介護職の職務経歴書の書き方|項目別の記載事項や自己PRの書き方も
転職活動を行うときは、履歴書と職務経歴書が必要です。履歴書がこちらのプロフィールを伝える書類である一方、職務経歴書は自分を転職希望先にPRするための書類です。
マイナビ介護職は、転職先の求める人物や能力を理解した上で、仕事で培った自分の強みを、分かりやすく常識的な筆致で誠実に伝えることをおすすめします。ここでは、職務経歴書の書き方や自己PRの方法を詳しく解説するので、転職活動中の方はぜひご活用ください。
目次
- 4. 職務経歴書での自己PRの書き方は?
- 4-1. 自分の経験を洗い出す
- 4-2. 具体的な内容になるよう心がける
- 4-3. どのように貢献できるかアピールする
- 4-4. 志望動機を絡める
- 4-5. 将来のキャリアビジョンを記載する
1. 職務経歴書の書き方のポイント
職務経歴書を作成するときは、下記の点を押さえておきましょう。
・病院や施設のニーズに合った自分の強みをPRする。
要素としてハイスペックでも、転職先が求めていないことは強調してもあまり相手の心に響きません。募集している職場の、募集している職種で役に立てるような職務経験や、信頼に足る人間性を理解してもらえるような実績を分かってもらえるように書きましょう。
・退職理由はポジティブなものを。
ネガティブになりがちな退職理由も、ポジティブに言い換えることで採用担当者の印象は良くなります。人間関係が悪くて退社した場合でも、「チームワークを活かせる環境で働きたい」といったように、前向きな表現を心掛けてください。
・常勤の経歴は全部書き、非常勤でも転職希望先に歓迎されそうなら書く。
「些細な職務内容は書く必要ないかな」と迷っても、常勤なら書いておきましょう。また、アルバイトなどは書く必要はありませんが、転職希望先が技能として認めてくれそうだったり、ある程度続けて働いて、関連性がある内容だったりする場合は記載します。
・パソコンで作成すると修正がしやすい。
履歴書は手書きが良いと言われることが多いですが、職務経歴書はパソコンで作成したほうが見やすくなるかもしれません。職務経歴書はA4用紙2枚程度にわたる書類になるため、手書きでは読みづらい印象を与えてしまう可能性があります。 WordやExcelをなどを使って、読みやすい職務経歴書を仕上げれば、もう一工夫したくなったときにも修正が容易です。
・書いた後に時間をあけ、採用担当者の視点からもう一度チェックする。
綿密に考えて書き上げたつもりの職務経歴書でも、時間をあけてからもう一度見てみると、意外と粗を発見します。強調したいポイントが自然に目に入るようになっているか、字が汚くないか、年代によって記入量に差がないかなど、できれば一日あけてからチェックしましょう。
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2. 【項目別】介護職の職務経歴書の書き方
職務経歴書には、主に下記の記載項目があります。
・氏名・日付
・職務要約
・職務経歴
・保有資格
・自己PR
介護職が職務経歴書を書く場合は、記載項目に介護職ならではのポイントがあることに注意しましょう。
以下ではそれぞれの記載項目について、書き方や注意点を解説します。
2-1. 氏名・日付
職務経歴書の最上段には、氏名と日付を記入する欄があります。
・氏名の書き方
職務経歴書の氏名は、本名をフルネームで書きます。姓と名の間には一文字分の空白をあけましょう。
・日付の書き方
日付は、年・月・日の順番で書きます。年の書き方は西暦・年号のどちらでもよいものの、職務経歴書全体で年表記を統一するようにしてください。
また、日付には職務経歴書を作成した日ではなく、提出する日を記入します。職務経歴書を面接に持参する場合は面接日を、郵送する場合はポストへの投函日を記入しましょう。
2-2. 職務要約
職務要約は、職務経歴に書かれている内容の要点をまとめた項目です。現在までに入社した施設名・企業名と経験した業務内容、得られたスキルなどを簡潔に記載します。
職務経歴書の中でも、職務要約は採用担当者が最初に注目する部分であり、応募者の第一印象を決定づける項目です。採用担当者に関心を持ってもらえるように、「応募先が求める人物像に自分が合致している」ことをアピールできる内容を盛り込みましょう。
ただし、職務要約の文字数が多いと、採用担当者が最後まで目を通してくれない可能性があります。職務要約は5行前後にし、具体的な内容は次の「職務経歴」に記載してください。
2-3. 職務経歴
職務経歴は、職務要約で書いた内容をより詳しく説明する項目です。自分の現在までの経歴を時系列順に書きます。
職務経歴の項目で書く内容は、基本的に下記の6つです。
・在籍した期間(年・月)
・在籍した法人の正式名称
・所属した施設の正式名称と入居者数
・勤務職種の名称(介護職など)
・雇用形態(正社員やパートなど)
・具体的な業務内容
ただし、介護職以外の経歴を記載する場合は、「所属した施設の正式名称と入居者数」の代わりに「勤務先の事業内容」を書きます。
2-4. 保有資格
保有資格は、自分が取得した資格を記入する項目です。資格を取得順に正式名称で書いて、資格の取得年月も記入します。
介護職の職務経歴書では、基本的に介護サービスに関連する資格を優先して書きます。例を挙げると、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」などは保有していれば記入するべき資格です。
介護サービスに関連する資格をあまり保有していない、もしくは全くない場合でも、仕事で役立つと考えられる資格やアピールができる資格を記入するのがおすすめです。「普通自動車第一種免許」「中学校教諭一種免許状」のように、持っている資格を記入しましょう。
なお、介護福祉士のように資格の取得日と登録日が異なる資格もあります。保有資格の取得年月には、資格の取得日に該当する年月を記入してください。
2-5. 保有資格
自己PRは、現在までの経験・実績を述べながら、自分の介護職としての強みを伝える項目 です。
書くべき内容が決まっていることが多い職務経歴書の中で、自己PRの記入欄は自分の言葉で応募先へのアピールができます。職務経歴や保有資格といった情報の羅列だけでは分からない、自分の強みや入職後の目標を盛り込むとよいでしょう。
自己PRは応募者ごとに個性が出る項目であり、自己PRの内容次第で書類選考の通過率が変わる可能性もあります。
3. 職務経歴書の書き方(見本)
4. 職務経歴書での自己PRの書き方は?
自己PRには自由な内容を書けるものの、採用につなげるためにはいくつかのポイントを押さえて書くことが大切です。
介護職の職務経歴書では自己PRをどのように書くとよいかを、5つのポイントに分けて解説します。
4-1. 自分の経験を洗い出す
まずは自分の経験を洗い出し、強みとなる部分を探しましょう。従事した職務やキャリアを時系列順で一覧表にすると、アピールできる強みを把握しやすくなります。
自己PRの内容として取り上げる強みは、個性を出せる内容であり、なおかつ応募先が求める人物像に合致することが重要です。
「誰とでも仲良くコミュニケーションが取れる」などのありきたりな強みでは、採用担当者に関心を持ってもらえません。「介護福祉士の立場から、利用者さんと家族に寄り添ったケアを考えられる」のように、自分の経験を絡めてアピールできる強みを選んでください。
4-2. 具体的な内容になるよう心がける
自己PRに自分の強みを書くときは、具体的な内容になるよう心がけることが重要です。
アピールしたい自分の強みには、強みと確信するに至った理由や、強みを発揮できた場面が必ずあります。自分の強みに関する経験やエピソードを盛り込むと、採用担当者が納得できる自己PRを書けるでしょう。
また、具体的な内容を書くには文字数がかかります。自己PRに書く自分の強みやアピールポイントは多くても2~3つに絞り、一つひとつの内容をより具体的に書くことがおすすめです。
4-3. どのように貢献できるかアピールする
自己PRでは自分の強みを示すだけでなく、応募先の介護施設・事業所にどのように貢献できるかもアピールしなければなりません。職務経歴書を読む採用担当者は、自己PRから「応募者の能力は何か」「採用するメリットがあるか」を判断しようとしているためです。
貢献できる内容をアピールするには、入職したときにどのように活躍したいかを書きましょう。「入職後はケアマネジャーとしてケアプラン作成などの業務に携わり、誰もが利用しやすい介護サービスを実現したい」などは、貢献をアピールする例です。
貢献できる仕事内容を具体的に盛り込むと、入職後の活躍を採用担当者がイメージしやすくなって、印象のよい自己PRとなります。
4-4. 企業理念に共感できる
職務経歴書は面接時の応募者資料として使われる書類であり、自己PRの文章は志望動機との一貫性がなければなりません。
そもそも志望動機には、「自分がなぜ応募先の施設・事業者を選んだか、どの部分に魅力を感じたか」という内容が書かれています。
志望動機は一般的に履歴書に記載するため、職務経歴書の自己PRに志望動機をそのまま書く必要はないものの、矛盾が生じないように注意しましょう。
例として、志望動機が「在宅介護の専門性を高めたいと考え、訪問介護事業所に応募した」であれば、自己PRでは「在宅介護の業務への熱意」を示せる内容を書きます。
志望動機との一貫性がある自己PRは採用担当者の印象に残り、採用につながりやすくなります。
4-5. 将来のキャリアビジョンを記載する
採用担当者は、「長く務めてくれる人材か」「採用後にすぐ転職しないか」を気にしています。定着して働く人材であるとアピールするには、自己PRに将来のキャリアビジョンを記載することが有効です。
将来のキャリアビジョンは、現在のキャリアの延長線上にあり、かつ応募先で実現可能な内容を書きましょう。
例として、介護関連の資格がない方が「将来は介護現場のリーダーとして働きたい」と書いても、現在のキャリアとの差が大きいため真剣に受け止めてもらえません。
「介護職員初任者研修を取得し、やがては介護福祉士の資格も取得して活躍したい」のように、キャリアの段階を踏まえて書いたほうが説得力のある内容となります。
5. 介護職の職務経歴書で使える自己PR例
自己PR記入欄は、応募先の採用担当者に自分を売り込むだけではなく、仕事に対する意欲や熱意を伝えられる項目です。これまでの経験を踏まえ、「自分の強み」であり「アピールポイント」だと思えるエピソードを、できるだけ具体的に記入してください。
【例1】介護支援専門員 (介護士→ケアマネジャー)
介護現場を6年間経験し、今回の国家試験にて介護支援専門員の資格の取得に成功しました。ケアマネの資格を取得し、直接的に利用者様に関わることから、間接的により多くの利用者さまの生活を支えられると考えております。
ケアマネ業務は多忙であり、ご家族や利用者とスタッフとバランスを取らないといけない大変な業務と認識しておりますが、自身の対応次第で、結果が変わってくる所も非常にやり甲斐がある仕事だと思います。1日も早く仕事を覚えて戦力になりたいと考えておりますので、何卒よろしくお願いします。
【例2】介護福祉士 (転職経験が多い場合)
これまでに6社の転職を経験して、幅広い介護施設での勤務を体験し良い事例や悪い事例を経験して参りました。幅広い業態を経験させて頂いたことで、利用者様とそのご家族がどういったケアを必要とし、社員(介護職員)にどのような介護を提供してほしいか、一歩引いた目線で学ぶことができました。
そのため、多くの職場を経験した事が、自身の強みだと実感しております。私が今まで身につけた技術や介護経験などを御施設で生かしていきたいと思い志望しました。
6. 職務経歴書のダウンロード
7. 職務経歴書でよくある質問
Q 職務経歴書の目的は?
A 職務経歴書を提出する目的は、経歴を伝えるだけでなく、自己推薦するためです。自己PRなので、何ができて、何をやってきて、今後どうなりたいかを書いてください。
Q 応募企業ごとのカスタムはしますか?
A 訪問であったり、デイサービスであったり、業態が同じなら同じものを違う企業に提出してもかまいません。一方、志望の業態が複数あるなど希望が固まっていない場合は先に担当に相談したほうがいいでしょう。
Q 職務経歴書の枚数は何枚くらいまで?
A A4の用紙2枚くらいまでが望ましいです。多くなってしまったらホッチキスでとめましょう。
一番安心なのはその転職希望先のウェブサイトなどを見て、元号で書いてあれば元号、西暦で書いてあればそちらに合わせて書くことです。
Q 提出用紙の大きさはそろえた方がいい?
A 大きさはそろえましょう。
同じ大きさか、二つ折りにしたときに同じ大きさになるような用紙を使いましょう。
Q 転職歴が多い場合は職務経歴書にどの程度書く?
A 介護職は転職が多い業界なので、以前の勤め先それぞれで何をやって何を学んだかを分かりやすく書きましょう。
短い期間で転職してしまっても、具体的にやった仕事を書き、各職場で学んだスキルを書きわけ、意味のある転職だったことを先方に伝えましょう。社会保険が動くような転職は隠しても書類で分かりますので隠さず全部書いた上でポジティブな点を説明できるようにしておきましょう。
前もってマイナビのキャリアアドバイザーにご相談いただければ、書類記入のお手伝いや、面接での受け答えの練習もできます。
Q 休職期間が長い場合の書き方は?
A ブランク期間については書かず、働いていた経歴だけ書きましょう。
ブランク中の場合は非常勤やアルバイトの仕事でも書いたほうがいいでしょう。
Q 業務内容を具体的にどこまで記載すればいいのか分からない
A 希望する業務に関連のある部分は強調して詳しく、そうでない場合は全体が分かる程度に緩急をつけて書きましょう。
迷った場合はマイナビのキャリアアドバイザーに相談してください。
まとめ
介護職として転職活動を行うときは、職務経歴書でしっかりと自己アピールを行うことが大切です。職務経歴書の作成を通じて自分の経験を洗い出し、強みをまとめて自己PRを行いましょう。
マイナビ介護職では、介護業界に精通したキャリアアドバイザーが転職サポートを行っています。書類の作成や、アピールするべき自分の強みについて悩んでいる方は、ぜひ一度マイナビ介護職のご相談ください。非公開求人の紹介も行っているので、多彩な求人からぴったりの職場を見つけることも可能です。
※当記事は2024年4月時点の情報をもとに作成しています
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