介護職系資格について

介護職員初任者研修とは?資格の取得方法も詳しく解説!

介護職員初任者研修とは、はじめて介護の仕事を目指す人向けに作られた、介護職としてのスタート資格です。平成25年度にホームヘルパー2級から移行して新設されました。

在宅や施設を問わず、介護職として働くうえで必要となる介護の基礎から応用までを学ぶことができます。介護の仕事をするのであれば、最初にとってほしい資格と言えるでしょう。

研修内容は、ホームヘルパー2級とあまり変わりありません。しかし、ホームヘルパー2級で行われていた施設研修はなくなり、その代わりに実技時間が増え、全行程終了後に試験が行われるようになりました。試験に合格した者のみが介護職員初任者研修の資格を得ることができます。

介護職員初任者研修は、初心者向けの研修ということもあり、だれでも受講することができます。受講すると、介護の仕事に必要な知識や技術、考え方を身に付けることができ、基本的な介護業務を行えるようになります。直接体に触れる身体介護を行うための知識や技術はもちろん、認知症についても学ぶことができ、介護職を続けていくために、ぜひ受講してほしい研修と言えるでしょう。

介護職員初任者研修の取得費用はスクールによって大きく異なり、通常6~15万円程度となっています。費用が安くてもカリキュラム自体に差はありません。しかし、講師陣のレベルや欠席時の振替、会場の通いやすさなどに差があるため、自分に合う学校を選ぶようにしましょう。

介護職員初任者初任者研修は、教育給付金の対象となっているので、条件に当てはまれば費用の20%が戻ってきます。また、学校には独自の割引を行うところが多く、自治体によっては受講費用を助成してくれることがあります。助成される額の割合は各自治体によって違うので、お住いの自治体に確認してみると良いでしょう。

さらに、介護職員初任者研修はハローワークでも職業訓練として行われています。職業訓練の場合は、受講費用は無料となり教材費のみが実費となります。求職中で時期が合えば、最も安い費用で資格を取得することができることでしょう。

介護職員初任者研修を取得すると、直接身体に触れる「身体介護」を行うことができるようになります。確かな介護の知識と技術を持っている証明となるので、就職でも有利になります。

また、介護職員初任者研修単独では介護福祉士国家試験の受験資格にはならないものの、上位資格である実務者研修を修了すれば将来的に介護福祉士をめざすこともできます。介護の仕事に興味がわいたら、最初の一歩として介護職員初任者研修の受講を検討してみましょう。

介護職員初任者研修は、介護分野の資格のなかでは初歩的な資格です。
誰でも受講可能な研修であり、修了証を得ることでさまざまなメリットがあるため、これから介護職に就く人はぜひ取得しておきたい資格といえるでしょう。

そこで今回は、介護職員初任者研修の概要と修了するメリットや合格率、取得方法について詳しく解説します。
介護職員初任者研修のカリキュラムや取得費用の相場なども紹介しますので、介護職員初任者研修に興味がある人はぜひ参考にしてください。

監修:馬淵敦士
「ベストウェイケアアカデミー」学校長。介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員(ケアマネジャー)・公認心理師。

1.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)とは

介護職員初任者研修とは、はじめて介護の仕事を目指す人向けに作られた、介護職としてのスタート資格です。2013年4月にホームヘルパー2級から移行して新設されました。

在宅や施設を問わず、介護職として働くうえで必要となる介護の基礎から応用までを学ぶことができます。介護の仕事をするのであれば、最初に取得したい資格といえるでしょう。

研修内容は、ホームヘルパー2級とあまり変わりありません。しかし、ホームヘルパー2級で行われていた施設実習はなくなり、その代わりに実技時間が増え、すべての授業が終了した後に修了評価が行われるようになりました。修了評価に合格すると、介護職員初任者研修の資格を得ることができます。

(「介護職系の給料・年収について/初任者研修(旧ホームヘルパー2級)とは」

1-1.介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修との違い

介護福祉士実務者研修は介護職員初任者研修の上位資格であり、以下のような差があります。

◯介護福祉士の受験資格
実務経験を積みながら介護福祉士国家資格を取得するためには、介護福祉士実務者研修の修了が必須条件です。介護職員初任者研修は、資格を取得する条件にはあてはまりません。

◯サービス提供責任者の条件
介護福祉士実務者研修を修了していれば、訪問介護事業所の「サービス提供責任者」として働けます。介護職員初任者研修ではサービス提供責任者になることができません。

◯受講科目の差
介護福祉士実務者研修を修了するためには、20科目450時間の受講が必要となります。介護職員初任者研修の場合は、9科目130時間が必要です。

◯修了試験の有無
介護職員初任者研修では、研修修了時に修了評価が行われます。
介護福祉士実務者研修では、研修修了時に試験がありません。

なお、介護福祉士実務者研修を受講する際、介護職員初任者研修を修了していれば一部の科目が免除されます。

2.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を修了するメリット

訪問介護事業所などでホームヘルパーとして働く場合、介護資格が必要です。それ以外で介護業務を行う場合、無資格の人は「認知症介護基礎研修」を受講する必要があります。認知症介護基礎研修は1日で終えることができる研修になりますが、介護職員初任者研修を修了し、有資格者となることで、応募できる求人の増加や収入アップが期待できるなど、いくつものメリットがあります。

ここでは、介護職員初任者研修を修了する3つのメリットを紹介します。

2-1.応募できる求人の幅が増える

介護職員初任者研修を修了する1つ目のメリットは、応募できる求人の幅が増えることです。

介護職員数の足りていない事業所は多く、求人数もたくさんあるため、勤務先を見つけるだけであればさして難しくはありません。
しかし、より給与の高い求人情報や待遇の良い介護施設の場合、即戦力を求める意味でも介護職員初任者研修の修了を応募条件に加えていることが多くあります。

介護職員初任者研修を修了することで、経験が少なくとも希望の条件にかなう求人に応募しやすくなるといえます。

2-2.収入アップ・キャリアアップを期待できる

介護職員初任者研修を修了する2つ目のメリットは、収入アップ・キャリアアップを期待できることです。

介護事業所によっても異なりますが、介護職員初任者研修の修了者に資格手当が支給される場合があります。

介護職員初任者研修で得た技術や知識を現場で活かし、経験を積むことによって事業所内でキャリアを高めることも可能です。

また、介護福祉士実務者研修を受講するときに介護職員初任者研修を修了していると、一部の科目に関して免除があり、期間も短縮して受けられます。

収入アップを望む人や将来的に介護福祉士を目指す人にとって、介護職員初任者研修の修了は有利となるでしょう。

初任者研修(旧ホームヘルパー2級) 給料 年収

2-3.家族など身近な人の介護にも役立つ

介護職員初任者研修を修了する3つ目のメリットは、家族など身近な人の介護にも役立つことです。

家族が要介護状態となった際、自分自身で面倒を見る場合・介護サービスを利用する場合のどちらであっても、介護計画を立てやすかったり方針を理解しやすかったりします。

介護職員初任者研修の授業で身につく技術や知識は、仕事だけでなく身近な人に介護が必要となった際にも大いに役立つでしょう。

3.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の合格率

介護職員初任者研修の合格率は明らかにされていませんが、基本的に受講した人のほとんどが修了できています。修了評価の難易度はそれほど高くはなく、どちらかといえばベッドや車いすを使って行う実技演習のほうが難しいと感じる人が多い傾向です。

実際の介護現場を想定した介助を行うため、介護の経験がない場合は上手にバランスが取れないことや体力がついていかないことあります。
もっとも、回数を重ねて要領をつかめれば、実技もスムーズに行えるようになりますので、さほど心配はいりません。

4.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の取得方法

介護職員初任者研修の修了証を取得する方法には、通学講座か通信講座の2種類がありますが、履修内容は同じです。

介護職員初任者研修の資格取得には、厚生労働省によって実技を含んだ9科目130時間の受講が定められているため、完全な独学で資格を取得することはできません。

ここでは、通学講座と通信講座それぞれでの取得方法を解説します。

4-1.通学講座で取得する方法

通学講座で介護職員初任者研修を受講する場合、週5日通うコースであれば、最短1か月程度で資格の取得が可能となります。

通学の場合は、同じ目的を持った受講生同士で切磋琢磨できるため、モチベーションを維持しやすくなることがメリットです。

カリキュラムの組み方は、講座を開講するスクールや選択するコースによって異なります。
働きながら資格取得を目指す場合は土日だけ、資格を取得してから働く場合は毎日通うなど、都合に合わせて講座を選択しましょう。

できるだけ短期間で介護職員初任者研修の取得を目指す人は、通学講座がおすすめです。

4-2.通信講座で取得する方法

通信講座で介護職員初任者研修を受講する場合、自宅学習の期間があるため、通学講座よりも数か月間長い受講期間が必要となります。

通信の場合は、空き時間を利用して場所を気にせず学べることがメリットです。
ただし、通信講座といっても、自宅での学習が認められている内容は全カリキュラム130時間のうち、講義部分の一部である40.5時間までとなっています。残りの講義や実技に関しては必ず通学して履修しなければなりません。すべて自宅学習になるわけではないので注意しましょう。

通学講座よりは時間の都合をつけやすいため、近所にスクールがない人や自分のペースで現在の仕事や家事と両立させたい人に向いています。

5.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)の受講・受験資格

介護職員初任者研修は初心者向けの研修ということもあり、誰でも受講することができます。受講すると、介護の仕事に必要な知識や技術、考え方を身につけることができ、基本的な介護業務を行えるようになります。

身体介護を行うための知識や技術はもちろん、認知症についても学ぶことが可能です。介護職を続けていくために、ぜひ受講したい研修といえるでしょう。

6.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)のカリキュラム

介護職員初任者研修は、厚生労働省の指針により介護職員としての基礎知識を学ぶためのカリキュラムが定められています。
下記は、各研修科目の自宅学習の上限時間と総受講時間、受講内容の概要です。

研修科目 自宅学習の上限時間 総受講時間
職務の理解 0時間 6時間
介護の意味や介護職としての仕事やサービスを理解し、介護に関する知識を深める。例えば、在宅サービスや施設サービスの種類や内容について学ぶことになる。
介護における尊厳の保持・自立支援 7.5時間 9時間
被介護者の人権を守るために、介護職としてすべきこと・してはならないことを学ぶ。例えば、虐待防止や意思表示が難しくなった認知症の利用者に対してどのような制度やサービスがあるかなどを学んでいく。
介護の基本 3時間 6時間
介護福祉業界の現状や社会における介護職の必要性、リスクマネジメントや安全確保について学ぶ。利用者の体調管理に加え、介護職のこころとからだの管理などについても学ぶ。
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 7.5時間 9時間
介護保険制度の仕組み・医療との連携・障害福祉サービスについて理解を深める。被介護者が利用する法制度(介護保険法・障害者総合支援法など)について深く学んでいく。
介護におけるコミュニケーション技術 3時間 6時間
介護現場におけるコミュニケーションの重要性・目的・役割・意義を学ぶ。被介護者とのコミュニケーション方法に加え、チームの連携・チーム内コミュニケーションについても学ぶ。
老化の理解 3時間 6時間
老化による身体機能の低下や代表的な病気の症状、心情の変化について学ぶ。被介護者が高齢者であった場合、その身体的精神的特徴や病気についての簡単な医学的知識を学ぶ。
認知症の理解 3時間 6時間
認知症を取り巻く環境や社会問題を踏まえて、認知症の種類や特徴を把握し理解を深める。認知症利用者や家族に対する支援についても深く学んでいく。
障害の理解 1.5時間 3時間
医学的側面から障害者の生活における障害・行動の特徴などの基礎知識を学び、被介護者や家族の心理的特徴・支援の仕方について理解を深める。障害の内容や支援方法についても合わせて学ぶ。
こころとからだのしくみと生活支援技術 12時間 75時間
日常生活の支援に必要な食事・移動・排泄・入浴などの基本的な介助方法、終末期介護への向き合い方、介護者にかかる身体の負担を軽減する方法を学ぶ。車いすやベッド、ポータブルトイレなどの福祉用具を使い、利用方法や介護の方法を演習形式で学ぶ。
振り返り 0時間 4時間
研修全体で学んだことの再確認を行う。これまで学んできた内容についてのまとめとなる。
合計 40.5時間 130時間

出典:厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について

すべてのカリキュラム修了後に、修了評価が実施されます。
試験時間は1時間以上、定められた点数を獲得すると合格となり、修了証明書交付を受けて終了です。学習内容さえ理解していれば十分に通過できるうえ、ほとんどのスクールで追試を受けられます。

7.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)取得費用の相場

介護職員初任者研修の取得費用はスクールによって大きく異なり、6~15万円程度となっています。
費用が安くてもカリキュラム自体に差はありません。しかし、講師陣のレベルや欠席時の振替、会場の通いやすさなどに差があるため、自分に合った学校を選ぶようにしましょう。

介護職員初任者研修は一般教育訓練給付金もしくは特定一般教育訓練給付金の対象となっているため、指定されているスクールに通い、条件に当てはまれば特定一般教育訓練給付金の場合は費用の40%、一般教育訓練給付金の場合は20%が戻ってきます。支給額には上限がありますので、申請前に確認してみましょう。
また、独自の割引を行うスクールも多く、自治体によっては受講費用を助成してもらうことができます。助成される額の割合は各自治体によって異なるため、自治体に確認してみると良いでしょう。

さらに、介護職員初任者研修はハローワークでも職業訓練として行われています。職業訓練の場合は、受講費用は無料となり教材費のみが実費となります。
求職中で時期が合えば、もっとも安い費用で資格を取得することができるでしょう。

8.介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)を仕事で活かす

介護職員初任者研修を取得すると、ホームヘルパーとして「身体介護」「生活援助」を行うことができます。また、基本的に資格が不要とされている特別養護老人ホームなどの介護施設においても、介護職員初任者研修の資格は、確かな介護の知識と技術を持っている証となるため、就職でも有利となるでしょう。

また、介護職員初任者研修の修了だけでは介護福祉士国家試験の受験資格にはならないものの、上位資格である介護福祉士実務者研修を修了すれば、実務経験を3年積むことによって介護福祉士の受験資格を得ることができます。
介護の仕事に興味のある人は、最初の一歩として介護職員初任者研修の受講を検討してみましょう。

まとめ

介護職員初任者研修は、介護関連資格のなかでも初歩的な資格です。
しかし、介護職員初任者研修を修了することは、介護職に求められる基本的な知識と介護技術を身につけていることの証明となります。

応募できる求人の数が増えるほか収入アップが期待でき、家族など身近な人の介護にも役立つでしょう。介護福祉士実務者研修を受講する際にも、一部の科目免除が認められているというメリットもあり、介護福祉士受験資格を取得する近道の一つになるかもしれません。

介護職として転職やキャリアアップ、スキルアップを考えている人はぜひ介護職員初任者研修の受講を検討しましょう。

プロフィール

馬淵 敦士(まぶち あつし)

「ベストウェイケアアカデミー」学校長。介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員(ケアマネジャー)・公認心理師

馬淵敦士さん

(株)ベストウェイ代表取締役社長。奈良教育大学大学院教育学研究科修了。ホームヘルパー・在宅介護コーディネーター・ケアマネジャーを歴任し、「かいごのがっこう ベストウェイケアアカデミー」を設立。 修士(教育学)・介護福祉士・社会福祉士・介護支援専門員・公認心理師・小学校教諭及び特別支援学校専修免許状を持つ。多くの介護関連資格の受験勉強をし合格してきたため、試験のポイントを熟知している。介護現場から起業して社長となり、10年以上経営、人材育成に力を注ぐ。 福祉系受験対策講座を全国で行い、『ケアマネジャー試験 過去問解説集2021(中央法規出版)』『ケアマネに合格する人はなぜ質問をするのか(三恵社)』など執筆。