介護職員初任者研修とは?修了するメリット・取得方法を紹介
介護職員初任者研修とは、介護の仕事を行う上で求められる基本的な知識や技術について、体系的に学べる研修です。かつては、ホームヘルパー2級という名称でした。現在は、制度改革により、ホームヘルパーに限定されない介護の知識・技術を学ぶ意味で、介護職員初任者研修となっています。
この記事では、介護職員初任者研修の概要や、介護福祉士実務者研修との違いについて解説します。また、介護職員初任者研修を修了するメリットや履歴書への書き方についても取り上げるため、介護の仕事に興味のある方は、ぜひご覧ください。
目次
- 2. 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を修了するメリット
- 2-1. 応募できる求人の幅が増える
- 2-2. できる仕事が増える
- 2-3. 収入アップ・キャリアアップを期待できる
- 2-4. 高い将来性がある
- 2-5. 家族など身近な人の介護にも役立つ
1. 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)とは
介護職員初任者研修とは、はじめて介護の仕事を目指す人向けに作られた、介護職としてのスタート資格です。2013年4月にホームヘルパー2級から移行して新設されました。
在宅や施設を問わず、介護職として働く上で必要となる介護の基礎から応用までを学ぶことができます。介護の仕事をするのであれば、最初に取得したい資格といえるでしょう。
研修内容は、ホームヘルパー2級とあまり変わりありません。しかし、ホームヘルパー2級で行われていた施設実習はなくなり、その代わりに実技時間が増え、すべての授業が終了した後に修了評価が行われるようになりました。修了評価に合格すると、介護職員初任者研修の資格を得ることができます。
「介護職系の給料・年収について/初任者研修(旧ホームヘルパー2級)とは」
1-1. 介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修との違い
介護福祉士実務者研修は介護職員初任者研修の上位資格であり、以下のような差があります。
◯介護福祉士の受験資格
実務経験を積みながら介護福祉士国家資格を取得するためには、介護福祉士実務者研修の修了が必須条件です。介護職員初任者研修は、資格を取得する条件には当てはまりません。
◯サービス提供責任者の条件
介護福祉士実務者研修を修了していれば、訪問介護事業所の「サービス提供責任者」として働けます。介護職員初任者研修ではサービス提供責任者になることができません。
◯受講科目の差
介護福祉士実務者研修を修了するためには、20科目450時間の受講が必要となります。介護職員初任者研修の場合は、9科目130時間が必要です。
◯修了試験の有無
介護職員初任者研修では、研修修了時に修了評価が行われます。介護福祉士実務者研修では、研修修了時に試験がありません。
なお、介護福祉士実務者研修を受講する際、介護職員初任者研修を修了していれば一部の科目が免除されます。
1-2. 介護職員初任者研修と旧ホームヘルパー2級との違い
2013年4月に介護資格制度の見直しが行われ、旧ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修に名称変更されました。旧ホームヘルパー2級から介護職員初任者研修へ名称が変わったことによる主な変更点は、下記の通りです。
・施設実習の廃止
・修了試験の実施
・スクーリング時間の増加
・認知症ケア科目の追加
介護職員初任者研修に名称変更された主な理由は、下記の通りです。
・介護人材の安定的確保と資質向上を目指すため
・介護キャリアパスを明確化するため
2011年1月に公表された厚生労働省の報告書には、高齢化が進む日本において介護人材の安定的確保と資質向上は大きな課題であると記載されています。
介護人材の安定的確保には、「介護職=生涯続けられる仕事」であると理解してもらうことが大切です。名称変更により、初任者研修修了者・介護福祉士・認定介護福祉士とステップアップできる介護人材のキャリアパスが明確になりました。
(出典:厚生労働省「今後の介護人材養成の在り方について(報告書)」 / https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000010pzq-att/2r98520000010qse.pdf)
(出典:厚生労働省「今後の介護人材養成の在り方について(概要)」 / https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000010pzq-att/2r98520000010q6k.pdf)
介護職員初任者研修では、在宅や施設での介護に役立つ介護の基礎知識や技術を習得できます。介護職員初任者研修は、介護に興味がある方が挑戦しやすい入門資格です。
2. 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を修了するメリット
訪問介護事業所などでホームヘルパーとして働く場合、介護資格が必要です。それ以外で介護業務を行う場合、無資格の人は「認知症介護基礎研修」を受講する必要があります。認知症介護基礎研修は1日で終えることができる研修になります。介護職員初任者研修を修了し、有資格者となることで、応募できる求人の増加や収入アップが期待できるなど、いくつものメリットがあります。
ここでは、介護職員初任者研修を修了する5つのメリットを紹介します。
2-1. 応募できる求人の幅が増える
介護職員初任者研修を修了するメリットは、応募できる求人の幅が増えることです。
介護職員数の足りていない事業所は多く、求人数もたくさんあるため、勤務先を見つけるだけであればさして難しくはありません。
しかし、より給与の高い求人情報や待遇の良い介護施設の場合、即戦力を求める意味でも介護職員初任者研修の修了を応募条件に加えていることが多くあります。
介護職員初任者研修を修了することで、経験が少なくとも希望の条件にかなう求人に応募しやすくなるといえます。
2-2. できる仕事が増える
介護職員初任者研修を修了していると、仕事を見つけやすいだけでなく任せられる仕事の幅も広がります。
無資格者が介護施設で働く場合、有資格者の業務サポートや掃除・洗濯などの業務が中心となる場合がほとんどです。一方、介護職員初任者研修の資格を持っていると、身体介護を含む業務も対応できます。
まずは介護職員初任者研修を修了し、対応できる仕事内容を増やしましょう。
介護職員初任者研修を修了すると、訪問ヘルパーや介護タクシーなどで働くこともできます。資格取得により職場の選択肢が広がることも大きなメリットです。
2-3. 収入アップ・キャリアアップを期待できる
収入アップ・キャリアアップを期待できることも、介護職員初任者研修を修了するメリットです。
介護事業所によっても異なりますが、介護職員初任者研修の修了者に資格手当が支給される場合があります。
介護職員初任者研修で得た技術や知識を現場で活かし、経験を積むことによって事業所内でキャリアを高めることも可能です。
また、介護福祉士実務者研修を受講するときに介護職員初任者研修を修了していると、一部の科目に関して免除があり、期間も短縮して受けられます。
収入アップを望む人や将来的に介護福祉士を目指す人にとって、介護職員初任者研修の修了は有利となるでしょう。
2-4. 高い将来性がある
日本における介護職員の必要数は、年々増加傾向にあります。また、介護の世界は高齢化に伴い今後も高い需要がある業界です。厚生労働省が公表したデータによると、2040年には約280万人の介護職員が必要となります。2019年度の介護職員数より約69万人増える計算です。
(出典:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」/
https://www.mhlw.go.jp/content/12004000/000804129.pdf)
介護職は、就職・転職後に長く続けられる仕事です。介護職員初任者研修の資格を取得しておき、ライフプランに合わせて将来介護職に就くという方法もあります。
(出典:厚生労働省「介護人材確保に向けた取り組み」/ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_02977.html)
2-5. 家族など身近な人の介護にも役立つ
介護職員初任者研修を受けることで、家族など身近な人の介護にも役立つこともメリットです。
家族が要介護状態となった際、自分自身で面倒を見る場合・介護サービスを利用する場合のどちらであっても、介護計画を立てやすかったり方針を理解しやすかったりします。
介護職員初任者研修の授業で身につく技術や知識は、仕事だけでなく身近な人に介護が必要となった際にも大いに役立つでしょう。
3. 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の合格率
介護職員初任者研修の合格率は明らかにされていませんが、基本的に受講した人のほとんどが修了できています。修了評価の難易度はそれほど高くはなく、どちらかといえばベッドや車いすを使って行う実技演習のほうが難しいと感じる人が多い傾向です。
実際の介護現場を想定した介助を行うため、介護の経験がない場合は上手にバランスが取れないことや体力がついていかないことがあります。
もっとも、回数を重ねて要領をつかめれば、実技もスムーズに行えるようになりますので、さほど心配はいりません。
4. 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の取得方法
介護職員初任者研修の修了証を取得する方法には、通学講座か通信講座の2種類がありますが、履修内容は同じです。
介護職員初任者研修の資格取得には、厚生労働省によって実技を含んだ9科目130時間の受講が定められているため、完全な独学で資格を取得することはできません。
ここでは、通学講座と通信講座それぞれでの取得方法を解説します。
4-1. 通学講座で取得する方法
通学講座で介護職員初任者研修を受講する場合、週5日通うコースであれば、最短1か月程度で資格の取得が可能となります。
通学の場合は、同じ目的を持った受講生同士で切磋琢磨できるため、モチベーションを維持しやすくなることがメリットです。
カリキュラムの組み方は、講座を開講するスクールや選択するコースによって異なります。
働きながら資格取得を目指す場合は土日だけ、資格を取得してから働く場合は毎日通うなど、都合に合わせて講座を選択しましょう。
できるだけ短期間で介護職員初任者研修の取得を目指す人は、通学講座がおすすめです。
4-2. 通信講座で取得する方法
通信講座で介護職員初任者研修を受講する場合、自宅学習の期間があるため、通学講座よりも数か月間長い受講期間が必要となります。
通信の場合は、空き時間を利用して場所を気にせず学べることがメリットです。
ただし、通信講座といっても、自宅での学習が認められている内容は全カリキュラム130時間のうち、講義部分の一部である40.5時間までとなっています。残りの講義や実技に関しては必ず通学して履修しなければなりません。すべて自宅学習になるわけではないので注意しましょう。
通学講座よりは時間の都合をつけやすいため、近所にスクールがない人や自分のペースで現在の仕事や家事と両立させたい人に向いています。
5. 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の受講・受験資格
介護職員初任者研修は初心者向けの研修ということもあり、誰でも受講することができます。受講すると、介護の仕事に必要な知識や技術、考え方を身につけることができ、基本的な介護業務を行えるようになります。
身体介護を行うための知識や技術はもちろん、認知症についても学ぶことが可能です。介護職を続けていくために、ぜひ受講したい研修といえるでしょう。
6. 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)のカリキュラム
介護職員初任者研修は、厚生労働省の指針により介護職員としての基礎知識を学ぶためのカリキュラムが定められています。下記は、各研修科目の自宅学習の上限時間と総受講時間、受講内容の概要です。
研修科目 | 自宅学習の上限時間 | 総受講時間 |
---|---|---|
職務の理解 | 0時間 | 6時間 |
介護の意味や介護職としての仕事やサービスを理解し、介護に関する知識を深める。例えば、在宅サービスや施設サービスの種類や内容について学ぶことになる。 | ||
介護における尊厳の保持・自立支援 | 7.5時間 | 9時間 |
被介護者の人権を守るために、介護職としてすべきこと・してはならないことを学ぶ。例えば、虐待防止や意思表示が難しくなった認知症の利用者に対してどのような制度やサービスがあるかなどを学んでいく。 | ||
介護の基本 | 3時間 | 6時間 |
介護福祉業界の現状や社会における介護職の必要性、リスクマネジメントや安全確保について学ぶ。利用者の体調管理に加え、介護職のこころとからだの管理などについても学ぶ。 | ||
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 7.5時間 | 9時間 |
介護保険制度の仕組み・医療との連携・障害福祉サービスについて理解を深める。被介護者が利用する法制度(介護保険法・障害者総合支援法など)について深く学んでいく。 | ||
介護におけるコミュニケーション技術 | 3時間 | 6時間 |
介護現場におけるコミュニケーションの重要性・目的・役割・意義を学ぶ。被介護者とのコミュニケーション方法に加え、チームの連携・チーム内コミュニケーションについても学ぶ。 | ||
老化の理解 | 3時間 | 6時間 |
老化による身体機能の低下や代表的な病気の症状、心情の変化について学ぶ。被介護者が高齢者であった場合、その身体的精神的特徴や病気についての簡単な医学的知識を学ぶ。 | ||
認知症の理解 | 3時間 | 6時間 |
認知症を取り巻く環境や社会問題を踏まえて、認知症の種類や特徴を把握し理解を深める。認知症利用者や家族に対する支援についても深く学んでいく。 | ||
障害の理解 | 1.5時間 | 3時間 |
医学的側面から障害者の生活における障害・行動の特徴などの基礎知識を学び、被介護者や家族の心理的特徴・支援の仕方について理解を深める。障害の内容や支援方法についても合わせて学ぶ。 | ||
こころとからだのしくみと生活支援技術 | 12時間 | 75時間 |
日常生活の支援に必要な食事・移動・排泄・入浴などの基本的な介助方法、終末期介護への向き合い方、介護者にかかる身体の負担を軽減する方法を学ぶ。車いすやベッド、ポータブルトイレなどの福祉用具を使い、利用方法や介護の方法を演習形式で学ぶ。 | ||
振り返り | 0時間 | 4時間 |
研修全体で学んだことの再確認を行う。これまで学んできた内容についてのまとめとなる。 | ||
合計 | 40.5時間 | 130時間 |
(出典:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」/ https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/kaigoinnyouseikennsyuu.pdf)
すべてのカリキュラム修了後に、修了評価が実施されます。試験時間は1時間以上、定められた点数を獲得すると合格となり、修了証明書交付を受けて終了です。学習内容さえ理解していれば十分に通過できる上、ほとんどのスクールで追試を受けられます。
7. 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)取得費用の相場
介護職員初任者研修の取得費用はスクールによって大きく異なり、6万円〜15万円程度となっています。費用が安くてもカリキュラム自体に差はありません。しかし、講師陣のレベルや欠席時の振替、会場の通いやすさなどに差があるため、自分に合った学校を選ぶようにしましょう。
介護職員初任者研修は一般教育訓練給付金もしくは特定一般教育訓練給付金の対象となっているため、指定されているスクールに通い、条件に当てはまれば特定一般教育訓練給付金の場合は費用の40%、一般教育訓練給付金の場合は20%が戻ってきます。支給額には上限がありますので、申請前に確認してみましょう。
また、独自の割引を行うスクールも多く、自治体によっては受講費用を助成してもらうことができます。助成される額の割合は各自治体によって異なるため、自治体に確認してみると良いでしょう。
さらに、介護職員初任者研修はハローワークでも職業訓練として行われています。職業訓練の場合は、受講費用は無料となり教材費のみが実費となります。
求職中で時期が合えば、もっとも安い費用で資格を取得することができるでしょう。
8. 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を仕事で活かす
介護職員初任者研修を取得すると、ホームヘルパーとして「身体介護」「生活援助」を行うことができます。また、基本的に資格が不要とされている特別養護老人ホームなどの介護施設においても、介護職員初任者研修の資格は、確かな介護の知識と技術を持っている証となるため、就職でも有利となるでしょう。
また、介護職員初任者研修の修了だけでは介護福祉士国家試験の受験資格にはならないものの、上位資格である介護福祉士実務者研修を修了すれば、実務経験を3年積むことによって介護福祉士の受験資格を得ることができます。
介護の仕事に興味のある人は、最初の一歩として介護職員初任者研修の受講を検討してみましょう。
9. 介護職員初任者研修の履歴書への書き方
介護職員初任者研修を修了した方は、就職時や転職時に履歴書の免許・資格欄に記載できます。履歴書のような正式な書類の場合は、「初任者研修」などと略さずに正式名称での記載が必須です。
介護職員初任者研修の履歴書への書き方例は、下記の通りです。
年 | 月 | 免許・資格 |
---|---|---|
令和5 | 3 | 介護職員初任者研修課程 修了 |
資格名称だけでなく、資格取得年月日も忘れずに記載します。ほかにも記載できる免許・資格がある場合は、取得順に記載しましょう。
介護職員初任者研修を受講中の場合は、「介護職員初任者研修課程 修了見込み」と記載することで、今後取得予定であることをアピールできます。修了証が手元に届いていない場合も同様です。
より詳しい介護職員初任者研修の履歴書への書き方は、下記の記事で解説しています。
9-1. 旧ホームヘルパー2級取得者の場合
旧ホームヘルパー2級取得者は、履歴書に「訪問介護員養成研修2級課程 修了」と記載します。旧ホームヘルパー2級はあくまで通称であり、正式名称ではないため注意しましょう。
旧ホームヘルパー2級取得者の中には、免許・資格欄に「介護職員初任者研修課程 修了」と記載してしまう方がいます。しかし、2つは別の資格であるため、自分が取得した資格の名称で記載する必要があります。
旧ホームヘルパー2級の資格も介護職員初任者研修と同様に介護職で大きな強みとなるため、履歴書に正しく記載して、自分のスキルのアピールに役立てましょう。
10. 介護職員初任者研修に関するよくある質問
介護職員初任者研修のメリットや取得方法、費用相場などが分かっていても、いざ取得を目指すとなると不安な気持ちになる方も少なくありません。介護職員初任者研修の取得を目指すにあたり、気になることや疑問は事前に解決しておきましょう。
介護職員初任者研修に関するよくある質問と解答は、以下の通りです。
(1)独学で資格を取得できる?
独学で介護職員初任者研修の取得はできません。資格取得には決められた研修を受講し、全課程修了後に試験に合格する必要があります。「通学」または「自宅学習と通学の併用」で資格取得を目指しましょう。
(2)高校生でも取得できる?
介護職員初任者研修の取得は、高校生でも可能です。特に年齢制限はないため、誰でも資格取得を目指せます。ただし、受講するスクールによっては、年齢制限が設けられています。また、未成年者の場合は、保護者の同意が必要です。
(3)外国人でも受講できる?
介護職員初任者研修の受講に国籍の制限はありません。ただし、多くのスクールでは日本語で研修が行われるため、日本語の読み書きや全課程を自分で理解できるだけのコミュニケーションスキルが必要です。
(4)レポートが苦手でも取得できる?
介護職員初任者研修では、レポートを提出する機会があります。レポートの作成が苦手な方であっても、スクールでは講師に質問する機会が設けられているため、問題なくレポート作成に取り組めます。
(5)働きながら取得できる?
介護職員初任者研修は、働きながら取得することも可能です。働きながら受講する場合は、仕事の時間に支障をきたさないコースを選びましょう。例えば、夜間通学コースや週1回のペースで通学できるコースがあります。
(6)どのような服装で研修に参加するべき?
実技演習の服装は、スクール側から指示があります。上はポロシャツやTシャツ、下はジャージやスウェットなど動きやすい服装が一般的です。足元はスニーカーや運動靴が適しています。
また、派手なアクセサリーやメイクなどは避け、髪の毛が長い方は結んでおきます。相手の身体を傷付けたり不快感を与えたりすることがないように、服装や身だしなみに注意しましょう。
(7)修了評価(筆記試験)の内容は?
全課程修了後の試験は、受講内容やレポート課題の範囲から出題されます。学習した内容を復習することで合格できるため、難易度はそれほど高くありません。厚生労働省が示す修了評価に関する規定は、以下の通りです。
【修了評価に関する規定】
研修の修了評価については、研修修了者の質の確保を図る観点から、厳正に行われる必要があることに留意すること。
全科目の修了時に、別添1の『各科目の到達目標、評価、内容』において定める「修了時の評価ポイント」に沿って、各受講生の知識・技術等の習得度を評価すること。なお、修了評価は筆記試験により1時間程度実施するものとし、修了評価に要する時間はカリキュラムの時間数には含めないものとする。評価の難易度については、介護職の入口に位置する研修であることから、「列挙・概説・説明できるレベル」を想定している。
「修了時の評価ポイント」に示す知識・技術等の習得が十分でない場合には、介護職員初任者研修事業者は必要に応じて補講等を行い、到達目標に達するよう努めるものとする。
(引用:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」/ https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000331389.pdf 引用日2023/03/31)
万が一、修了評価の基準をクリアできなかった場合でも、再試験や補講により合格を目指せます。
(8)費用を抑える方法はある?
介護職員初任者研修に要する費用を抑えるには、積極的な給付金制度の活用がおすすめです。
介護職員初任者研修の受講者で一定の基準を満たす方は、教育訓練給付制度を活用してハローワークから受講料の一部給付を受けられます。ただし、上限は10万円です。
ほかにも、自治体または施設ごとの支援事業を活用することで、受講費用を抑えることも可能です。受講費用自体が安いスクールを選ぶ場合は、通いやすさや振替受講の有無もチェックしましょう。
費用相場・費用を抑える方法に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
まとめ
介護職員初任者研修は、介護業界で働くために求められる介護の基礎知識・技術を学べる研修です。介護関連の資格の中では、入門的な資格に位置づけられます。入門的な資格ではあるものの、介護の基礎知識・技術を施設にアピールできる有用な資格です。
介護職の専門サイト「マイナビ介護職」では、介護業界を熟知したいキャリアアドバイザーによる転職サポートを実施しております。介護業界への転職・就職を検討している方は、ぜひマイナビ介護職をご利用ください。
※当記事は2023年4月時点の情報をもとに作成しています
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