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【富山県】介護職員処遇改善加算の取得状況は?介護施策の状況も解説

公開日:2022.12.06 更新日:2022.12.07

富山県は、県全体の人口減少の影響もあり、2020年をピークに高齢者数は減少すると推計されています。しかし、少子高齢化の加速により高齢化率は上昇傾向です。2025年には要介護認定を受ける65歳以上の割合は約36%となり、県民の3人に1人が該当すると予測されています。富山県の世論調査では、県政への要望の上位に高齢者福祉の充実を求める声が3年連続でランクインしており、医療や介護への関心と問題意識の高さがうかがえます。

(出典:富山県「本県の高齢化の状況と高齢者保健福祉等の状況」/https://www.pref.toyama.jp/documents/3570/01517907.pdf

また、富山県は介護職員処遇改善加算の取得率が高く、全国的に見ても介護職の処遇改善に意欲的な施設が多い地域です。この記事では、富山県の介護職員処遇改善加算について分かりやすく解説します。

※本文では、介護職員処遇改善加算(Ⅳ・Ⅴ)のデータにも触れておりますが、介護職員処遇改善加算(Ⅳ・Ⅴ)は令和3年3月31日で廃止されており、令和3年3月31日時点で算定している事業所については、令和4年3月31日までの算定です。

そのため、介護職員処遇改善加算(Ⅳ・Ⅴ)のデータは参考値としてご参照ください。

1. 介護職員処遇改善加算とは?

介護職員処遇改善加算とは、介護職員の賃金改善を目的とした厚生労働省が制定する加算制度です。「介護職員処遇改善加算」と「介護職員等特定処遇改善加算」の2つがあります。

・介護職員処遇改善加算
介護職員処遇改善加算は、2012年から運用が開始された介護報酬の加算制度です。事業所が加算届や計画書を申請し、提出先の自治体が審査を行います。加算率を決定する基準は「キャリアパス要件」と「職場環境等要件」の2つです。加算(Ⅰ)~(Ⅲ)の3つの区分でそれぞれ要件が定められております。

・介護職員等特定処遇改善加算
介護職員等特定処遇改善加算は、2019年に追加で制定された介護報酬の加算制度です。人材の定着を目的に、技能や経験のあるリーダークラスの介護職員の処遇改善を行います。基本対象は勤続年数が10年以上の介護福祉士であり、リーダークラスの対象者のうち1人以上が月額8万円または年収440万円以上となるように加算を配分することが定められています。

1-1. 介護職員処遇改善加算における平均給与の推移

厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案)」では、介護職員処改善加算が運用された介護職員の平均給与の推移を確認できます。介護職員処遇改善加算が適用されている事業所では、2019年から2020年の1年間で介護職員の平均給与が月額15,730円の上昇となりました。

また、月給・常勤の職員だけではなく、時給制や非常勤の介護従事者の平均給与も2019年から2020年で5,750円の上昇となっています。介護職員処遇改善加算の導入で、介護従事者全体の賃金改善につながっていると言えるでしょう。

(出典:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要(案)」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000689849.pdf

2. 富山県における介護職員処遇改善加算の取得状況

富山県では、介護職員処遇改善加算と介護職員等特定処遇改善加算の取得率が、全国平均を上回っている状況です。どちらも加算(Ⅰ)の取得率が非常に高いため、富山県で就職すれば加算による収入アップが期待できるでしょう。

ここからは、富山県の介護職員処遇改善加算の取得状況を全国や北陸・甲信越地方と比較して解説します。

2-1. 【厚生労働省】介護給付費等実態統計をもとにした取得状況

下記では、厚生労働省の「介護給付費等実態統計」をもとに、2021年1月時点の全国と北陸・甲信越地方の介護職員処遇改善加算の取得状況をまとめています。

【北陸・甲信越地方】介護職員処遇改善加算の取得状況(令和3年1月サービス提供分) 単位(%)
加算(Ⅰ) 加算(Ⅱ) 加算(Ⅲ) 加算(Ⅳ) 加算(Ⅴ) 合計
全国平均 80.0 7.1 5.3 0.2 0.3 92.9
新潟県 82.0 7.2 7.1 0.2 0.1 96.5
富山県 86.7 3.5 4.7 0.0 0.1 95.0
石川県 88.9 3.5 2.0 0.2 0.1 94.6
福井県 81.0 6.6 4.4 0.1 0.9 92.9
山梨県 78.8 6.8 4.7 0.6 0.0 91.0
長野県 81.4 6.5 4.3 0.1 0.3 92.6

(引用:東京都福祉保健局「介護職員処遇改善加算等取得促進支援事業に係る取組事例集」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/shogu/R3_shoguu.files/jirei_torikumi.pdf/引用日2022/3/2)
※加算(Ⅳ・Ⅴ)については、令和3年3月末時点で同加算を算定している事業者について、1年の経過措置を設けた上で、令和2年度で廃止されています。

富山県の介護職員処遇改善加算の取得率は、全国平均よりも6.7%高く、北陸・甲信越地方の中でも高い水準です。特に、加算額の大きい加算(Ⅰ)の取得率が高いことから、多くの職場で職員の処遇改善を行っていることがうかがえます。

下記は、2021年1月時点における北陸・甲信越地方の介護職員等特定処遇改善加算の取得状況をまとめた表です。

【北陸・甲信越地方】介護職員等特定処遇改善加算の取得状況(令和3年1月サービス提供分) 単位(%)
加算(Ⅰ) 加算(Ⅱ) 合計
全国平均 32.0 34.3 66.4
新潟県 49.5 23.7 73.1
富山県 46.5 29.8 76.3
石川県 50.4 30.3 80.7
福井県 46.2 25.9 72.1
山梨県 28.2 37.8 66.0
長野県 41.0 28.5 69.5

(引用:東京都福祉保健局「介護職員処遇改善加算等取得促進支援事業に係る取組事例集」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kourei/hoken/shogu/R3_shoguu.files/jirei_torikumi.pdf/引用日2022/3/2)

富山県の介護職員等特定処遇改善加算の取得率は全国平均より約10%も高くなっています。約半数近くの事業所が加算(Ⅰ)を取得していることから、経験のある熟練の介護スタッフの待遇改善にも前向きに取り組む職場が多いと分かります。

2-2. 【公益財団法人介護労働安定センター】介護労働実態調査結果をもとにした対応状況

「公益財団法人介護労働安定センター」は、介護労働に関する総合的な支援機関として1992年に設立された厚生労働省管轄の公益法人です。同センターでは、職場の環境改善を目的として労働実態を把握するために、介護事業所と労働者を対象にした「介護労働実態調査」を実施しています。

下記では、公益財団法人介護労働安定センターの「介護労働実態調査」をもとに、2020年度の全国と北陸・甲信越地方の介護職員処遇改善加算の対応状況をまとめています。

【北陸・甲信越地方】介護職員処遇改善加算の算定及び対応状況(令和2年度) 単位(%)
諸手当の導入・引き上げ 一時金支給 基本給引き上げ
全国平均 61.6 57.6 35.3
新潟県 61.1 51.1 38.2
富山県 61.6 54.7 41.9
石川県 60.9 51.7 31.0
福井県 62.7 52.2 34.3
山梨県 48.4 54.8 25.8
長野県 61.4 56.7 44.1

(出典:公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html

富山県では、手当の導入・引き上げという形で介護職員処遇改善加算による賃金改善を図ることが多い傾向にあります。また、半数以上の事業所が一時金を支給しています。基本給の引き上げはほかの方法と比べると低い対応となりますが、全国平均の35.3%を上回っているため、富山県では基本給のベースアップを図る事業所が比較的多いことも特徴です。

下記では、介護職員等特定処遇改善加算の対応状況をまとめています。

【北陸・甲信越地方】介護職員等特定処遇改善加算の算定及び対応状況(令和2年度) 単位(%)
職員全体の処遇改善 経験・技能のある介護職員の処遇改善 介護職員全体の処遇改善
全国平均 38.5 31.4 29.2
新潟県 46.3 17.5 36.3
富山県 40.3 30.6 29.0
石川県 45.9 24.3 27.0
福井県 47.9 29.2 22.9
山梨県 40.9 40.9 18.2
長野県 41.9 38.7 18.3

(出典:公益財団法人介護労働安定センター「―令和2年度 介護労働実態調査結果について―」/http://www.kaigo-center.or.jp/report/2021r01_chousa_01.html

富山県では、職員全体の処遇改善が全国平均を上回り、職種に関わらずリーダークラスの賃金アップが図られていることが分かります。その一方で、経験・技能のある介護職員と介護職員全体の処遇改善は全国同等です。富山県の事業所では、勤続年数の長いさまざまな人の賃金改善が行われていると言えるでしょう。

3. 富山県が実施する介護施策の状況

富山県では、今後20年間において介護ニーズの高い75歳以上・85歳以上の人口が急速に増加すると見込まれる中、現役世代の減少は著しく、高齢者を支える人材の確保は急務です。そこで、福祉人材育成の一貫として、ホームヘルパーやケアマネージャーなどの資格取得サポートを推進しています。

また、2012年に介護職員処遇改善加算の運用が始まってから、介護職員処遇改善等支援臨時特例基金を設置し、介護従事者の処遇改善に取り組む事業所を支援してきました。県全体で介護業界の労働環境改善が積極的に行われているため、介護従事者にとって働きやすい環境が整えられていくでしょう。

(出典:富山県「富山県高齢者保健福祉計画・第8期介護保険事業支援計画」/https://www.pref.toyama.jp/1211/kurashi/kenkou/iryou/kj00003938.html

3-1. 【富山県】介護職員処遇改善加算を取得している傾向にある施設は?

富山県にはさまざまな種類の介護サービスや事業所があります。その中でも、厚生労働省「介護給付費等実態統計」において介護職員処遇改善加算の取得率が80%以上と高い水準のサービスを2つ紹介します。

短期入所生活介護
短期入所生活介護は、通常は自宅で介護を受けている人を短期的に受け入れ、介助を行うサービスです。食事や入浴、排泄などの生活支援、身体介助、リハビリなどを行います。ショートステイとも呼ばれており、入所できる期間は連続で最長30日までです。

特定施設入居者生活介護
特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の認定施設で受けられる介護サービスです。食事介助・入浴介助などの日常生活の介護や、機能訓練なども行います。利用者に対する介護従事者の割合が行政によって定められており、一人ひとりに向き合った介護ができます。

転職を希望する施設が介護職員処遇改善加算を取得しているかどうかは、事業所のホームページで確認してみるとよいでしょう。給与などの待遇を比較したい場合は「マイナビ介護職」にご相談ください。マイナビ介護職では、待遇のよい優良求人を多数掲載しており、ご希望の勤務地や条件に沿った求人をご提案し、就職活動をサポートいたします。

まとめ

富山県では、介護職員処遇改善加算の取得が積極的に進んでいます。事業所が介護職員処遇改善加算を取得しているかどうかによって、月額の給与が変わってきます。介護職員処遇改善加算の取得の有無は、事業所の公式サイトなどを確認しましょう。

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※当記事は2021年11月現在の情報をもとに作成しています

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