.2 71.7
山形県 50.5 20.0 70.5
福島県 36.4 27.9 64.2

(引用:東京都福祉保健局「介護職員処遇改善加算等取得促進支援事業に係る取組事例集」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/shogu/R3_shoguu.files/jirei_torikumi.pdf/引用日2022/3/1)

秋田県の介護職員等特定処遇改善加算の取得状況は全国平均を上回り、宮城県に次いで高い水準です。特に多くの要件を満たす必要のある加算(Ⅰ)の取得割合が高く、ベテランスタッフの処遇改善にも前向きに取り組んでいることが分かります。

2-2. 【公益財団法人介護労働安定センター】介護労働実態調査結果をもとにした対応状況

続いて、公益財団法人介護労働安全センターのデータをもとに、秋田県の介護職員処遇改善加算の対応状況を解説します。公益財団法人介護労働安全センターは、介護労働者の雇用管理の改善、能力の開発・向上、福祉の向上などを目的とした支援機関です。

秋田県を含む北海道・東北地方の介護職員処遇改善加算の対応状況は下記の通りです。

【北海道・東北地方】介護職員処遇改善加算の算定及び対応状況(令和2年度) 単位(%)
諸手当の導入・引き上げ 一時金支給 基本給引き上げ
全国平均 61.6 57.6 35.3
北海道 62.7 55.0 32.6
青森県 64.2 59.1 34.3
岩手県 59.1 56.8 30.7
宮城県 58.5 55.9 34.7
秋田県 64.9 46.8 34.0
山形県 68.0 48.0 41.3
福島県 68.2 48.2 24.5

(出典:公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html

秋田県は、諸手当の導入・引き上げが64.9%と全国や近隣県と比べても高く、一時金や基本給より諸手当の改善に特に力を入れていることが分かります。

下記は、秋田県を含む北海道・東北地方の介護職員等特定処遇改善加算の対応状況をまとめた表です。

【北海道・東北地方】介護職員等特定処遇改善加算の算定及び対応状況(令和2年度) 単位(%)
職員全体の処遇改善 経験・技能のある介護職員の処遇改善 介護職員全体の処遇改善
全国平均 38.5 31.4 29.2
北海道 38.1 32.0 29.4
青森県 35.7 31.0 33.3
岩手県 41.9 33.9 22.6
宮城県 29.3 28.0 42.7
秋田県 50.0 22.1 26.5
山形県 31.9 44.7 23.4
福島県 43.5 23.2 33.3

(出典:公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html

秋田県では、職員全体の処遇改善の割合が全国や近隣県と比べてトップです。資格・経験・業務内容によって処遇を改善するのではなく、全職員の待遇を底上げすることに注力していると言えます。

3. 秋田県が実施する介護施策の状況

秋田県では、介護人材の需要拡大に応えるため、中高生や中高年に対する介護体験の実施など、さまざまな人材が介護業界に流入するよう働きかけています。また、介護職の人材育成・処遇改善に取り組む事業所を視覚化する「介護サービス事業所認証評価制度」を設け、人材の確保と定着に取り組んでいることも秋田県の特徴です。

介護職の待遇改善を目的に、介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算の取得を目指す事業者向けのセミナーも開催しているため、双方の取得率は今後も100%に向けて上がっていくでしょう。

(出典:秋田県「秋田県第8期介護保険事業支援計画・第9期老人福祉計画」/https://www.pref.akita.lg.jp/pages/archive/56709

3-1. 【秋田県】介護職員処遇改善加算を取得している傾向にある施設は?

最後に、厚生労働省の「介護給付費等実態統計」から、秋田県で特に介護職員処遇改善加算の取得率が高い施設を紹介します。

訪問入浴介護
訪問入浴介護とは、寝たきりなどの理由でお風呂に入るのが難しい要介護者に対し、自宅に浴槽を持ち込んで入浴を介助するサービスです。介護職員2名と看護師1名で訪問し、体温・血圧などの測定、入浴時の衣服の着脱などを行います。

介護老人保健施設
介護老人保健施設とは、要介護者の在宅復帰を支援する施設です。医師による管理の下、看護・介護ケアのほか、作業療法士や理学療法士によるリハビリを行います。また、食事介助や入浴介助、機能訓練など、日常生活もサポートします。

ただし、すべての訪問入浴介護・介護老人保健施設で介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)を取得しているとは限りません。詳細は各事業所のホームページで確認しましょう。

「マイナビ介護職」では、求職者様のニーズに合わせて転職活動を支援しております。高収入の求人や、充実した手当のある求人など、ご希望に沿って求人をご紹介いたしますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

秋田県の介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算の取得状況は、全国平均と比較して高水準です。また、取得後の対応状況では、諸手当の引き上げや職員全体の処遇改善が全国よりも多くなっています。そのため、秋田県は収入アップを目的とした転職活動に適しているエリアと言えるでしょう。

秋田県で転職を検討している場合は「マイナビ介護職」をぜひご利用ください。求職者様に合う転職先をご提案するなど、スムーズに内定が得られるようサポートさせていただきます。

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※当記事は2021年11月現在の情報をもとに作成しています

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