認知症グループホームには無資格で転職できる?役立つ資格も解説

介護業界への転職を検討している方の中には、資格や経験がないことで不安を感じている方も多いのではないでしょうか。認知症グループホームや障害者グループホームでは無資格でも就職できるケースがありますが、近年の制度改正により認知症介護基礎研修受講が義務化されています。
当記事では、認知症グループホームへの転職に資格が必要かどうかを分かりやすく解説するとともに、現場で求められる仕事内容や、取得しておくと有利な介護系資格について紹介します。転職に向けてどのような準備が必要なのかが明確になりますので、ぜひご一読ください。
目次
1. 認知症グループホームへの転職には資格が必要?
認知症グループホームへの転職は無資格でも可能ですが、介護に直接携わる場合は「認知症介護基礎研修」の修了が義務付けられています。2021年度の介護報酬改定により、医療・福祉系の資格を持たない介護職の方は、認知症介護基礎研修の受講が必要となりました。2021~2023年度は努力義務、2024年度から完全義務化となっています。
ただし、新規・中途を問わず入職後1年間の猶予期間があるため、無資格でも働きながら認知症介護基礎研修を受けることが可能です。計画的に認知症介護基礎研修eラーニングを修了することで、転職後もスムーズに業務へ取り組めるでしょう。
1-1. 認知症介護基礎研修とは
認知症介護基礎研修とは、介護の仕事が初めての方や資格を持っていない方が、認知症の方へのケアの基本を学ぶ入門的な研修です。本人の気持ちや意思を大切にした介護の考え方や、チームの一員として仕事をするための基礎的な力を身に付けることが目的です。
研修は全部で4章に分かれており、主にパソコンやスマートフォンを使ったeラーニングで行われます。認知症介護研究・研修仙台センターにおけるカリキュラムは以下の通りです。
1
認知症の人を取り巻く現状
●認知症施策の概要(認知症施策推進大綱)
2
具体的なケアを提供する時の判断基準となる考え方
●基礎となる理念や考え方
●尊厳の保持、偏見や誤解の解消
●日常生活・社会生活における意思決定支援とは
3
認知症の人を理解するために必要な基礎的知識
●認知症の症状と生活や心理への影響
●症状出現に影響する要因
4
認知症ケアの基礎的技術に関する知識と実践上の留意点
●チームケアの観点を含めた基礎的な認知症ケアの方法
●家族介護者への支援方法
(引用:社会福祉法人東北福祉会 認知症介護研究・研修仙台センター「認知症介護基礎研修とは」
/
https://kiso-elearning.jp/what-kiso/ 引用日2025/4/22)
動画の視聴は約150分で、確認テストや自分で考える課題を合わせても、全体の学習時間は6時間ほどです。すべての学習を終えてテストに合格すると、修了証がすぐに発行されます。ネット環境があれば、自宅や職場などから自分のペースで進められ、基本的な内容が中心なので、仕事をしながらでも無理なく取り組めるでしょう。
2. 認知症グループホームとは
認知症グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症高齢者の方が5~9人の少人数で共同生活を送りながら、家庭的な環境の中で介護や生活支援を受けられる施設です。入浴、排せつ、食事の介護などの日常生活上の世話と機能訓練を行い、能力に応じて自立した日常生活を営めるようにするものと定義されており、利用者さんの穏やかな生活を支えます。
・認知症グループホームの目的
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、認知症の高齢者に対して、共同生活住居で、家庭的な環境と地域住民との交流の下、入浴・排せつ・食事等の介護などの日常生活上の世話と機能訓練を行い、能力に応じ自立した日常生活を営めるようにするもの。
(引用:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001113811.pdf 引用日2025/4/22)
・認知症グループホームの人員配置基準
○介護従業者
日中:利用者3人に1人(常勤換算)
夜間:ユニットごとに1人(※)
○計画作成担当者
事業所ごとに1人以上(最低1人は介護支援専門員)
○管理者
3年以上認知症の介護従事経験があり、厚生労働大臣が定める研修を修了した者が常勤専従
(引用:厚生労働省「認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)」
/
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001113811.pdf 引用日2025/4/22)
介護スタッフの方は、食事の準備やレクリエーションの支援など日中のケアだけでなく、夜間もユニットごとに1人が配置される夜勤対応も行います。
2-1. 認知症グループホームの仕事内容
認知症グループホームでは、利用者さんが住み慣れた地域の中で、自分らしく穏やかに暮らせるよう支援することが大切です。介護職の方は、日々の生活の場面に寄り添いながら、さまざまな役割を担います。
| 身体介護(身体的介護) | 入浴・排せつ・食事など、身体の状態に合わせたケアを行い、利用者さんの自立を支援します。 |
|---|---|
| 生活援助 | 調理や掃除などの家事は、利用者さんと一緒に行うのが基本です。 |
| レクリエーション・趣味活動の支援 | 利用者さんの趣味や好みに合った活動を通じて、日々の楽しみや生きがいを提供します。 |
| 家族・地域との交流支援 | 家族や地域との関わりを大切にし、安心できる暮らしの場を支えます。 |
グループホームの仕事内容4つの詳細!仕事に生かせる資格も紹介 | マイナビ介護職
3. 認知症グループホームへの転職に役立つ資格
認知症グループホームへの転職では、介護系の資格を持っていると実務に生かしやすく、待遇面でも優遇されることがあります。ここでは、転職に役立つ主な資格を紹介します。
グループホームの管理者は資格が必要?働くやりがいや向いている人も | マイナビ介護職
3-1. 介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基本となる知識や技術を身に付ける入門的な資格です。認知症グループホームで働く上でも非常に役立ち、利用者さんの心身の状態に応じた支援やコミュニケーションの取り方など、実務に直結する内容を学べます。
研修は130時間で構成され、修了までの期間は2週間~3か月程度が目安です。全国の資格スクールや介護事業者で実施されており、比較的取得しやすい点も魅力です。資格があることで就職先の選択肢が広がるほか、施設によっては資格手当が支給されることもあります。グループホームで介護職としてのスタートを切るのに心強い一歩となる資格と言えるでしょう。
3-2. 介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、より専門的で実践的な介護スキルを身に付ける資格です。将来的に介護福祉士を目指す方にとっては必須の研修でもあります。研修は初任者研修よりも内容が高度で、学習期間の目安は約6か月です。
カリキュラムには認知症の理解や医療的ケアなども含まれており、現場で求められるスキルをしっかりと学ぶことができます。初任者研修修了者など、すでに他の研修を受けている場合は所定のカリキュラムの受講が免除されます。グループホームへの転職後、より専門的に活躍したい方におすすめの資格です。
介護福祉士実務者研修とは?働くメリットや資格の取得方法を解説!
3-3. 介護福祉士
介護福祉士は、介護分野で唯一の国家資格です。身体介助や生活支援だけでなく、他職員への助言や利用者さんの家族対応など、幅広い専門性を身に付けられるので、認知症グループホームで中心的な存在として活躍できるでしょう。
資格取得方法には、福祉系の高校を卒業して受験資格を得る「福祉系高校ルート」、介護福祉士養成施設を修了する「養成施設ルート」、外国人を対象とした「EPAルート」などがあり、もっとも一般的なのが「実務経験ルート」です。介護職として3年以上の実務経験を積み、「実務者研修」を修了するか、「介護職員基礎研修」と「喀痰吸引等研修」の両方を修了すると、介護福祉士国家試験の受験資格が得られます。その後、合格と登録を経て資格を取得できます。
3-4. 認知症介護実践者研修
認知症介護実践者研修は、認知症の進行予防やBPSD(行動・心理症状)の軽減を図り、本人主体の介護を実践するための知識・技術を学ぶ専門研修です。資格を取得することで、認知症介護ケアの知識を生かして、適切なケアを実践できます。
受講対象は、原則として介護の基礎知識と2年以上の実務経験があり、認知症介護基礎研修の修了または同等の能力を有する方です。研修は前期研修(2日間)→職場実践→後期研修(2日間)→実習(4週間)→報告・評価という流れで行われ、段階的に理解を深めながら、職場での実践力を高めていきます。
修了者の多くは職場内で管理業務やリーダー的な役割を担っており、スキルアップを目指す方にとって非常に有益な資格です。また、修了者を配置した事業所は介護報酬の加算対象となるため、転職の際にも高く評価される可能性があります。
認知症介護実践者研修とは?取得するメリット・難易度・受講方法
まとめ
認知症グループホームでは無資格でも就職は可能ですが、直接的な介護には「認知症介護基礎研修」の修了が必要です。介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士、認知症介護実践者研修などの資格を取得することで、転職時の条件が有利になり、現場での役割も広がるでしょう。
グループホームなど介護業界の転職に不安を感じる方は、介護業界専門の転職支援サイト「マイナビ介護職」にご相談ください。介護業界に精通したキャリアアドバイザーが、一人ひとりの状況に合わせて転職をサポートいたします。
※当記事は2025年4月時点の情報をもとに作成しています
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